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20220101 / 追慕、受胎。

疾うに沈んだ夕日の残響が、黄昏に反射して照らす紅色の惨禍。今日も今日とて、僕は何も成せずして過ぎ去った今日に置いていかれる。

護岸ブロックに染み出した影が、僕を見限ってコンクリートの壁の向こう側へと歩き出した。残された僕は辛くなる前に、そいつのことを見限って返す。川に不法投棄された自転車を見て、途端に、信じることと期待しないことの違いが分からなくなる。

僕が僕であるということを、いくら僕が理解しているとしても、君が誰だか分からないと言われれば、それを説明するのは難しい。愛想笑いで、「僕も僕が分からない」なんて言って、僕は僕を突放す。僕は僕を遠ざける。僕は今の僕を成すすべての僕を遡って、詩を見つけては消す。それが僕の死因になる。

暁、露の滴る花を摘んだ誰かが、それを抱えて、過ぎ去った今日を偲んだ。