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絵を描いてたら1年で絵柄が変わりすぎた

こんにちは。同人イベントでオリジナルキャラの姉妹が出てくるマンガ「はるなつセンセーション」シリーズを出しているくもゆにと申します。今回は2022年を回想して、1年で絵柄が変わった、というお話です。

お正月絵から投稿開始

2021年8月に一次創作やっていこうとアカウントを作りました……が、キャラクターをどうするか、どんな話にするかがまとまらず、2022年の年明けを迎えてからようやくイラストを投稿し始めました。

最初に上げたのがこの絵でした。オリジナルキャラクターの姉妹で、左が遥(はるか)、右が菜摘(なつみ)です。以降、イラストでは必ず左から姉・妹になるようにしています。

私の絵は、友人に見せると「目が大きいなって思うけど……まぁ……絵柄の範囲内…?」と言われるような絵です。大きめの瞳が好きなんです……。

画風はこのときから今に至るまでずっとアニメ塗り基調で塗っています。アニメ塗りにすることでごまかしがききにくく、影の付け方の勉強になるという狙いもありますが、何より私自身がアニメ塗りの絵が好きだからです。

※アニメ塗り:色をはっきり分ける塗り方

作品ごとに作風を変える

アニメ塗りで描きつつも、ときどき異なる塗り方も試しています。このときは「魔法少女にあこがれて」の表紙に感化されて、影を黒ベタ塗りにしたコントラストの強い色塗りで描いていました。

このときの「少ない色で立体感や要素を表現する」経験が後々の絵柄にも繋がっているのだと思います。

描けるまで描く・直し切る

このときは年明けから春まで連続してイラストを仕上げていましたが、苦手な背景まできっちり描き込むこと、自分がヨシと思うまで修正しきることを目標にしていました。つまり、各イラストは当時の全力です。

上のメイキング動画を見ていただくと、何度も手直ししているのがお分かりいただけると思います。

背景を含め、描きたいものがあったら資料を見て描く、違和感がなくなるまで描き直すということをしていたので、練習や落書きは行っていませんでした。あとから思えば、この習慣がいまに繋がったのかなと考えています。

春の三部作

描いたイラストの中でも、こちらは春を題材にして三枚上げよう!と描いたものです。

三部作といいつつ、三枚描き上げたあとにお団子の絵を描きたくなり、結局四枚になってしまいました。(あと、上げたイラストにはいくつかミスがあります)

この四枚を仕上げるにあたり、「春らしさを感じさせるにはどうすればいいのだろう?」という動機から、イラストに入れる要素や、視線誘導について考えるようになりました。

このあと、夏のコミティア参加のためにマンガを描き始めたため、しばらくはイラスト制作からは離れていました。

夏の三部作

マンガ制作がひと段落したこともあり、天気の悪かった夏休みを使って、1枚1~2日掛けて夏らしいイラストを描いたときのものです。もともとは暑中見舞いとして1枚を投稿するつもりでしたが、最終的には三枚を描いて夏の三部作としました。

海と水着・花火とお祭り・渓谷とスイカ…どれも夏っぽい要素を入れた絵です。このときの画風は、色の境目すべてを黒い実線で描き、その中をすべて1色で塗りつぶす、いわゆるリーニュクレール調で塗っていました。

この描き方はぼかしを用いず、物の形だけで要素を表現する必要があります。特に難しかったのが遠景でしたが、描き飛ばし※方のいい練習になりました。

※それっぽく見せつつ描き込みの量を減らすこと。例えば上記の「ひんやりリバーサイド」では遠くの山や砂防ダムはあまり線を描かずに表現している。

9月4日にはコミティアに初めてサークル参加し、オリジナルキャラクター姉妹のマンガ本を頒布しています。

2日に1度絵を上げる

コミティア終了後、またイラストを描いてみようと何枚か制作しました。1日に1枚…はハードルが高かったので、2日に1枚ペースを目指して描くことにしていました。

序盤はアニメ塗りの絵を投稿していたのですが、上の絵の反応が良かったことから、リーニュクレール風の塗り方に方針転換します。

ぼかさずにかっちり描くリーニュクレール調での光の表現については毎度手探りしつつ描いていました。

イラストを上げるうちに塗りや画風が変化していき、終盤にはハーフトーンと謎の水玉が浮かぶ淡い画面になってきました。

2日に一度のはずが、徐々に制作期間が間延びしていき、投稿間隔も開くようになりました。上の絵だけでも、線画の色や、髪のハイライトに差異が見られ、試行錯誤っぷりが分かると思います。

連続的にイラストを上げてはいたものの、イラスト制作が作業のように感じてきてしまったため、10月中旬でイラスト制作は一旦ストップして、またマンガ制作に戻っています。

新版画を参考にする

迷走気味だったので、すでに評価されている作品を見て新しい風を吹き込むことにしました。

千葉市美術館に足を運んで新版画を見に行ったりしていました。

川瀬巴水 – 水戸轟町(1946年制作)

新版画はこういった近代の浮世絵のことです。アニメ塗りやリーニュクレール調に近く、写真風といえど写真にはない魅力があります。

(上記に掲載している作品は作者の死後50年が経過している著作権フリーのものです)

11月末には2回目のコミティア参加をして2冊目のマンガ本を出しました。

このとき他のブースでアクリルスタンドを取り扱っているのを見て、ブースの賑やかしとして用意するのもいいなと思いました。

リメイク絵で絵柄の違いを見る

アクリルスタンド用のイラストはマンガ本1冊目の表紙絵をリメイクして作ることにしましたが、その途中の状態が上の絵です。

元の絵が左(7月)、描き直したものが右(12月)です。目の描き方や髪の塗り方、肌の色合い、線画の線幅がそれぞれ大きく変わりました。描き直しバージョンはフラットな今風の塗りになっているのがお分かりになると思います。

冬休みに入ったので一年の総決算をするつもりで、2月に描いた「ひといきプロムナード」を「うららかシーサイド」としてリメイクしました。リメイクといいつつ、一部の線画や背景も描き直しているのでほとんどテセウスの船状態です。

2枚を比較したものです。2月の絵では順光※ですが、12月の絵では逆光※表現にして近接感を出しました。構図もキャラクターの大きさも変わっていないにもかかわらず、影の付け方や色使いでまったく違う雰囲気になることがわかりますね。


順光:キャラに光源の光が当たっている状態
逆光:キャラの後ろに光源の光がある状態

絵柄は変わるもの?

そろそろ絵柄も落ち着いたし……と思って一次創作の投稿を始めたつもりでしたが、描いているうちに絵柄はどんどん変わっていきました。

私の場合はマンガとイラストを行ったり来たりで制作していたのが双方への刺激になり、絵柄にも影響したのかもしれません。

1年描き続けてひとつ言えるのは「ある程度描き続けないと絵柄は安定しない」ということです。たった1年、されど1年。こんな記事を書いていながら、来年になったらまた絵柄が変わっているのかもしれません。自分のことながらこればかりは分かりません。

いまの絵柄は?

……ということで、次の本の表紙を載っけておきます。C102で頒布予定の「はるなつサマーリーサマー」、よろしくお願いします!

余談

作ったアクリルスタンドも展示します!

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