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失われた時間と今が一番好きな自分

採卵日が近づくにつれて怖くなる。採卵自体も怖いし、受精確認や培養状況の確認が本当に怖い。1回目が失敗しているからトラウマになっているんだろうな。
なるようになる、というのはそのとおりなのだけれど残酷な慰め方でもある。金銭的にも時間的にも時間をかけてもダメだった、なんてやっぱりうらいもの。それをなるようになるよ、と流すことは難しい。

昨日、今日と自分の精神状態が不思議だった。落ち着いてはいるのだけれど、急に不安になったり。考えなくていいことを考えてしまったり。上司が話を聞いてくれて、泣きながらつらいことを伝えた。
誰かに話すことで少し気持ちが楽になれるね。ただ、なかなかこんなことを話せる人も機会もない。そういう時には鍼灸で教わった呼吸を意識する。意識しないと腹式呼吸できないから、呼吸だけに集中できる。

子どもがほしいと思いはじめてから今までを、どうにも失われた時間と感じてしまうんだよね。周りの友人や同僚が次々に妊娠・出産していくからだとは思う。そういった時、もっと早くあれしておけばこれしておけば、がまだ頭の中でグルグルしている。
でも、ふと思ったのは今の自分が一番好きかもということだった。強がりでもカッコつけているわけでもなくて。私、3年前と比べて断然ステキな人間になっていると思う。

たとえば、不妊治療の大変さが分かるようになったし(お金でも時間でも、気持ちの面も)、子宮外妊娠や流産された方の気持ちが分かるようになった。
考え方と喋り方がちょっとだけロジカルになったと感じるし、情報のキャッチも早くなった。職場ではマネージャーになった。同僚や上司からは、年次に応じた信頼を得られているように思う。
いいものを身につけようと思えるようになったし、その考えから一生ものの時計やバッグを買えた。きれいでいようと思いたったから、スキンケアや顔マッサージを頑張っている。10年後、5歳くらい若く見られたらいいな。

友人たちのおめでたい話を心から祝えるようになったら、きっともっとステキになれるのだろうけれど、今はまだまだハードルが高い。
だから、せめて3年間で成長できた自分を肯定してあげようと思った。

Main Photo by averie woodard - Unsplash

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