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倍音列から音階を聴き取った人間のアプリオリな能力

今回は音楽(和声学)というより、音楽における認知心理学/科学みたいな話。
倍音列という音響現象からロマンを感じよう。
もし解釈間違えてたら、誰か教えてください。
なるべく、箇条書きにして、わかりやすくしてます。


【音の発生と上音、そこに含まれる倍音について】
・振動体が音波を発すると音が生まれる
・振動体の構造が不ぞろいだと鈍い音がする
・不規則な音波を受けると耳は騒音だと感じる
・調和した構造は規則的に振動する

ある低いC音(C2:65Hz,標準音A4は440Hz)を発すると、上音も響く。ピアノの弦のような音の発生源は弦の端から端までが一つになって動く。
この一連の振動でC音が生じる。
別の動きもあります。
二等分、三等分、四等分に分かれた弦が独立して振動する。
分割の幅が短くなればなるほど振動数が増え、速度が増す。
生み出される音はどんどん高くなる。これが倍音。
つまり、上音の中に倍音がある。
弦全体で鳴る基音と共に、倍音も鳴る。

【音階の発生】
音階は倍音列を並べかえたもの。
世界中にある五音階(ペンタトニック)は、倍音列を神秘的に聞き取った人間のなせた業!

たとえば、C音だと 

C C G C E G B♭CD E F#…

これが倍音列。
Cを出発地点として、低い順から並べて行くと、CDEF#GABb(リディアンb7thスケール)
そこに上の倍音を加えていくとギリシア旋法や教会旋法も現れてく。
そしてようやく長音階や短音階の組み立てが整理される。半音も集まってくる。ついに半音階の完成。
これには平均律が貢献する。
平均律とはつまり、等音間隔の12音。

【レナード・バースタイン講義録による一元発生説の見方】
あらゆる音楽の起源に共通するのは倍音列
→一元発生説!!

言語の起源にそのようなものがあるらしい、そしてそれは音楽にもあてはまると。
ではこれは普遍性(あらゆる複数のものが特定の性質を決定づける共通性みたいなもの)まで示しているでしょうか?

この点に関して、レナード・バーンスタイン(音楽家・指揮者・作曲家)はノーム・チョムスキー(哲学者・言語学者)の、言語の"普遍文法"と絡めて話している。
テレ朝の番組で、古舘伊知郎さんと成田悠輔さんが【ことば】について深く対談している動画があって、そこでもこの普遍文法に触れていた。
国や地域が違えど、我々はある一つの言語認識を先天的に持っていて、そこに、後天的にその国の言葉、方言という土着の要素が身についていくのだと。

バーンスタインは、音楽にも同じようなものがあって、それを深く観察してきたと話す。
『我々は元々独自に音楽を共通的に意識する能力を持っている』と熱く講義していました。
これについてはさらに複雑なので、また次回まとめます。


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