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【体験レポート】オランダのコーフボールクラブに参加してみました!

こんにちは!
VICUSコーフボール杉並のつんたろうです!

11月末に1週間ほどオランダに行き、現地のコーフボールクラブでプレーもしてきました!そのレポートと振り返りです!


現地でやったこと

オランダでは主に以下のことをやりました。

現地クラブの練習に参加する
色々なカテゴリの練習を見学する
コーフボールリーグを観戦する

何だかんだで1週間ほぼ毎日コーフボールに触れていました!

きっかけ

最初になぜオランダに行こうと思ったのかを書いておきます。主な理由は2つです。

個人としてスキルアップしたい
自分自身がコーフボールを始めて3年が経ち、中堅と呼べるレベルぐらいのプレーヤーになったと自負しています。ただその反面、コーフを始めたばかりのころに比べると、自分自身の成長スピードがゆっくりになってきたと感じています。現状のままズルズルと練習を続けていくよりも、どこかでカンフル剤的に刺激を与えることで成長曲線を高く維持できると考えました。世界一コーフボールが盛んなオランダであれば、色々な刺激を得られると思ったのです。

レベル別の育成方法を学びたい
この夏に中学生向けのコーフボール教室の講師を務めました。その際に感じたのは、普段自分たちがやっている練習メニューは「ある程度スポーツ経験がある大人」向けに作られているということです。いざ中学生に指導してみると、スポーツ経験が浅く体力も未熟な子供たちに悪戦苦闘しました。ただ今後日本でコーフボールを普及していくには、レベル別、特にアンダー世代への育成方法の確立が不可欠だと思います。アンダー世代から世界トップレベルに君臨しているオランダであればそのヒントが得られるのではないかと考えました!

事前準備

いつ行くかを決める
オランダは日本とは異なり、夏は外、冬はインドアでプレーするのでシーズンごとに活動場所が変わります。今回は日本と同じようにインドアでプレーしたいと思い、冬シーズンに渡航することを決めました。またせっか行くならオランダのプロリーグも観戦したいと思い、コーフボールリーグが開幕する11月末に行くことにしました。

受け入れ先クラブ探し
オランダにはたくさんのコーフボールクラブがあります。今回は同じVICUSコーフボール杉並のまっしーさん(@massy47)が以前プレーしていたPKCというクラブに参加することにしました。参加の打診をしたのは訪問の1か月半前ぐらいです。当初はPKCだけ参加するつもりでしたが、同じVICUSコーフボール杉並のJetさんの紹介で、オランダ到着後に急遽KV TEMPOというチームにも参加することになりました。

事前の顔合わせ
渡航する2週間前ぐらいに、PKCの方のご厚意で事前にオンラインでMTGを行うことができました。オランダでは同じクラブの中に、レベル別でチームが分けられています。このMTGで自分のレベルにあったチームのすり合わせと、練習参加方法の確認をしました。

滞在先探し
PKCに行き易く、かつ手頃な宿を手配できるエリアで検討し、最終的にロッテルダムに滞在しました。ちなみにオランダでは社会人チームの練習は遅いと終わるのが22時になるので、なるべく近いエリアに泊まると体力的に楽です。

レベル分けについて
オランダのクラブでは年齢とレベルによってチームが分けられています。どのチームも大体同じ基準でチーム分けをしています。1に近いほどレベルが高くなります。今回は事前に相談し、6~8レベルの練習に参加させてもらうことにしました。

PKCの練習スケジュール

ちなみに年代については、Sはシニア年代(20歳~)、Aは高校生、B、Cはさらに下の年代を意味しています。例えばS8であれば「シニア年代・レベル8のチーム」ということになります。

ついに当日

オランダに到着したらあとは直接練習会場に向かうだけです!
当日は開始時間の15分前ぐらいには体育館に着くようにしました。他の参加者もギリギリに到着してて、集合時間は日本よりもだいぶルーズでした!
以下参加したクラブごとの感想です。

PKC(Papendrechtse Korfbal Club)

正式名称はパーペンドレヒト・コーフボールクラブです。「パーペンドレヒト」というのはこのクラブのある地域の地名です。オランダリーグでも毎回上位に食い込むチームで、90年近い歴史がある名門クラブです。最寄駅はドルドレヒト(Dordrecht)です。ロッテルダムからは電車とバスで1時間ぐらいでした。

PKCではS6チームとS8チームの練習に参加させてもらいました。

PKC6の皆さんと!

練習環境
このクラブのすごいところが、コーフボール専用のアリーナ(PKCホール)を持っていることです。アリーナ内にはバーや観客席も併設されていて、リーグ戦のときにはお客さんで賑わっていました。また屋外にもコートがあり、練習環境としては最高でした!またどのチームにもコーチが付いていて、レベル関係なくしっかりとした練習メニューが組まれていました。

雰囲気
どの時間に行ってもアリーナにたくさん人がいて、いつも賑わっていました。S8チームの練習のときなんかは参加者が20名近くいました!同じ時間帯の参加者は20~40代と幅広く、全体的に落ち着いた人が多い印象でした。6:4ぐらいで女性の方が多かったです。コートサイドに観客席があるので、練習が終わった後はすぐに帰らずにそのまま座って雑談している人が多かったです。S6、S8チームだと競技志向<レクリエーション志向の参加者が多く、日本で言うママさんバレーの雰囲気が近いと思いました!

KV TEMPO

オランダリーグの下部リーグであるコーフボールリーグ2に所属しているクラブです。最寄駅はアルフェン・アーン・デン・レイン(Alphen aan den Rijn)です。ロッテルダムからは電車とバスで1時間半ぐらいでした。

TEMPOではA1~2(高校生)チームの練習を見学し、S8チームの練習に参加させてもらいました。

TEMPO8の皆さんと!

練習環境
こちらはPKCとは異なり地域の体育館で活動しています。チーム毎に練習場所が異なっていました。メインの活動場所はSporthal Limeshalというアリーナで、トップチームはこちらで活動しているようです。ここには観客席やバーもありました。S8チームの練習は、車で5分ぐらい離れたところにある別の古い体育館でやりました。

TEMPOA1~2(高校生)チーム!

雰囲気
S8チームに関しては、PKCに比べると人数が少なく自分を入れてちょうど8人で練習をしました。人数が少ない分、アットホームな雰囲気でコミュニケーションも取り易かったです。年齢層は30前後の人が多かったです。一番印象に残ったのはとにかく元気でアツい人が多いこと!体育館に入ってすぐにメンバーの皆さんがどんどん声をかけてくれて、びっくりするぐらいフレンドリーでした!練習中もみんなすごくハイテンションで圧倒されます。松岡修造タイプの人が多いチームでした!
逆にA1~2チームの方は、すごくピリピリした雰囲気で練習していて高校生トップチームの緊張感が伝わってきました。高校生についてはコーチ4人体制で指導しているとのことでした。

練習以外に現地でしたこと

練習以外には以下のことをやりました。

小学生、高校生チームの見学
キッズ、ジュニア年代の試合や練習も見学しました。オランダでは早い人だと5歳からコーフボールをプレーしています。コートサイドから見学させてもらい、各年代ごとのレベル感と練習内容を勉強させてもらいました。
所感としては、オランダの高校生年代は、すでに日本のトップチームと同等かそれ以上のレベルだと思いました。スキル、フィジカルともに非常にレベルが高く、改めてコーフボール大国オランダの層の厚さを実感しました。

小学生チームの試合!


コーフボールリーグの観戦
PKCのアリーナでちょうどホームゲームが開催されるので、試合を観戦しました。オランダのリーグでは、チケットは当日受付で直接購入するシステムになっています。価格は6ユーロでした。席は自由席なので、空いてる席に自由に座って大丈夫です。
またトップチームの試合以外にも、同じ会場で別のレベルのチーム同士の試合が終日行われていて、チケットがあれば自由に観戦することもできます。

試合前セレモニー!

日本との違いを感じたこと

今回各クラブにお邪魔させてもらい、実際にプレーもしてみました。その中で感じた日本とオランダの違いもまとめておきます。

練習時間が短い
まず最初に思ったのはこれでした。今回参加させてもらった両チームとも、練習時間は1時間だけでした。オランダでは同じクラブにたくさんの人が所属していますが、その裏返しで一人当たりの練習時間はとても短いです。また練習は平日の週1回だけなので、土日に試合があったとしてもコーフボールに触れられる時間は思ったよりも短いみたいです。普段週3回×2~3時間の練習をしている自分の方がたくさんコーフボールに触れているというのは意外な発見でした。
(もちろんトップチームだともっと練習しています。)

休憩が無い!超短期集中型の練習!
練習時間は1時間だけですが、その分練習の強度が高いです。前半30分シュート練習+後半30分ゲームというのが基本メニューですが、休憩があるのはなんと前半と後半の間の1回だけ。基本的には30分間ぶっ続けで動き続けます。ゴールも2人ごとに1台を使うので、待ち時間みたいなのはほぼありませんでした。シュート練習ならまだ大丈夫なのですが、ゲームは最後の方になるともうフラフラでした。

練習ではとにかくたくさん走らされる
一番大変だったのはこれでした。練習内容は毎回異なりますが、全体的に走りの動作が入ったメニューが多いです。シュート練習1つをとっても、同じゴールで打ち続けるのではなく、1回シュートを打ったら隣のゴールまで走ってまたシュートを打つ、という感じのものが多いです。ボールを使わずにただコートをダッシュするだけの練習もありました。確かにキツいですが、一般人のレベルでもこれだけ走ることを徹底していることが、オランダの強さの根源なのだろうということも感じました。

逆を言えば、日本ではどのチームもある程度の練習時間は確保できているので同じ強度で練習ができれば飛躍的にレベルアップができるのでは、とも思いました。コーフボールをプレーする環境は大きく差が開いていますが、工夫次第ではまだまだ日本にもチャンスがあるなと感じています。

振り返り~学びは得られたか~

オランダに行くことになったきっかけについて改めて振り返ってみます。

個人としてスキルアップしたい
まずスキルアップという点では行く前とほぼ変わらないです。1週間程度の滞在では目に見えて能力を伸ばすというのは難しいです。ただ海外の選手と一緒にプレーしてみて、自分の強みや弱みがよりはっきりと分かった気はします。例えばリバウンドでは圧倒的にオランダ人の方が強かったですが、フリーシュートの正確性やアシストの精度はあまり差を感じませんでした。自分が伸ばすべき分野が分かったことで、今後のトレーニングへのモチベーションがとても高まりました。
また異国の地に一人で飛び込み、現地の方々と信頼を築けたことは、何よりすごく自分に自信が持てました。

レベル別の育成方法を学びたい
これについてはある程度ヒントを得られた気がします。実際にジュニア年代の具体的な練習メニューを見ることができたのは大変参考になりました。
また育成という観点以外でも、「練習そのものをどう充実した時間に変えていくか」「トレーニングを楽しめる雰囲気をどう作るか」といった、コーチやインストラクターに求められる役割についても示唆を得られた気がします。今回参加した各クラブとも参加者の熱量が高いのが印象的でしたが、コーチ、インストラクターがファシリテーションが素晴らしいというのが理由だと思います。競技思考であれレクリエーション思考であれ、参加者の満足度が高くなる練習環境をどうつくるかは、これからもっと考えたいと思いました。

総じてたくさんこのことを学べたなというのが率直な感想です。短期間であっても実際に現地で肌で感じるのは大事だと思いました!

やっておいて良かったこと

最後に今後オランダや海外のクラブに参加してみたいという方向けに、今回の体験でやっておいて良かったことを書いておきます。どの国に行くときにも使えると思うので参考にしてみてください。

ビビらずに話しかける
これが本当に一番大事かなと思いました!自分から話しかけて、「自分が何者なのか」「何をしたいのか」をしっかりと主張しましょう。
自分の場合は初めて練習会場に行ったときに、受付の人に観光客と間違われて、観客席に連れていかれてしまいました。その後にはっきりと「コーフボールの練習に参加したい」伝えてどうにか練習に混じることができました。
高校生チームの見学をしたときも、すごくピリピリした空気の中の体育館に入り、「あの人は誰?」という冷たい視線を浴びながらもコーチに話しかけて、見学させてもらうことができました。
英語で話しかけるのは勇気がいりますが最初だけなので頑張りましょう!どのクラブの人も基本的にみんなフレンドリーなので、事情を説明したら親切に対応してくれます。

英語の勉強をする
オランダ人は大半の人が英語を話せます。練習に参加したときも、わざわざ気を遣って「今日はみんな英語で話そう」と他の参加者に呼び掛けてくれる人もいました。英語が話せれば練習中も最低限のコミュニケーションが取れるので、事前にできるだけ勉強しておきましょう。英語の積み重ねがあると自信に繋がり、ビビらずに話しかけることができます。

お土産を用意する
これは他の参加者と仲良くなるために必要です。自分は予め日本でブラックサンダーを大量に買っていき、毎回の練習の後に参加者に配るようにしていました。食べ物の話題は万国共通なので会話も弾みやすいです。お土産は距離を縮めるためのいいツールになります。

名前を覚えてもらう工夫をする
練習中は他の参加者に自己紹介する時間はほとんどありません。短時間で名前を覚えてもらうために、自分の名前が入ったユニホームを着て練習に参加するようにしていました。まずは名前を覚えてもらうのが距離感を縮めるには大事だなと思っています。

かかった費用まとめ

今回のオランダ訪問でかかった費用のざっくりとした内訳です。高いか安いかは人それぞれですが、自分にとっては貴重な体験もできとてもコスパに見合う旅だったと思っています!

費用合計:30万円(7泊10日)
飛行機代:18万円
宿代:7万円
食費・交通費: 3万円
観光地の入場料:2万円

さいごに

改めて今回オランダに行ってみて本当に良かったと思います!コーフボーラーとしても一社会人としても、すごく成長につながる経験でした!もしまた機会があるならば、今度はもっと長期で滞在してみたいです!渡航前からたくさんサポートしていただいたまっしーさん、Jetさん、PKC、KV TEMPOの皆さま本当ににありがとうございました。





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