「将来は酒呑みになるよ」
おつまみは小学生の頃から好きだった。きっかけは祖父が食べさせてくれたこと。魚の骨と少しの身が入ったおつまみの袋があるだろう。あれを炙ってくれたのだ。(おつまみ名前は忘れた)
祖父の家に行くと必ずおつまみを出してくれるので、私はそれが楽しみだった。おつまみというのはなにかと塩っぱい。母が塩分を気にしていたこともあり、私の家ではなかなか食べられなかったのだ。
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時は流れ、私は高校2年生になった。親友と好きな食べ物の話をしていた時である。その頃の私はとにかくおつまみが好きだった。特にイカの塩辛が好きで、白米に塩辛はマストだった。そんなことを話すと、親友に「こめつぶちゃん、大人になったらお酒いっぱい飲めるよ」と言われた。
私の知らない間にその話は親友のお父様にまでその話は伝わっていたらしい。ある時の食事の席では、お父様に「こめつぶちゃんは将来酒呑みになるよ」と言われた。
親友のお父様らしく、私は「酒呑みの舌を持っている」らしい。村崎ワカコ(以下ワカコ)のようだな、と少し嬉しくなった。当時の私はワカコにに憧れていたのだ。今も憧れている。
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「将来は酒呑みになるよ」と言われて早2年。この間、ついに私も20歳を迎えた。
誕生日の夜には、家族で鳥貴族へ行った。母曰く、初心者向けの『やさしいお酒』があるのだという。どんなお酒なのだろう。飲むのが楽しみだ。
せっかく鳥貴族に行くのだから、焼き鳥もいっぱい食べたい。期待に胸を膨らませていた。
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着いてからまず注文したのはお酒だ。もちろん焼き鳥も楽しみだが、今日の私はお酒を飲みに来たのだ。メインはお酒だ。
初心者向けだし、みかんのお酒だからきっとほぼジュースなのだろう。アルコールの味もほとんどしないだろう。なんなら酔わないだろう。
勘のいい読者の皆様なら、もうこれがフラグだということにお気づきだろう。結論から言うと、私はお酒に弱かった。と思う。
『思う』というのは、その日はその1杯だけで飲むのを辞めてしまったからだ。1口飲むと頭がふわふわ、グラグラする。しばらくすると頭がガンガンしたり(痛くはない)疲れてもいないのに心臓がドキドキし始めた。
なるほど、これが『酔った』というものか。母にも顔が赤いと言われた。でも今、自分の中で酔いというものが行われているという認識はしているが、自分では全くそんな感じがしないのだ。顔が赤いのも無自覚だ。ただ身体がぽかぽかしたり、大声になったり、爆笑したりという症状は出ていなかった。
私は自分の酔った状態があまり好きではないみたいだ。だって頭が痛くないのにガンガンしたり、疲れていないのに心臓がドキドキするなんてどう考えたっておかしい。楽しめる人はこれも楽しめるのかもしれないが、私は苦手だった。
お酒の味もあまり好みではなかった。味は確かにオレンジジュースなのだが、微かにアルコールを感じるのだ。味はよく分からないが、なんかとにかく嫌なのだ。
2杯目は早くこの状態から抜け出すために普通の烏龍茶にし、
3杯目は寒かったのであたたかい烏龍茶にした。座っていた席がちょうどエアコンの風が当たりまくるところだったのだ。
まあ9月30日にはももビアも出ることだし、その時に飲んだらまた印象は違うだろう。ポラーさんたちもももビアはフルーティーで飲みやすいと言っている。初ビールはももビアがいいよと助言してくださった方もいた。ありがたい。
今年のももビアは山梨、長野、アメリカの桃をブレンドしてあるのだという。一気に3種類の桃を飲むことが出来るのだ。なんて贅沢なんだ。桃好きとしてはとっても嬉しい。
楽しみだなあ。ももビア楽しみだなあ。あはは。
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そうそう、鳥貴族の話に戻らねば。
ワカコみたいに焼き鳥を一気に食べたくて、お酒の後にたくさん焼き鳥を注文した。
アニメの中でワカコが注文したのは『つくね、ぼんじり、皮、豚バラ、手羽先』だが、私はつくねがあまり好きではないので頼まなかった。手羽先は頼み忘れた。
私はここで初めてぼんじり(鶏のお尻の骨周りについている三角形のお肉)というものを食べた。
ずっと食べたいと思っていたけど、なかなか食べる機会に巡り会えなかった。私が普段焼き鳥を買うのはスーパーだったりコンビニだったり、居酒屋とはあまり縁のないところだ。ぼんじりはそこには居なかった。ぼんじりは焼き鳥屋さんにいたのだ。
母からは「脂がくどいよ」と聞いていたが、意外とそこまでくどくなかった。三角形の頂点についている骨がゴリゴリしていて良い噛み心地だった。
砂肝も頼んだ。鳥貴族のメニュー表には、砂肝のことが砂ズリと書いてあった。分からんでもない。
1つ1つのサイズが小粒だから、1本でたくさん食べられるのが嬉しかった。ジャキジャキ度合いもコンビニよりちょっと高い。好みのジャキジャキ度合いだった。
私はワカコのこの掟が好きだ。お酒を飲む人の心得の1つだとおもっている。まだお酒を飲む年齢ではない頃から、私はこの掟を守ってきた。なんだかワカコのような、色々なお酒とおつまみを嗜める大人に近づいたようで嬉しいのだ。
今度は長嶋食いもやってみたいな。1人で色んなのを頼んで、あれも食べて、これも食べて、お酒飲んで。楽しそうだな。