見出し画像

怖すぎて友達に押し付けた本

『映画化している』『松たか子が出演している』
それだけで手に取った本。それが小野不由美の『残穢』だ。

👻

あらすじとネタバレはこれを見て欲しい。私にはざっくりまとめることができない。

最初はただのホラー小説として読んでいた。その中に書かれていることは全て嘘だと思っていた。

作中に出てくる着物の音も、作者が恐怖体験をすることも、ホラーというジャンルにはよくある題材や話だったからだ。

でも繰り返し読んでいるうちに、だんだん「もしや全て本当にあったことでは?」と思い始めたのだ。

2001年という実際に存在する年数(?)なのと作者がただホラーを書いているだけでなく、実際に現場に行ってそれからいたずら電話がかかってくるというところ。

それらが、今まで読んだことのないリアルさを醸し出しているのだ。

何よりも表紙が怖かった。私が買った時には映画版の表紙がついていたのだが、本当の表紙はこうだった。

画像1

仄暗い。お猫様も3匹いるのにそれすら怖い。表紙から不気味オーラが出まくりだ。

私は日本人形が苦手なので、この表紙を見たらもうダメだった。一気に本棚に置きたくなくなった。

売ろうかな、とも考えたが何度も読んでいるので折り目もついていた。

あまり高い値段では売れないだろう。

メルカリも考えたが、購入者が現れるまで本を家に置くことになる。とにかく今すぐ手放したい。

そう思った私は、友達に押し付けることを決意した。

👻

当日は残穢よりは比較的怖くない『リアル鬼ごっこ』も持っていった。こちらも映画化されており、表紙にトリンドル玲奈がいたので持っていくにはぴったりだった。(怖くないよ感を出すために)

友達には2冊のうちリアル鬼ごっこだけを見せて「これね、映画化されててね、すっごい感動するんだよー!」と映画化されてる以外嘘ばっかのことをいって渡した。

残穢は袋から出さずに、話もせずにそのまま渡した。

👻

数ヶ月後、友達からリアル鬼ごっこを読んだ感想が届いた。
「お兄ちゃんと妹が離されるところでうわあああ(泣)ってなった」
とのことだった。(内容は本を読むか映画を観るかネタバレを読もう)

残穢の感想は、まだ聞いていない。
気づいてないのか、映画版の表紙から察したのか。真相は分からないままである。