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夢の中の昔話

これは数日前、私の夢の中で流れていた昔話である。覚えている限り書き起こした。夢にしては筋が通っているというか、グリム童話的な怖さがあって面白いと思ったのでここにもシェアしてみようも思う。

👵🏻🕳🐭🦴

あるところに、とんでもなく怠け者なおばあさんがいました。怠け者といっても、何も毎日眠ってばかりというわけではないのです。どうしても家賃を払えないのです。

それにおばあさんは部屋の掃除をしなかったり、壊れた部分があっても直さずにそのままにする癖がありました。

ある日おばあさんの家の壁に、大きな穴が空きました。馬車が突っ込んできたような大きな穴でした。それでもおばあさんは

「穴が空いちまったんだよ。さっき業者が持ってったんだけどよ。でも見ろ、いい穴だろ?」

と困るどころか、村人に自慢するのでした。

ある日、いつものように家賃を払えないおばあさんが大家さんから逃げている時のことです。

おばあさんの足元にネズミが現れました。ネズミが嫌いなおばあさんは大騒ぎ。あっちへこっちへ逃げます。ネズミの方はおばあさんに懐いてしまったので、おばあさん逃げても逃げても後を追います。

すっかり慌てていたおばあさんは、途中で道に空いている落とし穴に気づかずに落ちてしまいました。当然、ネズミも一緒に落ちました。

その穴はかなり深かったのですが、おばあさんはもう足腰も弱いので1人で壁を登ることができませんでした。その穴には骨やホコリもありました。ホコリアレルギーのおばあさんはもう大変。くしゃみばかりしてしまいます。

おばあさんは骨も苦手です。なんとかして逃げたいのですが、登れないので逃げられません。

村人の1人が言いました。
「ずっとそこで暮らしなよ。壊れちまった家なんかよりマシだ。ばあさんの好きなネズミやホコリ、骨だってあるだろ」

おばあさんは言葉も出ずにいやいやと首を振りましたが、村人はそれ無視しておばあさんがあと1年は生きられるだけのパンと水、ランプを入れると、すっかり穴を塞いでしまいました。

さて、おばあさんはどうなったのでしょう。大好きなものたちと仲良く暮らしているのか、はたまたネズミに喰われているのか…それは貴方たちが考えることです。