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『ミライヲウム』/水沢秋生著

凜太郎は父と二人暮らし。彼には触れた相手の未来が見える力があるが、良くないものが見えた過去の経験から、大学生になった今も恋愛事には踏み切れないでいる。
そんなある日、彼の脳裏に、同級生の立花の未来が映し出される。
それは、彼女が血を流して横たわる姿だった


自然で、スッと頭に入ってくる文体は、とにかく読みやすい。遅読の私が一日で読めてしまった…。

同時にこれはミステリ作家さんにとって、最大の武器なんじゃないかと思う。
だってあまりにも自然な文体で話がとんとん拍子に進んでいくものだから、読者は疑うことを忘れてしまう。

では内容が薄いのかと問われると、それは否、だ。
振り返りに本を開けば、決してサラッとなど書かれていないとわかる。
いや、サラッと書かれているのだけれど、そこには緻密な伏線が網羅されているという贅沢加減なのだ。

サラッと書かれているようで、その実ミッシリ書かれている…?
ややこしい。笑

2022年7月15日読了

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