ブックカバーは皆同じ…?

ブックカバーを製作するようになって思うことは、布製のブックカバーというものは、簡単に作ろうと思えばいくらでも、省略ポイントがあるものなんだな、と。

乱暴に言ってしまえば、(本の厚さ調節など考えなければ)一枚の布の両端を折り曲げて縫えばいいだけ。
裏地や栞だってつけなくてもいい。
仮に厚さの調整ができるようにしても、『抑え』(写真のベルトの部分)は既製品のゴムやリボン、平たい紐で代用できる。

そんな風に、ブックカバーなんて作るのは簡単だと思っている方は、布のブックカバーの出来上がりは皆同じだ(縫い目なども含めて)ともお思いのようで、このように仰る。
「布製のブックカバーなのに、こんなにするの?」と。

はい、いただきます。
本の装ひ堂ブックカバーの製造工程は、たぶん皆さんの想像以上ですから。

生地の購入から始まって、水通し、部品の色柄合わせをして、糸の色も数百本の中から選びます。それから…本を読むときに手に副う芯の厚さ、柄合わせまで考えた手作りの『抑え』、表から見たときのステッチ…。

手間のね、かけ方が違うんですよ。
「実は栞紐にまで、水通しの作業をしている」という事実、きっと考えもしないでしょう?

お裁縫の心得のある方ほど、
「本の装ひ堂の縫製は、きちんと感が違う」
と言って下さいます。

本の装ひ堂の価格設定には、ちゃんと理由があるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?