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装ひ堂の日常の徒然

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普段、ぼんやりと考えていること。
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2019年9月の記事一覧

機知

きものは、柔らかものなら江戸小紋が好きである。 一見、無地のようなシンプルさがいい。 きものがシンプルな分、帯で遊べる柔軟さもいい。 格式のある、ちゃんと感もいい。 と、思っている。 写真の根付(ねつけ・和風のキーホルダーのようなもの)は、茄子と唐辛子。 江戸小紋や長襦袢にも、よく使われる柄だ。 「何故、この組み合わせが定番?」という疑問もあろうが、意味はちゃんとある。 「遠からず(唐辛子)物事を成す(茄子)」 つまりは、夢は叶う、と。 江戸小紋好き

読書

大層な文章でもないのに、書くときは言葉が耳に入ってくると書けない。でも本を読むときには、適度なざわめきの中の方が問題なく読める。 電車の中やプラットホーム、カフェ。 もちろん、傍若無人に届くような大きな声は困るけれど。 私は読書に静けさを求めない。 #日常 #エッセイ #読書

製作

ここ数日、かなり集中して製作できているように思う。 全て、自分で足を運んで選んできた生地なのだ。思い入れは多分にある。そのせいもあるのだろう、製作中の私はひたすら生地をほめちぎっている。 「ほら〜、やっぱり可愛い!」 「あら、(柄が)いいとこ出たね〜」 怪しさ全開、ノンストップだ。 私は生地という名の癒し系ペットを飼っている。 #日常 #エッセイ #日記 #ブックカバー

レビューを書くにあたって

店主は、『本好きだからこそ、予てからこんな機能が欲しいと思っていた理想のブックカバー専門店を作ってみた…』という、正しいルートを辿って今、ここにいると思っています。(笑) 二十数年ばかりネットの世界にいるものですから、過去、多くの書評サイトを訪れたり、自分も参加したりという具合です。 ただ、最近思うことは、この20年の間に、自分の気の持ち様が明らかに変わったもんだな、と思うのです。 まぁ、簡単に言ってしまえば、自分の感想を書くにあたって、人の感想は関係なくなった

ブランド

私は以前、長いこと呉服業界に身を置いていた。 と言っても、呉服屋さんの店頭にいたわけではなく、問屋さんや染織元さん、悉皆屋さん界隈をうろうろしていた。 その経験もあるのだろう、和のものがとても好きだ。 ブランドと聞くと、一般的には西洋の名前が浮かび、和の名前が浮かぶ方は少ないと思うが、私は和のブランドに魅力を感じている。 例えば、帽子から服、バッグに至るまで同一ブランドで揃う洋ブランドと比べ、和ブランドは専門ブランドだ。 染や織の専門、長襦袢の専門、草履、足袋、傘、扇子、

エレベーター

エレベーターに乗っていると、開閉ボタンにいつも戸惑う。開閉の文字の類似性にしろ、扉と矢印で開閉を表した絵にしろ、一瞬で判断がつかないせいだ。 その為今日も、駆け込みでやってくるひとのために『開』ボタンを押したつもりが『閉』ボタンを勢いよく押し、無情にもそのまま闇に葬ってしまった。 何故こんなにもわかりにくいのか。 じゃんけんの『グー』と『パー』の絵じゃダメなのかと、今広く問いたい。 #エッセイ #日常 #エレベーター #開閉

怪しい日本地図

 九州に長く住んでいると、同じ日本国であっても、地理に疎くなるものだなと思います。  日本は島国。でもその中でもまた、九州は一つの島です。福岡から、山口に行く…たとえお隣の県であっても、関門海峡を渡るだけで、九州人はずいぶんと遠出したイメージを抱いてしまうものなのです。なんせ、海を渡るのですからね(笑)  極端な話、「鹿児島には日帰り出来ても、山口では日帰り出来ない」という感覚すら持っている、変な九州人。もちろん実際には、「鹿児島の方が遠いわけなのですが、私の周りの人々を

珈琲が美味しい…

若い頃、仕事の帰りによく立ち寄った喫茶店があった。 そこは、種類が豊富なサンドイッチと一杯点ての珈琲が美味しいお店。 店内はブラウンを基調とした落ち着いたインテリアに、一抱えもある花器に生けられた季節ごとの花々。 女性スタッフは一人もおらず、谷村◯司氏似のマスターをはじめ、働いている人はすべて男性という…彼らの出で立ちは皆、今で言えば執事さんがいっぱいという感じだった。(違) オーダーのときも、誰もメモなど取らない。 すべて記憶し、厨房に持ち帰る。 10人く