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肉フェス音楽ステージで見た光景がBECKのワンシーンだった


BECKという映画のラストシーンに大好きなシーンがある。
ロックフェスで大人気バンドとタイムテーブルが被ってしまった時、
1曲目の音につられて、人気バンドに流れていきそうだったお客さんがわらわらと集まってくるのだ。
それはもう、音楽論とかそういうレベルのものではなくて、本能が、音につられて引き寄せられるようにして、気づいたら会場にいた。そういうレベルのものだったと思う。
(最後に見たのが4年前とかなので、かなりフィルターがかかっている可能性があります。)
それに近い光景を、この前撮影で参加した「肉フェス」内で経験した気がする。


音楽ステージが組まれていて、お昼頃からアーティストの演奏はあったものの、楽器を携えたロックバンドが演奏を始めたのは14時頃、
肉目当てで来場したお客さんが「宴もたけなわ」状態になった頃だったと思う。
ステージでは、Vagarious Vagabondageがリハーサルをやっていた。音出しから始まり、
1、2曲演奏したころ、わらわらとお客さんが集まってきた。半分くらいはライブハウスで見かけそうな顔だったけれど、残りの半分は音につられて集まってきたような人だった。
ステージが始まると、遠巻きに見ていた人たちが次々に興味を示して集まってくるのが分かった。
SKALAPPERのステージで、初めて彼らを見るお客さんが思わず踊り出すところを横目に見ながら撮影したとき、この瞬間を写真に収めるということにこれまで以上に意味を感じた。

一体どれほどの人があの日バンド演奏を初めて見たのかは分からない。
分からないけれど、ゴールデンウィークにふらっと肉を食べに来て、気づいたらロックバンドにハマって帰っていくなんて、最高の本末転倒じゃないか、と思う。

あの一日が誰かにとって、大きなきっかけの一日になっていたらいいと思ってやまない。

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