前澤友作さんからお金をもらった看護師の話

病棟看護師7年目27歳の今


病棟のステーションの中で今日も泣く
患者を思う気持ちと自身への不甲斐なさでどんなに我慢してもしゃべりだすと泣いてしまう
スタッフがまた話を聞いてくれるがこれは号泣ハラスメントだなと思いながら涙を拭っている。
そもそも患者を思いと言ってるが本当はシンプルに自分が可哀想と思っているからが理由であることに気づきながらも、またそんな自身を守るために正当な別の理由を脳が勝手にあげるのだ。

すぐに涙がでるのは「ストレスが少しずつ溜まってる証拠」と弟に言われたのはかなりしっくりきた。しかし昔から泣く癖はある。夜はたくさん眠れるし食欲はある。いずれにしてもストレス耐性は弱い部類だと思う。

毎日の通勤に往復3時間かけているのは、無給の残業だなと考えながら長時間電車に7年も乗っていると、「なにか変わらなきゃ」と焦燥感に駆られる。車両を降りると次の電車へのアクセスで頭がいっぱいになり変化作戦は止まる。



「フラダンスを習う?」「楽器を始める?」「高い服を買って、通勤も毎日おしゃれをする?」



そんな日々の夜勤入りの日、お昼に「前澤友作お金贈り事務局」からメールが届く。知らない人から5万円をもらった。


今日は
夜勤5回分のお金を突然ポンと渡されてしまった。


めちゃくちゃ嬉しいけどこの5万円は私になにをしてくれるんだろう?


これから始まる夜勤の手当が5万だということにする。まずはお金の匂いだけでご飯を食べる。そういえば春日のダクト飯(通気管から出る匂いで飯を食う究極の節約法)は結果かなりの貯金額を生んだんだろうな。

普段揺られる電車では意識を殺して眠る努力をするが5万円の夜勤に向かうわたしはずっと車窓の流れる景色を目で追いかけ5万円の大きさを頭の中で何度も測った。

1番まずいのは貯金?給付金のときも、、前澤さんの目的は経済活性、?ベーシックインカムってなんだっけ、、「現金」を配る行為で得る認知度はまたなぜかお金を生み前澤さんを豊かにするんだろうな、、


貯金はしないことにした。


看護師になり貯金で不安を拭ってきた27年間は、ついに私にお金以上に価値のあるモノを完全になくしてしまっていた。
この世の全てのモノが夜勤1回分の苦労に値しないのである。


これを機に、本当に自分にとって価値のあるものを購入しよう。


病棟のみんなに5万円分なにかさしいれようか、
そもそもコロナ疲労の労い金だ。
しかし各世代がいる病棟で、「SNSで知らない人からお金をもらった」こと自体をネットリテラシーの高いお母さん世代はどう思うだろうか、

女社会で嫌われることは最大限避けたい。ハイリスクだやめよう。


家族に配ろう突然の現金は1番大切な人たちと共有するのがいい。


美味しいご飯を食べに行こう。


いや夫に渡して私になにか買ってもらおう。自分じゃ選べないけど夫なら私が欲しいものをシンプルに購入できるきがする。


、、、


夜勤が終わった。
緊急入院が3件あり、1人をお看取りした。

人生辛い時はおいつも金もたくさんかかる。

金欠は心のゆとりを無くすもの。

もしもの切り札が通帳にあれば冒険ができるかもしれない。




貯金することにした。




前澤さんの思いにも答えられず

自分の欲しいものを探すこともやめた。

ただの5枚の紙として保管され、私が死ぬ時バタバタとした悲しみの中で知らず知らず消費されることになるだろう。




さては貯金が最も人を貧乏にする?
春日はダクトより美味い飯をくっているのか??

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