昭和レトロな中華料理店でお昼ご飯を食べる。
つい先日ですが、会社の近くにある中華料理店に行きました。
そこは昔からある個人商店です。
駐車場があるので、平日の昼時ともなると、土方の職人さんなどで賑わっています。
店内の様子ですが、低い天井と狭い店内、カウンターとテーブル席があり、どんなに頑張っても15人が目一杯。
カウンター越しの厨房には老夫婦と中年男性の3人編成。
壁や天井は長い年月で熟成されたワイン樽のような色、古い店内ですが掃除は行き届いています。
一角には小さな本棚があり、漫画や雑誌が置いてありす。
その本棚の上、天井近くにはテレビがあり、ニュース番組が流れていました。
テーブルも椅子も、醤油差しもラー油の瓶も、壁に貼られたメニュー表のどれもこれもが年季が入っています。
まさに昭和を切り取ったような中華料理店です。
私はカウンター席に座り、野菜ラーメンを頼みました。
厨房を見ていると、オヤジさんが主に料理担当のようで、中華鍋を武器に手際よく料理をしています。
もう一人の中年男性は息子さん?かもしれないですが、餃子を包んだりと仕込みをしたりしていました。
お上さんはというと、注文を受けたり、お膳の上げ下げをする係のようです。
気づいたのですが、その3人はほとんど会話がない。
お上さんがお客の注文を伝えると、オヤジさんは軽くうなずく程度。
かなりの注文が集中してとても忙しそうなのに、会話をせずとも料理がどんどん出てきます。
これぞ阿吽の呼吸か。
両者の意思疎通が普段から出来ているからこそ成せる技、ただ長く一緒にいれば出来るワケではないはず。
きっとお二方はとても仲がいいのでしょう。
仕事の時こそ会話が少ないですが、そこから離れたらいろんな会話をしているのだろうな。
そうこうしていると野菜ラーメンが出来たようです。
オヤジさんが出来上がった野菜ラーメンをお上さんに差し出すと、お上さんが何やらネギを手に取り。。。
どんぶりの上で、左手にネギ、右手に包丁。
そしてまな板を使わずにネギを刻み、どんぶりに落とします。
おおー、見事な空中技!
「はい、野菜ラーメンお待ち遠様。」
お、では頂きます。
たっぷりの野菜炒めが盛り付けられたラーメンは当然おいしい。
そういえば、この店はいつからあっただろうか。
私が会社に入ったときには既にあったので、その時点でもう20年か。
入社した時でさえ古い店だったように思うし、プラス10年か20年は経っているかもしれない。
そしてお会計の際に、
「ごっつぁんです。」
「はい野菜ラーメン、600円です。」
「あのー、お店は何年目ですか?」
「今年で54年目です。」
え!!・・・・54年!?
マジか、そんなに長いの!
私の見積が甘かったです、そうですよね。
あの阿吽の呼吸、年季の入った店内、30年や40年そこそこでは出ない貫禄でした。
しかも600円って、、、毎回思うけど安い。
いつもありがとう。
文+イラスト : ケーモティック
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