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ICL手術レポ⑥「実録・ICL手術」〜ザ・実況

これは長年「強度近視」「軸ズレ乱視」「自覚なし老眼」という三重苦に苦しめられていた男が「ICL(Implantable Contact Lens:後房型有水晶体眼内コンタクトレンズ)手術(※多焦点レンズ)」を決断をした時の苦悩と葛藤の物語。(全8回)

第6回のテーマは「患者から見た手術中の様子」です。


ついにこの日がやってきた…手術当日

ついにきた。この日が。正直大変怖い。ドキドキする。

当日は手術の2時間前から食事を取らず(手術中に気分が悪くなることがままあるらしい)、1時間半前に受付をすまさなければならない。

まずは直前検査。「いつもの視力検査セット」で事前チェックを行い、問題がないようなので待合室へ。待っている間に今日以降の動きについて改めて説明される。

【重要!】
この時の説明(薬の種類や飲み方、手術以降の生活の注意事項など)はちゃんと覚えておくこと。当日〜翌日は手元がほぼ見えない(多焦点レンズの場合)ので、手術後に説明書を読もうとしても当然見えない

ICL手術で本当に大切なこと

その後、瞳孔を開く目薬を1時間くらいかけて何回も点眼。瞳孔が開いてくると世界が輝いて見えてくる。これが眼球グサーザクーへのカウントダウン。綺麗と思う余裕などない。

瞳孔が充分に開いたことを確認したらいよいよ手術室へ…!…と思ったら、手術待合室にて「名札授与」「スマホ電源落とし」「再度の重要事項確認」「血圧検査」などを。ここで血圧が高いと再検査・手術延期などがある。
また看護師さんに「笑気麻酔の使用の有無」を聞かれた。レポする気マンマンだったので笑気麻酔を選ばないことを告げると、代わりにゴムボールを渡された。手術中目に力が入らないように握るらしい。

その後待合室で手術着耳当て帽子をつける。マスクはなし。このところ咳が出てたので手術中咳が出ないか内心ヒヤヒヤしてた。しかし手術中咳止め飴を舐めて、万が一咳が出て飴が勢いよく出たらダブルでヤバい。我慢だ俺の喉。


その後自分で歩いて手術室に向かう。未知の扉が開かれると、そこにあったのは想像していた手術台(ブラックジャックの家にあるアレ)ではなく、人体実験設備的なアレだった。

中央に「歯医者の椅子に戦闘ギミックを搭載したようなゴツい手術台」、ちょっと奥に「特撮で電気椅子の電流を調整するような台」、左手には「体操の審査員席みたいななにか」が並ぶ。なんだその観覧席みたいなの。

手術台に座ると、意外なことに頭や手足を固定するベルトはなく、美容室で髪を洗われる時のようなラフな感じだった。枕の位置と高さを調整してもらい、ブランケットをかけてもらう。優しい。いざという時、俺がパニックになってヘッドバンキングすることを考えていない信頼度だ。

いよいよ手術開始

結論から言うと「手術開始から終わりまで、片目10分ほど、総時間30分弱」だった。

先生の「では始めます」の声とともに手術開始。

ブラックジャックでよく見る「手術野だけを見る穴の空いた布」を顔にかけられ、上下のまぶたを固定するテープ?を貼られる。同じくブラックジャックで見た、竹べらみたいなのを眼窩にグッとさしこみ「目を閉じるなピノコ、こうやって手術中に眼球が動かないよう固定するのだ」はなかった(されていたのかもしれない)。

なにかの目薬→麻酔の点眼のあと、黒っぽい液体を目にジャバジャバかけられる。マジでジャッバジャッバかけられる。その最中、先生から「目を動かして。右、下、左、上」と声をかけられ、言うとおり動かす。「笑気麻酔で意識が朦朧としてたらどうするんだろ?」と思う間もなく指示が徐々に早くなる。

この間もバッシャバッシャと液体をかけられ続ける。指示も「右上、右、右下」とだんだん細かく、早くなっていく。あまりに指示が早い。音ゲーか。間違えると「そっちは左上」とちゃんと訂正される。厳しいが愉快

それが数分間続いたらいよいよ手術開始。


実録「手術中」

さて、最大の懸念材料だった「レーザーや針が目に向かってくる恐怖」はどうだったか?

実際は強烈な3点の青白いライトを眼前に置かれ、視野はほぼなし。目の前が真っ白い中、じっと前を見ていると白い中に3つの光源がぼんやり浮かび上がる。「左のライトを見つづけて」と言われ言う通りにしたが、心の中では「強い光源を直視したら目が焼けるのでは?」という、思っていたのとは別の恐怖があった。

すごく正確な手術中の視界(右目)

その後はもう明らかに目になんかされてるけどまるでわからず。なので視野の変化だけ記す。

真っ白い光

虹色(赤・青・緑・紫…)のブラウン管の走査線みたいなのが放射状に見える。綺麗

セピア色の細胞を顕微鏡で見た時みたいな、全面アメーバのような視界

黒っぽいワイン色の中に3点の光源

手術中の視野の変化

この間、痛みも恐怖もまるでなかった(というか、何が何だかわからなかった)。

でも終盤「スプーンの柄で眼球をグーッと押されている」ような、明らかになんかイヤなことをされている感じの鈍痛(痛くはない)があった。

これで片目完了。体感5分。思っていたほどの恐怖も痛みもなく、メスが見えることもなく。ただし手術中の声のやり取りも聞こえるし、ただただなんかイヤなことをされている感はあった。もう一方の目も全く同じ。

先生の「終わりました」の声とともに椅子から(自ら)おり、自分の目と足で手術室から出る。終わった瞬間から目はよく見えるが、とにかく目が開けるのが怖かった。


この後待合室で目薬をさしつつ、1時間〜2時間ほど目を閉じて休憩。

終わった…

手術は意外なほどに簡単だった。


次回、【ICL手術レポ⑦「実録・手術直後〜見える…見えるぞ!…でも…あれ?」】

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