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水に浮かぶ美術館


今年3月、広島県大竹市に「下瀬美術館」が誕生。設計を手がけたのは、世界でも活躍されている坂茂さん。建築資材メーカー丸井産業の創業60周年を機に構想され、代表取締役の下瀬ゆみ子さんと先代が収集してきたコレクションの保存と公開をしています。

コンセプトである「アートの中でアートを観る」とはどんな美術館でしょう。

・下瀬美術館へ行く

大阪在住のわたしは、大阪駅から新幹線で広島駅、広島駅からJR玖波駅で下車し、タクシーで向かいました。

7分ほど走らせた車内では運転手さんと話が弾み、おじさんの口から発するおっとりした広島弁には終始なごまされていました。

*無料シャトルバスが土日祝に運行されていますが、期間があるようなのでホームページをご確認ください。(2023/6/18時点)

駐車場入り口
全面ミラーガラスのエントラス棟
エントラス棟の左側には絵画のようなお花

・エントランス棟

エントランス棟を入ると真っ先に、大きな幹の柱と天井に広がっている枝の梁に目がいきます。木の優しさを感じつつ力強いデザイン。流れるようにガラス張りの壁が外へとつながり、開放感ある空間でした。

チケット売り場、ミュージアムショップ、ミュージアムカフェには仕切りはなく一体となっています。

エントランスフロア(奥がミュージアムカフェ)

展示を観る前に、小腹が空いていたわたしはミュージアムカフェで軽食をいただきました。

サンドイッチを注文したのですが、このサンドをとても気に入ってしまいました。まず、メニューではサンドイッチと書かれていますが実はホットドッグ。そして、想像を裏切りったビジュアル。バゲットのほのかな甘味に、酸味がひかめなピクルスと塩気あるソーセージ。美味しかったです。

・世界初の可動式展示室

水に浮かぶ8つのカラフルな箱が世界はじめてとなる可動する展示室です。浮力で箱を動かし自由にレイアウトができます。おもしろいですよね。

海と空の青色に浮き出る色彩豊かな箱は明るい気分になります。数千以上ある色からどのように選ばれたのでしょうか。

8つのカラフルな展示室
箱と箱をつなぐ通路
瀬戸内海と張った水の目線が同じのように感じる

・外観とヴィラ

下瀬美術館はミラーガラス・スクリーンに統一され、展示室もカラーガラスが使われいます。花や緑が映ったガラスはアートのようです。

ここには宿泊できるヴィラが併設されており、「水辺のヴィラ」、「森のヴィラ」と名づけれられたエリアが対極の場所に置かれています。坂さんと言えば「紙管」ですが、紙管が使われた「紙の家」も建てられています。

そして、アール・ヌーヴォーを代表とするフランスの工芸家エミール・ガレの作品に出てくる植物を鑑賞できる「エミール・ガレの庭」も見どころです。下瀬さんのコレクションの中にはガレの花瓶などがいくつも展示してありました。

ミラーガラスに映る花と緑
エントランス棟の側面
ロゴはグラフィックデザイナーの原研哉さんが手がけた

・お土産

ミュージアムショップに並ぶものは、全てオリジナルでした。わたしは、アンリ・マティスの絵が描かれたハンカチと母へ集めているマグネットを購入。友人はバッチをさっそくバッグへつけてました。

ミュージアムショップ
真ん中がアンリ・マティスのハンカチ
マグネット
バッチ

・トイレ

なぜか、トイレの空間が気になってしまうわたしです。淡い色のタイルが全面に張られ、落ち着く空間でした。トイレまでもこだわりが見えます。

扉はフラット
全面タイル張り
メイク台

・まとめ

わたしは下瀬美術館が生まれたことで、はじめて広島を訪れることができました。思った以上に広い敷地で隅々まで丁寧に造られていました。下瀬さんと関わった方々のつくり手の気持ちも伝わってきます。美術館を訪れる旅もいいものです。

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