告白

わたしには、いまでも腹に据えかねて苦悩していることが3つある。今からそのことについて綴ろうと思う。

1つ目は、わたしの現時点の生涯でのラストライブの打ち上げで起こった。
わたしよりちょっとだけ有名なバンドマンが来ていた。
そいつは大麻だかコカインだかでキマっていた。
甚大な態度に言い返したとかそんなもんだったと思う。
そいつは朝8時の下北の日高屋のテーブルをひっくり返し、わたしの頭に膝を入れ、白山眼鏡店の眼鏡を折り、わたしの大切なステージ用Tシャツの襟を破いた。
やり返しもしなかったし警察も呼ばなかった。
なんとなく、どちらもバンドマンとしてカッコ悪いと思ったのだ。
それだけだ。せめて気が済むまで殴り返すかその場で警察を呼ぶべきだったのだ。

2つ目。
今では密やかに終焉を迎えているであろうちいさなインターネットコミュニティがあった。
そこで大きなイベントが催されるというのだが、はっきり言ってデスマーチ状態だったその運営のテコ入れを頼まれてわたしは力を貸した。
電話一本で一等地の吹き抜け二階建てのハコをGW中まる二日押さえた。そのほかイベンターとしてありとあらゆることをやった。

細かいことは端折るが、デスマーチが抱える問題は雪だるま式に大きくなり、わたしは公私ともに一秒もこころ休まる時間がなくどんどん追い込まれていった。そしてわたしは本番一ヶ月前に首をはねられた。

"圧倒的な想像力の欠如"だ。関わっている人例外なく全員がおかしくなっていったし、わたしには匿名の非難が雨のように槍のように降りそそいだ。

どうしようもない3人のバカがいた。
1人目は金を出したヤクの売人だ。平気で人を騙すし、良心やひとの悪意につけ込む。こういう人間を信用したら最期だ。
2人目は音楽業界のことも飲食業界のこともイベント業界のことも何も知らないし愛もないイベントの発起人。責任の所在すら明らかにできないリーダー。もう一度同じイベントをやるそうだが、彼は何も学んでいないのだ。二度とこちら側の敷居を跨がないでほしい。
3人目は裁判官になろうとした何も関係ない人。暴力という最も幼稚なコミュニケーションに頼ることしかできない、子どものような大人だ。

血も何度も吐いたし、警察に駆け込んで医療保護入院にしてもらおうと何度も電話に手をかけた。
逃げろ。一定以上の理不尽には線を引け。

3つ目は、きのうのアルバイト中に起きた。
10年の付き合いで出戻りだった想い出のバイト先を、わたしはその場でやめた。

理不尽やパワハラの類は慣れっこだった。"飯屋だから。"もっとえげつないところで働いていたこともある。慣れていた。慣れすぎて麻痺していたのだ。わたしも含めてみんな。

ここで起きた悪いことの具体例は書かない。ただの飲食業の慣例だし、旧態依然が続くところから新しい時代に淘汰されるだろう。

ただ、ことは10年前わたしを雇ってくれた初老の社員さんと組んだ日に起こった。
なんの悪気もない。会社のためだ。彼はわたしの労働時間を、個人的なお金で買い上げようとした。
「法に触れますよ」「会社がなくなりますよ」言っても通じなかった。
その場でやめた。繰り返すが、10年の付き合いがあるし改装の引越しも手伝った想い出の店舗だ。

この国の飲食業界も、音楽業界も、おそらくは似たような業態全部も、真っ黒だ。最低賃金なんてなにも意味はない。

逃げろ。一定以上の理不尽には線を引け。

このnote内での活動にかかわらず、音楽家としてのわたしを応援してくれる方がいたらとても嬉しいです。読んで、聴いて、リアクションいただけるだけでも、飛び上がるくらい嬉しいです。宜しくお願い致します。