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第21刊8月号

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#小説

風が止んだら

風が止んだら

著:高岡 はる

 裏庭で採れたふきのとうは、天ぷらにすることに決めた。古びた中華なべを台所の戸棚から取り出すと、お久しぶりです、とでも言うように雄々しく、その姿を主張した。持ち手ははげかけ、中の鉄板部分は、あの新品だった頃のぎらぎらとした銀色の光沢は、なくなってしまったが、年月を経て得た貫禄のようなものが、なべ全体を覆っていた。

 

 ナベは中華ナベが、いっちゃん良いけんのおう。

 

 

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サイダーパンク

サイダーパンク

著:脂腿肉無骨

一本の矢ではすぐに折れてしまうが、三本の矢を束ねればサイダーパンク小説が書ける

「お帰りなさいませ、ご主人様!」

「いつものを、頼む」

「ごめんなさいご主人様。今日はいつもの、無いんです」

「何?」

「ひえっ!? ごめんなさい、怒らないで! 代わりに良いもの、仕入れてますから!」

「ああ、早くした方が良い。急がないとあんたの頭が吹き飛ぶぞ」

「す、すいません!」

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