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家賃の支払いが保証されるから安心という幻想

夏の熱帯夜にエアコンが止まる・・・

1999年7月下旬に引っ越した長野県長野市のアパートでは、3時間ほどエアコンを付けていると勝手に止まるという現象が起きていた。

会社で借り上げてもらった社宅だったため、会社の総務部にアパートの管理会社に連絡を入れてもらったところ、担当者が不在だったか何かで放置されてしまい、結局解決しないまま、その夏は熱くて夜中に目覚めて改めてエアコンのスイッチを入れるということを繰り返した。

ロフト付きだったこのアパートは、壁も薄くて隣の部屋のテレビなどの音がよく聞こえてくる落ち着かない部屋で、夏は熱く冬は寒いという環境。

物件そのものは築浅で綺麗だったけど、エアコンの問題と壁の問題で住環境としては好ましくは無かった。

その時の物件には“レオパレス”という名称が付いていたのを覚えている。

当時は知識もなく単なるアパートの名称か何かだと思っていたけど、2018年に見たネットニュースで、この“レオパレス”という賃貸アパートを建築した会社が1994年〜2009年に施工した15283棟の一部で、天井裏や屋根裏に住戸間を仕切る界壁(かいへき)がないとう建築基準法違反や、界壁に隙間があるなどの施工不良があったことを公表していて、当時の状況を思い出していた。

わたしが入居していた長野市の“レオパレス”のアパートの情報をネットで築年数を調べたところ1998年06月になっていたので、“1994年〜2009年に施工した15283棟”の中に時期的には含まれているというわけだ。

もちろん、わたしが暮らしていたアパートが施工不良があった15283棟の中に含まれているかどうかは知らないけど、隣の部屋の音がとても良く聞こえてきたことを考えると、確率は高い。

更に、エアコンが3時間ほどで止まっていたということに関しても、同社が電気代を負担するプランが存在していたらしく、そのためにエアコンが作動後に自動的にオフになる「3時間タイマー」が設定されていたというニュース記事を読んだ時には当時の記憶が鮮明に蘇ってきた。

真夏の熱帯夜にエアコンが勝手に止まってしまうという現象は本当に辛かった。

夜中に汗びっしょりで何度も目覚めて、着替えてエアコン入れてを2〜3回繰り返した。長野県でも夏は熱いのだ。

結局、このアパートには1年近く住んでいたが、3時間でエアコンが止まってしまうという現象には慣れてしまい冬場は別に電気ファンヒーターを買ってしのいだ記憶がある。

もしかしたら、単なるエアコンの故障だったのかもしれないが、今となっては確かめる術もない。
社宅じゃ無かったら、管理会社にもっとクレームを入れていたかも知れない。

不動産投資はエンドユーザーのことを考える

不動産投資の書籍や情報を眺めていると、どうしてもエンドユーザーである入居者の目線が少ないように思う。
利回りが何パーセントだとか、サブリースで家賃が保証されているとか。

事例に上げたレオパレスの物件もサブリースで家賃が保証されていてオーナーはアパートを建てて、当時わたしが勤めていた会社はそれを社宅として借り上げて、そこにわたしが暮らしたということだろう。

でも、隣の部屋の音が筒抜けな上に熱帯夜にエアコンが3時間ごとに止まるような部屋で、どうやって快適に暮らせというんだろう。

エンドユーザーである入居者、利用者の目線が少ない不動産投資できちんと利益が出るとは思えない。
仮に利益が出たとしても、そこにはわたしの事例のようにエンドユーザーの不満と我慢の上に成り立っているということ。

そして、そんな不動産投資は長続きしない。

エンドユーザーが快適に暮らせる、快適に利用出来る、不動産投資がもっと広まればいいと切に願う。


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