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濱 嘉之著 院内刑事 ザ・パンデミック 講談社

待望の濱作品
コロナ禍をどう扱うかを楽しみにしていた。
なるほど「院内刑事」シリーズで扱うかと。
確かにと思いつつ、「片野坂」シリーズが最初ではと思っていたので、
少し意外な気もした。(とはいえ、このシリーズも発売が発表されたので、
制作自体は同時並行で進んでいたと思う)
この人の凄いところは、参考資料・文献がほとんどなく、
自身の経験やスジからの情報をベースに組み立てていること。
もちろんフィクションではあるも、背景にある事件、登場人物などは、
リアルとリンクすることもあり、非常に興味深い。
コロナについての言及も、リアルとのリンクを感じられ、興味深く読めるも、踏み込み切れていないのではと思うこともあり、その分は、不確実性や、その先にある闇の深さ故、ということもあるのだろうかと思ったりもする。同時に、テーマとなっていた労働組合についても、同様。
解決ということはなく、だからこそ、スタンスが明確であることが重要なのか。曖昧にすればするほど、深みに嵌る。むしろ、曖昧であろうとすることに対して、ぼかすのではなく、立ち向かう。もちろん、簡単ではない。個人でどうこうできることではない。
政治・政権の重要性を感じるし、どこを選ぶのか、選挙権を与えられている国民としての責任も感じる。

そんなことを考えさせられる作品



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