番外編 トヨトミの逆襲 小説巨大自動車企業 梶山三郎

警察小説以外も読むので、その感想文です。

前作の「トヨトミの野望」に次ぐ二作目

フィクションではあるが、読めば誰もがトヨタ自動車の豊田章男社長を題材にしていると分かる内容。EV、自動車運転など、いまのトヨタの動きとリンクしており、読む側は、暴露に近いことに触れている気がしてしまう作品。著者の名前もペンネームであり、実際に誰が書いているかは分からないようになっている。前作は、豐田社長が、社長に就き、アメリカでの公聴会を経て、EV車へと舵を切る宣言をするまで、そして、本作はその後であり、会長として、アメリカ、中国、それぞれの市場での闘いに向けて踏み出すまでを描いている。フィクションとノンフィクションの狭間にいる感じがとても面白い。ふと、思ったのは、良くも悪くも、歴史書というものは、こうやって生まれてきたのかなと。時の権力者や朝廷が、自らの功績を残すために書かれるのが一般的だが、こういう暴露的なのもあったはずである。いくつもの立場から描かれるものを、どれが正しいというか、事実に近いかを検証し、残ったものが、いわゆる、大河ドラマの題材になったりしている。しかし、あくまで、事実に近いであり、本当にあったかなどは、分からない。読み手、受け取り手がどう解釈するか、解釈した上で、どう進むか。本を読むことは、趣味だし、水を飲むように自然な行為になっているが、しっかりと、咀嚼し、自身の栄養にしたい。そんなことを思った。

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