院内刑事シリーズ フェイク・レセプト 濱嘉之

シリーズ第3弾

著者自身が、元公安出身ということもあり、本シリーズ以外の作品も、非常にリアリティがあり、フィクションとノンフィクションが入り交じる部分に魅力を感じる。

本シリーズが出た時には、目の付け所がさすがだなと。人の生き死にが交差する場であり、本当に不特定多数の人が訪れる。同時に大きなお金も動く。そうなれば、そこには、善意だけではない、様々な危険というか、悪意が訪れる場所でもある。そこを、守る院内刑事。警察としてだけでなく、医療や法律など、実に高度なスキルが必要になる。もちろん、マネージメントスキルもしかり。特に、外国人や宗教、政治活動などが絡むと一筋縄にはいかない。病院だけでないが、会社もしかり、経営者、マネージメント層、現場と、それぞれに、プロフェッショナルがいて、且つ、しっかりと意思疎通が出来ていることが理想ではあるが、実現は難しい。この作品を読むと、現実には、実現出来ない分、悪にやられてしまう善意が多く存在しているんだと思ってしまい。少し、歯痒い気持ちになる。


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