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AnswersNews今週のニュース解説とあわせて読みたい

こんにちは。製薬業界向けニュース解説メディア「AnswersNews」の亀田です。本日は、今週AnswersNewsで公開したニュース解説について、それぞれあわせて読みたいポイントをコンパクトに紹介します。

腫瘍溶解性ウイルス、タカラバイオが開発中止

1つめは、8日(月)に公開したがん治療薬の腫瘍溶解性ウイルスに関する記事。第一三共が国内初の製品「デリタクト」を発売したことや、追いかける企業の開発状況に触れました。

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記事中で、オンコリスが中外製薬と2019年に結んだ導出契約を解消することで合意した(解消そのものはもう少し後)ことを紹介していますが、ニュース解説公開の翌日、11月9日にタカラバイオが大塚製薬との共同開発・販売契約を終えたと発表しました。

開発を中止したのは、腫瘍溶解性ウイルス「TBI-1401」CAR-T細胞療法製品「TBI-1501」。腫瘍溶解性ウイルスについては、「膵臓がんを対象とした臨床第1相(P1)試験結果を踏まえ、膵臓がんやほかのがん種での開発計画を両社で検討してきたが、今後の開発に要する期間などを考慮して契約終了の判断に至った」とリリースで記しています。

一方、18年に共同開発・販売契約を結んだTCR-T細胞療法製品「TBI-1301」については、両社での開発を継続。国内での製造販売承認の申請がやや遅れていますが、信頼保証体制や製造体制が整った後、大塚製薬から申請が行われる予定です。

「ルナルナ」で妊活・不妊治療支援

2つめは、11日(木)公開の保険適用への議論が進む「不妊治療」の記事。関連する医薬品については、11月1日現在、39件の承認審査が行われています。

不妊治療へのアクセス向上に向けた取り組みを記事の最後にいくつか紹介していますが、生理日管理など女性の健康をサポートするアプリ「ルナルナ」を運営するエムティーアイもその1つです。

ルナルナには、不妊に対する「治療サポートコース」があります。記録・管理することで治療やその効果への理解を深めることが狙い。このほか東京都をはじめ、埼玉県や北海道、福岡市など、複数の自治体とも連携協定を結び、ルナルナで各地域での相談窓口や助成制度の案内などを行っています。

さらに、昨年6月には成育医療研究センターと、不妊治療支援アルゴリズムの開発を目指して共同研究を開始。「正しい知識・情報の収集」や「治療をステップアップすべきか」「いつまで治療を続けるべきか」など、不妊治療での悩み事を解決するべく、患者・医療機関のデータを解析し、個々の患者に合った治療を提供したいとしています。研究で得られたアルゴリズムは、治療サポートコースに組み込まれる予定です。