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米イーライリリー、糖尿病治療薬を米国で申請

こんにちは。製薬業界向けニュース解説メディア「AnswersNews」編集部の亀田です。今回は、きのうAnswersNewsで公開したニュース解説記事とあわせて読みたいトピックスを1つ紹介します。

きのうのニュース解説

昨日、11月1日にAnswersNewsで「【アルツハイマー】販売苦戦のアデュヘルムに競合の足音…リリーのドナネマブ 段階的申請を開始」というニュースを公開しました。

今年6月、米バイオジェンとエーザイの「アデュヘルム」が米国で承認され、大きな転機を迎えたアルツハイマー病治療薬の開発。同薬が販売に苦戦する中、米イーライリリーのドナネマブが米国で段階的申請を開始しました。リリーはドナネマブとアデュヘルムの直接比較試験を年内に始める予定で、市場競争を見据えた主導権争いも本格化します。(ニュース冒頭)

米バイオジェンとエーザイのアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」がアメリカで承認されたというニュースはご存知の方も多いと思います。同薬の販売が伸び悩む中、アメリカでは、これに続く薬剤が2つ、すでに申請を始めています。

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(昨日のニュースより)

米イーライリリー、期待の糖尿病治療薬も申請

「アデュヘルム」の苦戦のわけ、ほかのアルツハイマー治療薬の開発、申請状況について詳しく知りたいという方はぜひ記事をご覧ください。

今回のnoteでは、上の図表の3つめ、ドナネマブの申請を始めた米イーライリリーの、もうひとつの動きをピックアップします。

イーライリリーが、「ドナネマブの段階的申請を始めた」と明らかにした10月26日の第3四半期の決算発表がこちら。

同じ発表の中で、イーライリリーは、アメリカで2型糖尿病治療薬候補のGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideを優先審査の枠組みで申請したことも明かしました。

Lilly announces today its U.S. submission of tirzepatide in type 2 diabetes using a priority review voucher and initiation of a rolling submission for donanemab to the FDA for accelerated approval in early Alzheimer's disease.
      (米イーライリリーの第3四半期決算資料より)

tirzepatideは、1つの分子でグルコース依存性インスリン刺激性ポリペプチド(GIP)と、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)の両インクレチン作用をもつ薬剤。デュアル作用をもつことで、グルコースや体重に対してより大きな効果をもたらすと期待されています。

※※※

ドナネマブも、tirzepatideも、最も価値の高い新薬開発プロジェクトの1つとして注目されています。AnswersNewsでは、9月末のニュース解説などで取り上げました。いずれもどのように審査が行われるのか、注目が集まります。

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