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おふえんのおはなし

いえあ。8月7日です。7日って好きなんです。好きというか、大切な日にちです。自分の誕生日が7日だったり、友人の命日だったり。まあ毎日大切なんですけど、なんか、特別な数字です。

さて、さてさて。「女の子と振り返る『どうして演劇なんだっけ』」、略しておふえん。おふえんが終演して3週間弱経ちます。改めて、観に来てくださった皆さま、応援してくださった皆さま、支えてくださった皆さま、スタッフの皆さま、キャストの皆さま、本当にありがとうございました。楽しかったです、とっても。


ところであれは走馬灯だったのかしら。


そう感じています。確かに稽古をして、確かに本番をやって、確かに皆とお客さまとの時間があって。それでもどうにもあの時間が、作中だけでなく私の中でも走馬灯のように感じているのです。突然小説のような言葉遣いになって戸惑っています。日本語勉強しなければ。

かなこ、という女の子でした。演劇をやっていて、楽しいこともあったけれど辛いことが多くてそっちばかりが心にきちゃって、死のうしたら同じく演劇やってた死のうとしてた女の子たちに出会って、演劇を打ちのめそうとして…。うん、あらすじはいいか、上手く書けんもんな。そうね、かなこでいた時の時間について話そうね。

まず配役決めの時に、自分がかなこをやるとは思ってなくて、かといってこれが私の役だぁ!おらぁ!ってのもあったわけでないんやけど。かなこをやるよってなってからも、妙な不安がずっとありました。わたしこの子になれるかしら、と。ギジレン島のときもそんな気持ちあったなぁ、最初。どちらの作品もそうなんですけど、周りのみんなといたら自然となれたんですね、みんなのおかげ95%。ほぼみんなのおかげ。どちらも劣等感とか焦燥感を持ってたんですけど、周りがただただ凄い人たちなので自然と劣等感も焦燥感も生まれるんですねこれが。おそろしい。それと同時に、これでいいのかしら、わたしなんかがここにいていいのだろうか、と、かなこが思ってくれたので身を任せました🧘

いやほんま、みんな凄いのよ。動けるわアイディアばんばん出てくるわ小道具へのこだわりハンパねぇわキャラクターがとにかくみんな濃ゆすぎるくらい濃いわで、とにかく追いかけていくのに必死でした。みんな自分のことを本当によく理解していて、出来ること特技強みをちゃんとコントロールして、自分のことをちゃんと褒めてあげられる人たちです。凄いです。そしてみんなのことも良く見ていてみんなのことも褒められる人たちです。凄いです。だから大好きです。あと優しい。ひたすら優しい。

そんなわけでね、生きられましたかなこの人生を。演劇やってて良かったなと思える作品にまた出会えました。良かったですほんま。楽しかったなぁ。

それから私は引っ越しましてね。終演してすぐですね。生活が変わったわけです。ダンボール開けてせっせと片付けしていて、ふとね思ったんですね、あれ?わたし舞台に出ていたっけ、って。環境の変化がそう思わせたんですね。その時に、ああ、走馬灯のような時間だったなぁって。自分の終わりのとき、走馬灯が本当に流れるのだとしたら、私の走馬灯の中にかなこの走馬灯が流れる気がしてなりません、今は。かなこの走馬灯なのに、私の走馬灯に入り込んでくる、図々しいやつです。でも生きることを選んだあの子を誇らしく思うので、そのくらいの走馬灯スペースはあげようと思います。

雨です。コロナウイルスが雨にとんと弱ければいいのになぁと思います。誰かが生きるために必要な時間の演劇が、安心してまた多くの人に届けられる時間が早く来ますように。そして皆さまが健康でいられますように。早く皆さまにまた会えますように!!!


かなこの靴を初めて外で履いた記念写真。黄色い線の内側にいるよ。

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