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「日本は核武装せよ」

「日本は核武装せよ」橋本 琴絵 2022年7月刊 WAC

先月、広島にてG7サミットが開催されたのが記憶に新しいと思いますが、そんな最中に手に取ったのが本書でした。

著者は昭和63年生まれの広島生まれ、広島育ちの被爆3世の女性の方でした。

広島の地で反核・平和教育を十数年受け続け、祖父母ともに原爆の被爆者であったそうです。

その著者が「日本は核武装せよ!」と本書で訴えるにいたったか、その真意が知りたく本書を読み始めました。

本書、単なる感情論に訴えたものではなく、様々な事実、調査に基づき、記されており、一読の価値アリでした。

また、その論は核武装論だけでなく、移民政策や憲法改正論、ジェンダーフリーにまで展開され、初めて知ることも少なくなく、有用でした。

保守、リベラルともに、反戦・反核を望んでいない人は殆どいないと思うのですが、どうして、意見が食い違い、割れるのか常々、疑問で仕方ありませんでした。

自分の出した結論としては、お互いに自分の見たい正義ばかり見ており、自身の正義を微塵も疑っていないからだ考えているのですが、どうでしょうか。

私は正義、正論というものについて、いつも懐疑的で、本書の論旨に関しても、頷くところはあっても、一歩引いた所で見てしまい、全面的に賛同することはありません。

ただ、最近、SDGSだ、多様性だ、ジェンダーフリーだと騒ぎ立てられ、同調している世間を見るにつけて、馬鹿かと思ってしまうのも事実です。

これは反戦、平和運動を見てても同様です。

あまりにも頭がお花畑。耳障りのよい言葉やメッセージに踊らされ、思考停止している輩が多すぎるんですよね。

自分で事実を検証しようとせず、みんながやっているから、みんなが信じているから、和を乱さぬように、協調性をもって行動する。ワクチンを打つ。ウクライナを支援する。LGBT法案に賛成する。

「馬鹿か!」と思ってしまうのです。

そういった意味で、戦争、核兵器のことなんか真っ平御免、考えたくもない。平和が一番と考えている人たちにこそ、現在、進行している日本の危機の現実を本書にて確認してもらえればと思った次第です。

まあ、大半の人が目の前の生活、仕事、娯楽に追われており、やがて来る危険に鐘をならしたところで、オオカミ少年扱いされ、馬鹿にされるのは、コロナワクチンの件でも学んだのですが、でも、言わざるえないんですよね。

最後に一つ、最近の法整備なきままの政府の移民緩和政策にも、著者は警鐘をならしておりました。

日本人女性を強姦した前科のあるパキスタン人男性が再び、性犯罪を犯し、有罪判決によって国外退去が決まっていたにも関わらず、不起訴となり、釈放され、国外退去を免れ、日本社会に再び、放たれたという出来事が、この令和の世になってからも発生しております。

この背景には戦後、GHQが定めた出入国管理及び難民認定法の存在があり、強姦犯といえども、「難民申請」をしたならば、法務大臣は「仮滞在許可」を出さねばならず、国外退去をさせることができないということなのだそうです。

こんなおかしな法がまかりとおっている国は当然、諸外国にはありません。

また、本書には「目があったから」「女性から会釈をうけたから」と見ずしらずの日本人女性をレイプし、無罪となった外国人犯罪者たちの事例、裁判結果が複数、掲載されておりました。

見るのも痛ましい記載で、この判決を下した裁判官たちに反吐がでましたが、「日本人の場合は明確に同意の外観を示さない限り性行為を強制したら犯罪が成立するが、外国人は価値観を共有できないため、強く明確に拒絶の外観を示さない限り電車内や公衆トイレや野外などで性行為を強制しても合法である」といった基準があるとのことでした。

これが異文化を受け入れ、多様性を尊重するということなのでしょうか。

果たして疑問です。

異文化共生にせよ、核武装にせよ、なにが正解であるのか、自分にはわかりません。

ただ、自分は知らない、分からない、興味がないからといって、思考停止、スルーするのではなく、是々非々で対話し、議論できるような場を少しでも作ってゆきたいと最近、よく考えます。

コロナ騒動が始まって以来、ここ2年ほど、毎月、第一日曜の朝6時より、オンラインのクローズドな環境で何人かの人たちと対話を重ねる活動を主催してきました。

思うところあって、もう少し開かれた環境のもと、活動してゆくことを決めたので、興味のある方、ご連絡ください。

やっていることはテーマとなる本を一冊準備いただき、その本を通じて、対話を行い、議論や知見を深めていくワークを1時間くらい行います。

参加費や特別な準備は必要ありません。

思考停止の奴隷、家畜のままで終わりたくないという方の参加を切にお待ちしています。

「皇軍はこの新型爆弾をもっていないんだ。だからアメリカは使ったんだ。持っていたら、報復合戦になるから使うはずがない」 ~死傷者と壊滅した街を目に焼き付けながら、著者祖母が言った言葉





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