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人生邂逅 ・まなび編         ◆体験談から -14-1)

ダイレクト営業  ~ バントでホームラン?

特約店営業から再度、直販の営業へと異動になりました。
8年ぶりの復帰です。 

分の名称は、ダイレクト営業部だったと思います。

担当の領域は、メディカルとメガバンクでした。

メディカルはすでに確立されたビジネス形態になっており、事業基盤も安定していたので、さほど手をかけることはなかったのですが、銀行系は映像制作の用途でこそ実績があるものの、新分野として注力していたネットを活用したIT領域では歴史が浅く、ある意味試行錯誤が続いていました。

丁度その頃、注目されていたのがセキュリティーシステムで、全店舗に監視カメラを設置し集中監視をするというものです。

カメラもネットワークもレコーダーもモニタリングもすべて自前で揃えられることは強みでした。
ただ、これだけは競合に勝てるだけの材料とはならず、そこになにかプラスアルファが必要でした。

それが、各店舗への画像や動画を使ったタイムリーな情報提供。      デジタルサイネージの走りです。

この提案に積極的に関心を持ってくれたのが、あるメガバンクでした。
この時、対応の窓口になって下さったかたは、まだ30代の部長代理のかたで、
本来なら、競合であるP社のメインバンクであることからして、かなりの無理筋の商談だったのですが。
にもかかわらず、当社を次のように評価してくださり、社内で孤軍奮闘して下さいました。

そのかた曰く、「P社は池に石を投げ込むと丸い波紋しか起こらないが、 ソニーは人によって、どんな形の波紋が返ってくるか全く違う」と面白い 例えをして下さいました。

言い得て妙!

良くも悪くも、個性の集まりということでしょう。

この部長さんのご尽力があったればこそ、またマーケティングやネットワーク専門部隊の強力な支援により何とか、同社の大型システム案件を受注することになります。

受注の御礼に、ご本社を訪問。

このとき同行して頂いたのが、当時の副社長でウォークマンの生みの親とも言われた方。                              話術に長けており、先方ご重役のかたを相手にしても、まさに絶口調。  笑いの絶えない、和やかな面会となりました。

その時の話の一つが「バントでホームラン?」のお話。  

「どんなに上手な選手でもバントでホームランを打ったやつを見たことがない」
でした。
当時のソニーの中間管理職を揶揄したもので、
バントで安全に塁を進めるような、手堅いことばかりをソニーのマネジャーはやっているが、フルスイングをさせてやらなければホームラン(ヒット商品)は出ない。
上に立つものが三振(失敗)を恐れていてはだめだ。という痛烈な内部批判でした。

もちろん、ウォークマンの誕生秘話もご本人の口から語っておられました。


今は、フルスイングをさせてあげられるようになってきたのでしょうか?

そういえば、私たちの時代は球拾いから、いきなり一軍の試合に出してもらえるようなこともあったように思います。 

        いい時代だったのでしょう!


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