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人生邂逅 ・まなび編  ◆体験談から ー12ー2)

敬愛する部長から学んだこと ~ 乗せる 逃げない 褒める

今から思うに、東海営業所からわずか3年半ほど直属の上司としてお付き合いをさせて頂いただけですが、この間に受けた影響は多大なものがあり、大事なことをたくさん学ばせて頂きました。 

敵陣営から送りこまれてきた部長。 これが、初対面での正直な思いでした

ところがそれが、半年もしないうちに傘下の営業所長がほぼ全員、この部長に心酔することになるのです。

それは、一種のマジックでした。

月1回の営業所持ち回りの営業会議。そのあとの懇親会。とカラオケ。
なんといってもカラオケでの盛り上げ方は半端ではなかったです。
絶対に上司然としない。まさに無礼講の世界。どうやったらみなが楽しめるかに徹する。
選曲も意表を突いたものばかり。それだけレパートリーが豊富なのです。

ただ、最後はお決まりで、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」を全員で1フレーズづつ順繰りに歌いつなぐ。

   これで、結束力を高めるという趣向。 これがズバリ的中!


二つ目は、決して逃げない

当時は、扱う商品の信頼性の問題もあり、市場トラブルも頻繁で、そのたびに営業は頭を下げて回るのですが、それでもなかなか、所長クラスではおさまりがつかず、「上司を出せ」ということになります。

こうしたとき、これまでなら「現場で何とかしろ!」 といった話がきて、なかなか重い腰を上げてもらえなかったのですが、この部長はよほどのことがない限り、二つ返事で出動してくださいました。

ナゴヤドームの大型映像装置トラブルでは、工事上のミスもあったことで サービス担当の部長と揃っての出頭要請でしたが、
サービスの部長は、適当な理由をつけて出頭を拒絶。              結局、営業部長お一人、針の筵を覚悟で対応して下さいました。

ナゴヤドームで専務室までの廊下が異常に長かったことを今でも覚えています。
それでも、専務とお会いした瞬間、空気がすっと緩んでいくのを感じました

トラブルからは逃げないことが肝要! 身をもって示して下さいました。


三つめは、褒めることの大事さ。

このかたは、じつは顔が怖い 鬼瓦(?)のようなのですが、笑うととてもチャーミング。
このギャップが何物にも代えがたい魅力でもあります。

で、またヒトの観察がじつに鋭く、それゆえに褒めるときのコメントが的を射ているのです。

年度末の所長会議では、その年度に際立った功績を上げた部署や個人に、部長から特別な賞を授与されるのですが、その授賞理由や賞のネーミングがふるっていて、思わず唸ってしまうのです。               これは、センスですし、日ごろから現場のことをよく気にかけていてくれるからこそと、思わされます。


いろいろと想い出を辿るにつけ、すばらしい上司であったと改めて思います

ただ、それは私だけにとどまらず、当時その部下として薫陶を受けたマネジャーの大半がそうだったのです。

その証拠に、そのかたと組織上の縁がなくなっても毎年のように有志が集まってはその方を招待してカラオケ大会を開催していました。 

残念ながら、難病に罹られて数年前から参加できなくなりましたが、
それでも、その人の名を冠した集まりは、続いていました。


ところが、昨年末奥様から喪中のお葉書が届き、昨年の6月に永眠なさったことを知ることになりました。  

     多くの学びを下さったことに心より感謝申し上げます。

              合掌。


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