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人生邂逅 ・まなび編  ◆仏教読書会から -29

歎異抄 梅原猛著 第十二条より


親鸞は不思議な言葉を語る人であった。
経典には、正しい法を信ずる人もあり、そしる人もあるというが、そしる人があるので、私は、私の信ずる念仏を正しいと思う。もしもそしる人がいなかったら、かえってわが念仏は正しい法ではないと疑わしいのではないかと親鸞は言った。

とあります。

反論されることで正しいと確信できる。

これを聞いて、すぐに頭に浮かんだことがあります。

ソニーのウォークマン誕生の経緯です。

ウォークマンは、
ソニーのポータブルモノラルテープレコーダー「プレスマン」からスピーカーと録音機能を省きステレオ再生専用ヘッドホンに置き換え、ステレオの再生に特化した製品です。

ウォークマンにはたくさんの伝説があるのですが、
その一つが、社内での猛反対を押し切って商品化されたことです。

「録音機能のない商品が売れるはずがない」

音楽を手軽に持ち運ぶをコンセプトに、軽量、コンパクト、高音質を追求

そこに特化するために、あえてほかの機能を省く。

もともとの発端は、井深さんが海外出張中の飛行機内で音楽を聴くのに適したものを作ってほしいと開発者に要望されたことだったそうです。

開発から上がってきた試作機の音を聴き、盛田さんは「これは、売れる」と直感され、

反対意見が強かったからこそ、これは間違いなく売れる。と、

そう確信されたのでしょう。

自分に置き換えて考えた時(荒唐無稽ですが)
この状況下で、意思を貫き通すことが果たしてできるか?

これもまた、言うは易く、行うは難し。 です。

なお、発売してからも苦難は続き、見事にこれも克服。

以下、『ウィキペディア(Wikipedia)』ウォークマン より

発売当初のマスコミの反応は芳しくなく、人目に触れなければとの考えから宣伝部や営業スタッフはウォークマンを身につけ山手線を一日中グルグル回るという作戦に出る。日曜日には若いスタッフにも製品を身につけさせ、街中を歩かせた。さらに影響力のある有名人にも製品を提供するなどして認知を高めていった。こうした工夫された広告・宣伝活動により発売1ヶ月で3000台ほどの売上から、翌月には初回生産3万台を全て売上げ、供給不足が半年間続くほどの人気となった。

わたしは、この年(1979年)新入社員として秋葉原の電気店で販売実習をしており、
ウォークマンが  ”飛ぶように売れる”  現実を目の当たりにしたのです。
 
      まさに、歴史の生き証人を体感させて頂きました。


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