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謎過ぎる名物料理「ビルマ汁」

私が今回栃木県益子を訪れた理由。それは陶芸に興味を持った訳ではなく、謎過ぎる名物料理、「ビルマ汁」を食べることであった。

「ミャンマースープ」でなく「ビルマ汁」。とんでもないダシが染みてそうだ。その存在を知ってから全く仕事が手につかずうわの空。「ビルマ汁食ってみてぇなぁ...」

調べてみると、ビルマ汁は益子町田町というエリアで夏に食べられる家庭料理。1945年、太平洋戦争でビルマに出征した日本兵が現地で食べたスープの味が忘れられず、帰国後に日本の食材でそれを再現したものらしい。まさにリアル「ビルマの竪琴」。ビルキチの大先輩が生み出した料理だったとは脱帽である。

公式サイト(!)のレシピを抜粋すると、

「赤々に熟したトマト、夏野菜の代表のナスやインゲン、地元産のジャガイモやニンジンをぶつ切りにし、和風だしで煮込む。トウガラシで辛味を出し、カレー粉で風味を付け、出汁のきいた熱々で辛味のあるスープは後を引く美味しさだ」とある。

さっそく提供店のひとつ「手打ちそば うえの」さんへ。高鳴る胸を抑えさり気ない感じを装い「ビルマ汁うどん」を注文するも、他の地元のお客さんたちは普通に冷たい天ぷら蕎麦とかを食べてるので不自然さは否めない。みんなビルマ汁食べないのかよ...

そして肝心なその味は、結論から言うとめちゃくちゃ美味かった。さっぱりした和風ダシにカレー風味が効いていて、そのスープが染み込んだ大きな夏野菜を口に含む度に至福に浸るのだった。今度からプロフィール欄の「好きな料理」には「ビルマ汁」って書いちゃう。

しかしミャンマー料理特有の油っぽさが全くなく、これはミャンマー料理ではない。しかし太平洋戦争から帰還されこの料理を開発した方のビルマ愛はひしひしと感じられる。これがビルマ汁なのだ。

益子のビルマ汁
http://www.mashiko-burma.com

栃木県益子町。殺気を感じる暑さにつき喫茶店に駆け込む。いつも職場で目を酷使してるのでブルーベリーかき氷!!

偶然にも益子町では祇園祭が行われていた。祭りを通して豊作や幸福が祈られるのだそう。威勢のよい男たちの掛け声と祭ばやしの音が行き過ぎて、せわしい蝉の鳴き声にポツーンと取り残される。夏の気だるさ。初めて訪れる場所なのにどこか懐かしい。

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