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今あの時に戻ったら。④〜単語帳〜

戻りたいシリーズ第4回目。


1年ぶりです。
お久しぶりですね。

私の後悔の念は強いのになぜ1年も空いてしまったかと言うと、とある企画のルールに則って、半ば強制的に書いていたからです。

ただ、意外とこのシリーズが好評で、ずっと書きたいとは思っていたのですが、ずるずると、、、気付けば前回更新から1年も経ってしまったのです。


これからは気が向いた時、後悔の念が強まった時に更新していきますので悪しからず。



それはさておき、私は常日頃から妄想をしている。よく妄想するシチュエーションがタイムリープモノであるのだが、詳しいことは第一回に記載しているので参考にしていただきたい。

ルールだけおさらいしておきます。


・歴史を変えてしまう言動はしない
・タイムリープしていると断定されるような発言をしない(仄めかす程度なら可)


今回のリープ先は中学1年生の時である。

いまから13年も前だ。かなり時が経ってしまったようだが、今でも鮮烈に脳裏に焼き付いている失態があるのだ。
ここで少しだけ成仏したい。


私が通っていた中学校は、近辺の小学校5〜6校の卒業生たちが集まる、地元では大きな学校、通称マンモス校に分類される学校だった。

流石に沢山の小学校の卒業生たちから成るだけあり、小学校時代に触れてこなかった様々な文化が一気に雪崩れ込んできた、その時代が中学1年の時なのである。


昔からよく遊んでいた同じ小学校の先輩たちは、別の地域の文化に触れ、グレてヤンキーとなっていたり、イケていたのに不登校になってしまったり、そんなことが頻繁に起きているのか中学時代。

目まぐるしくシーンが変わる中で必要だったメンタルとコミュニケーション能力は、当時養うことができたし、今でも仲良くしている一生涯の友と呼べるやつらと出会うことができた、結果的に自分の人生の中でも最高の時間を過ごしたことは疑いの余地はない。


そしてこう言ったナイーブな時代で最も重要な期間が

"滑り出し"

の期間である。


序盤でいかに自分の地位を上げられるか、そしてそこをキープできるかというのが重要だ。そう考えていた。

中学時代は、勉強しないで悪目立ちするやつこそがカーストのトップに君臨することになる。

薄々それに気づいてはいたが、私は入学早々に逃れることができないミスをしていたのだ。

それは、


入学生代表の言葉を全校生徒の前で務めた



と言うことだ。

明らかに優等生のレッテルが貼られる役職を請け負っていたのである。
通常であれば誉れ高い素晴らしい任務だ。
今となっては誇らしいことだが、当時は違う。

後々友人から聞いたがやはり、

『あいつは相当な優等生だから、関わることはないだろう』

こんなふうに思われていた。


逃れる術があったなら逃げたいところだったが、実は昔、普通に勉強ができていたので、小学校卒業前に中学から直々に声がかかり、請け負う羽目になってしまったのである。

入学式の後も担任に促されてクラスから拍手されたり、嫌な目立ち方をしてしまったところから、私の中学生活がスタートしたのだ。


ここからが本題だ。


さあ、このマイナススタートをいかにして挽回するか。そればかりを考えていた1週間目。



1.成長が早く、ガタイが良かったり身長が高くて目立っているやつがいる。

2.兄や姉という先駆者を盾に目立つ奴がいる。

3.マスコット的なキャラで既に愛されて目立っているやつがいる。

4.初っ端から三枚目キャラでいじられたりギャグをかましてる奴がいる。


このような群雄割拠の中で、優等生のレッテルを剥がし散らし割って入る武器はないか。
そんな時、力になってくれた、支えてくれたのが他でもない。

そう。







"下ネタ"



である。


小学校時代から、地域の塾に私は通っており、
そこでも他の学校からさまざまな文化を仕入れていた。そこで最も触れたものが下ネタであり、それまでの私の"核"を大きく作り変えた。


その文化を提げ、荒波に船を出したのである。

しかし、ただ下ネタを言ってクスクスニヤニヤとしているだけでは普通に気持ち悪い奴なので、どうにかできないかと考え、行き着いた結果が、






"エロ単語帳"を作る。


ことである。


これでも充分きもいし、むしろダメな方向に行ってる気もするが、当時席の近かったやつがスケベ少年だったために、謎に背中を押されて製作活動に勤しんだ。


それまでの12年間の人生で知り得た下ネタの数々をとにかくその紙に列挙し、
単語の意味を書き綴った。
(今回はわかりやすく単語帳と呼称するが、界隈では【エロ単語辞書】【エロ単語辞典】と呼ばれることもあるので頭に入れておいてほしい。)

すると話を聞きつけたクラス内の友人達が集まり始め、次第に他クラスにまでその噂が流れるようになった。


『○組にエロ単語帳を作っている奴がいるらしい』


騒ぎを聞きつけた目立っている奴らが集まり、自然と優等生のレッテルは剥がれていき、私も色んな意味で目立ち始めたのだ。とにかく作戦が成功した。

騒ぎを聞きつけてやってきた奴らの中には、今でも仲良くしている友人もいる。

この単語帳が引き合わせてくれた関係がいくつもあるんだ。下ネタのエネルギーと当時の自分の行動力には頭が上がらないな。




と、ここまではピンクな淡い青春の思い出なのだが、

事件は突如訪れる。



このエロ単語帳が生きる伝説となり、学年の隔たりも超え、野球部の先輩達にも認知され、国宝ならぬ校宝、それも"裏"校宝になったあたりだ。


完全に有頂天だったのだろう。

この単語帳を処分できずにいつまでも持っていた。

詳細は覚えてないのだが、おそらく定期テストの折に、学校に置き勉してた教科書やノートの類を一気に持ち帰る時があった。

その時にエロ単語帳も何かに挟まれて紛れ込んでしまったのだろう。


察しのよろしい方なら薄々気づいているだろうが、、、

あぁ、思い出す度にいまでも冷や汗がでる。


ある夜何故か、何故だかわからないが、






リビングにエロ単語帳が落ちていた


のである。


しかもそれを拾った当時小学校4年生だった妹が、
何を思ったかリビングで





エロ単語帳を音読し始めた




意識が朦朧とした。

訳がわからなかった。

何故エロ単語帳が我が家のリビングに落ちている?

そしてなぜ読み上げた?


追い討ちをかけるように母が

『わ、なんだろうね〜それ。』


と、妹にのみ話しかけ始めた。

完全に全てを瞬時にに把握したトーンだった、



地獄だ。まさに地獄そのものだった。

妹が読み上げたえげつない下ネタの数々がリビングにこだました。


唯一の救いは親父が仕事でまだ帰宅していなかったことだ。


学校で新しい友と休み時間にケタケタと笑い合って作成した、あんなに楽しいはずの書物が、時と場所を変えただけ、悪魔の文書として姿をかえた瞬間に嗚咽と冷や汗が止まらず咄嗟に友を売った。


『ん?あぁそれ?T斗が作った奴じゃない?貸して。』


母も妹も知る古くからの友人をいとも簡単に売り、金輪際見せることのないポーカーフェイスで単語帳を取り上げた。

昔住んでた家の隣の隣に住んでいたT斗よ、今でも元気にしているだろうか、毎朝のようにベイブレードとクラッシュギアで遊んでいたT斗よ、あの時うちの家族に対して盾にしてごめん。


本当に情けないがなんとかその場を凌ぐことができた、、(できてはないができたことにする)


ほとぼりがさめるまで時間を要した。


次の日単語帳が親にバレたということに界隈で激震が走った。


あの単語帳をどうやって処分したかは覚えてない。生みの親としてあのエロ単語帳を否定したくない。先にも述べたようにこの単語帳が引き合わせてくれた縁もあるから。




作り上げたことに悔いはない。


ただ、味をしめず、

単語帳のおかげで最高の友を得たときに、もう下ネタに頼らなくても良かったあの時に、


心にしまってさっさと処分、

してしまいたいのだ。



まあ、



あの時に戻れたら。




の話だけどね。



それではまた次回、早めにやります。




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