とあるプリキュア論について、私のスタンスと反論 続その1

長年のプリキュアファン、KLPです。

現在放送中の「わんだふるぷりきゅあ!」、みなさんは楽しんでいますか?私は毎週、次の日曜日が待ち遠しくなるほど楽しんで見ています。

さて今回は残念ながら、また男の子プリキュア批判派の一部への反論記事となってしまいましたが、大前提として、批判派の発言がこのところ以前より盛り上がってはいないらしいことを先にお伝えしておきます。
わんぷりメンバーに男の子プリキュアがいないからでしょう。

あくまでもごく限られたポイントが気になっただけで、現状は基本的に穏やかです。

※プリキュアについての普通のレビューはこちら


「ぼくプリ」第2弾決定!

《2024年4月27日 加筆》

男子高校生のプリキュアが活躍する舞台『Dancing☆Starプリキュア』The Stage、通称「ぼくプリ」。
先日、第2弾の制作が発表されました。

私はこの決定を喜びつつ、ある程度は予想通りであり、妥当な展開だとも思っています。

第1弾の制作発表時点では、批判的な向きも大きく、どうなるか予想ができない面もありました。
しかし、いざ始まってみると評価はかなり高く、従来のプリキュアファンに「ちゃんとプリキュアだった」と言わせるほどのクオリティーで、チケットもグッズも売れ行きが良いようでした。

ストーリーが終盤に謎を残す構成になっていたこともあり、続編を望む声は多数上がっていました。
もし第1弾が成功だったのなら、続編を作らない手はありません。

裏を返せば、第2弾を作ろうとしていることこそ、ぼくプリが成功した何よりの証拠です。

既に初めてのことではないので、第2弾への反発は、やはり大きくありません。
批判派も、それほど反応はしていないようです。何か発言していたとしても、第1弾の成功が分かった以上、気にするほどのものではないでしょう。

ただ一つ、実は前から気になっている陰謀論があります。

批判派の間でしばしば、妄想陰謀論じみた発言が飛び交っているのは以前書いた通りですが、その中の一つに、
「ひろプリのキュアウィング/夕凪ツバサはぼくプリの踏み台」
などという説があるのです。

いわく、全員男子高校生で舞台化という挑戦をするためには、先にアニメ本編で「男の子プリキュア登場」の既成事実を作らなければならなかった。公式サイドが力を入れていたのは舞台の方で、キュアウィングは本来ひろプリに必要なキャラクターではなく、舞台のために登場させられたに過ぎない。という筋書きです。
根拠は、「キュアウィングのキャラクターの造りが雑だから」だそうです。

あまりにも荒唐無稽なので、いくら批判派の間でもすぐに消えるかと思っていたのですが、今年に入っても何回か見かけたので驚きました。

一応、論理立てて反論してみます。

公式の枠内で起きたという意味では、ウィングとぼくプリは全くの無関係ではないでしょう。どちらも20周年の節目で登場しましたし、プリキュア生みの親である鷲尾天さんが提案したことも共通です。

ただ、キュアウィングが男の子であると発表されたのはひろプリ放送開始直前ですが、実際に変身したのは4月の初めでした。
変身前はプニバードの姿で時々映るだけで、キャラクターの掘り下げをほとんどしていません。

一方、ぼくプリの第一報が出たのは同じ4月の終わりです。

つまりこの時点で、ウィングという男の子プリキュアは出てきたばかりなのです。
ファンはウィングの登場を理由にぼくプリにも納得するだろう、と公式サイドが考えるには、あまりにも時期が早すぎるのではないでしょうか。
事実、「展開が急すぎて気持ちが追い着かない」という感想は多くみられました。

そもそもぼくプリの企画自体、「男の子プリキュア」というだけでは、とてもウィングと一緒には括れません。

アニメではウィングの前にも、一時的に変身したはぐプリのキュアアンフィニ/若宮アンリや、プリキュアに近い存在の男の子たちがいたので、少なくとも布石はある状態でした。また、ウィングはチーム内唯一の男の子であり、あくまでもチームの多数派は女の子です。
対してぼくプリは、初めて舞台という形を取り、更に初めて男の子だけのチームにした上、明らかに大人のファンをターゲットにした企画です。
批判派にとってはどちらも憎むべき男の子プリキュアでしかないのかもしれませんが、むしろ、「男の子」以外はまるで違うもの、と言った方が正しいくらいです。

アニメか舞台か、男女混合か男の子だけか、子ども向けか大人向けか。ファンにとってのその違いの大きさは、ぼくプリの発表当初の反響が、ウィングよりも目に見えて批判が多かったことに表れています。「ウィングはいいけどぼくプリはダメ」と言う人もかなり見かけました。
それを公式サイドが事前に予想できなかったはずがないのではないでしょうか。

実際に制作する上でも、ここまで性質の違う企画は、一つの流れで結ぶより各々で進めた方が楽な気もします。
ぼくプリはウィングを当てにするつもりはほぼなく、批判も覚悟した上で、それでもなお成功させる自信があった、と考えるのが一番しっくりきます。
できあがったもののクオリティーを見れば、その自信にも頷けます。

あるいは、ファンの心境より踏み台にすること自体を優先したとか、公式サイドが浮ついていて予想がかなり甘かったとか、そう考えることもできるかもしれません。
ただしそのお粗末さは、新たな挑戦のためにメインのアニメさえ踏み台にするしたたかさとは随分かけ離れており、態度としてちぐはぐではないでしょうか。
公式サイドはプロであり、プリキュアは20年も続いています。私のような素人が予想することは、当然予想できるだろうと私は考えます。
「私が納得できないことを企画するのは、公式サイドが浮ついているから」と考えるのは安易すぎます。

何より、批判派が根拠としている「ウィングの造りが雑」が主観に過ぎません。
批判派は、ウィングは特定のオタクに媚びるのを優先したキャラで、そのせいでストーリーにまで影響を及ぼしていると主張してきましたが、それが批判のための批判にしか見えないことは以前も書きました。

プリキュアという枠で様々な企画に挑戦できるのは、挑戦に耐えうる強さがあるからであり、様々な挑戦があれば、各自に合わないものがあっても仕方ありません。
合わなければ合わないで、距離を置けばいいのです。
「私に合わないものがあるのはおかしい」と、自分の都合に常に公式サイドが合わせてくれる前提でいつまでも執着すると、陰謀論の素になります。
批判派は、こういう余計な勘繰りはするのに、公式サイドからはっきりと言ったことに限って信じずに否定したりするので、やはり結論が先にあるのだなあと思います。

ちなみに私は、「ウィングが踏み台なのは公式情報である」と断定的に発言している人も見たことがあります。
もしもこれが妄想でも曲解でも歴史の修正でもなく、根拠があってのことだというなら、是非説明が聞きたいです。

兎山悟の高評価について

話題は変わって、「わんぷり」のキャラクター、兎山悟についてです。

悟は放送開始前から追加戦士ではないかと噂される男の子です。メインビジュアルの時点で、プリキュアになるであろう女の子たちと共に描かれ、プリキュアの味方になるらしいとも事前に公表されていたからです。

また、飼っている兎の大福と、2人で加入するのではないか、という予想もあります。

大福の性別は第12話現在、ストーリー中で言及されたことはありませんが、一部メディアでオスであると情報が出ています。
2年連続で男の子プリキュアが登場するのか、今度は追加戦士という形なのか、2人も男の子が入ってくるのか。きっとそうだと言う人も、それは考えにくいと言う人も、どちらもそれなりに根拠がありますが、とにかく現時点ではどちらもプリキュアではなく、公式サイドから追加戦士についての確定情報はありません。

さて、悟そのものは、とても好意的に評価されています。頭がよく、気遣いのできる優しい性格で、プリキュアへのサポートぶりは実に見事。キュアフレンディ/犬飼いろはへの恋心も、自然と応援したくなります。

批判派も、大抵は悟をほめています。ハピプリの相楽誠司や、Goプリの七瀬ゆいなどを挙げながら、彼らに並ぶ理想的なサポートキャラとして受けとめているようです。

一方で、プリキュアではないが参戦していたデパプリのブラックペッパー/品田拓海や、正式にプリキュアであるキュアウィングは、貶す対象として引き合いに出されます。
現在、批判派が男の子プリキュアの話をするとしたら、多くは悟をほめるタイミングです。

プリキュアに出てくる男の子は、サポートに徹すべき。戦闘力を発揮したり、ましてプリキュアになったりしてはいけない。だから悟はブラペやウィングと違って、男の子として申し分ない、というわけです。
もちろん追加戦士説には反発しており、「プリキュアにさえならなければ悟は完璧だ」といった発言をしています。評価しつつも、今後の展開に神経をとがらせている、といったところでしょうか。

しかし、以前も似たようなことを書いたのですが、男の子が戦闘に加わるのを気にするなら、その気にするポイントを見かけの腕力に限るのはいかがなものでしょうか。

悟の戦闘への貢献度はそれはそれは高いもので、実態はサポートどころか、作戦の中心人物となっています。動物の知識でガルガルへの対抗手段を思いついたり、技のタイミングを合図したり、もはやいなくてはならない存在です。プリキュアたちは、何度も危ないところを助けられていますよね。
しかもそれらは、普段から情報収集やメンバーのケアまでこなした上でのことです。

これは、誠司やゆいがカバーしていた範囲をとっくに超えています。
もしかすると、過去のサポートキャラと比べても一、二を争う仕事量かもしれません。

また、ブラペは普段の生活では直接的な協力をしにくい立場であり、変身したのは第13話、戦うにしても基本的に中心にはおらず、まれに参戦しない回もありました。
第3話から第12話現在、戦闘中かそうでないかを問わなければずっと協力し続けている悟は、現時点のペースではある意味、ブラペより貢献度が高いという言い方もできます。

これほどの活躍ぶりを、使っているのが腕力ではなく頭脳だからといって「戦闘に加わっていない」と見なすとなると、悟をちゃんと評価しているのか、むしろ過小評価しているのか、分からなくなってしまいます。

そして、特に「女性の権利」「女の子の自立」という点を重視して男の子プリキュアに反対するのなら、頭脳を使うことや、リーダーシップを取ることにおいても女性が長らく軽視されてきたことについてはどう考えるのでしょうか。

過去のプリキュアには、知性が光る女の子やリーダーシップのある女の子は何人もいるわけです。
ブラペやウィングに対してあれほど敏感に「女の子から強さを奪っている」と感じる人たちなら、悟の活躍を「女の子から知性やリーダーシップを奪っている」と批判してもおかしくないような気がします。
しかし実際は、「完璧だ」と大絶賛しているのです。

批判派は男の子について実のところ、女の子の活躍を妨げていないかよりも、頻繁に戦闘力を発揮するか、「キュア○○」と名乗っているかの方ばかり重視しているのではないでしょうか。
戦闘における貢献度がどんなに高くても手足さえ出ていなければOKで、貢献度が低くても何度も手足を出すか「キュア○○」と名乗ったらNG。そういう表面的な評価をしているに過ぎないのではないでしょうか。

こうした評価の仕方は以前から見られました。
例えば、はぐプリで一時的に変身したキュアアンフィニは、直接戦うというよりも、希望に満ちた姿を見せることで場の雰囲気を有利にした様子でしたが、それでも批判派からの評判は良くありません。
対して、一時的にプリキュアと同じ力を持って明確に戦ったものの、プリキュアを名乗らなかったプリアラのピカリオは、アンフィニほどの批判を受けていないようです。
一瞬だけ戦うより、一瞬だけプリキュアを名乗る方が罪が重いというわけです。

個人の好みとしては、どんな基準で評価しようと自由です。
ただし、ブラペやウィングへの批判ありきで悟を都合よく持ち上げているのなら、兎山悟というキャラクターをあまりにもバカにした態度だと思います。一見ほめるようでいて、ただ利用しているだけです。
それを「女の子のため」「プリキュアのため」と装うところが、なおたちが悪いです。

よく「悟は今のままで優秀だから、プリキュアにならなくてもよい」という意見を聞きます。擁護派でも言う人はいますが、批判派はそれを悟のプリキュア化反対の理由に挙げているようです。
では、悟がここまで優秀ではなく、サポートの上でもしばしばドジを踏むようなキャラだったら、プリキュアになることを認めるのでしょうか。
きっとそんなことはないのでしょう。反対するのは「男の子」だからであって、優秀かどうかは関係ないのです。
批判派が本当に評価しているのは、悟の優秀さではなく、「プリキュアではないこと」でしかありません。

ごく一部には逆に、悟は追加戦士になると決めつけて、既に低評価している批判派もいますが、今の時点で「プリキュアではないから完璧だ」と高評価することも、根っこは同じでしょう。どっちにしろ、悟そのものを評価する気はないのです。

おわりに

はじめにも書きましたが、今は目に余る発言にもひろプリ放送中ほどの勢いはありません。

もしわんぷりの追加戦士が男の子だったら、また批判的意見も盛り上がるかもしれませんが、以前に書いたとおり、同じことの繰り返しでしかない記事を投稿することはないと思います。

とにかく、わんぷりを楽しみつつ、ぼくプリ第2弾の無事の開幕と成功を祈るばかりです。

兎山悟の追加戦士説については、私も色々と考えてはいますが、何を言っても今は予想の段階でしかないので、語らないことにします。
悟のことは、もちろん良いキャラクターだと思っています。頭脳で戦闘に貢献していることは、女性蔑視を読み取るほどのものではないと見ていますし、このままプリキュアになったとして、女の子にとってマイナスな存在にはならないと思います。
プリキュアになってもならなくても、悟の素晴らしさは変わりません。


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