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「why」から話す

takaです。お盆休みでしばらくゆっくりしていました。

さて、よく”結論ファースト”とか”結論から言え”と言いますが、それは上司に対してのレポートやコンサルのプレゼンのときの話で、部下や周囲の人たちを動かすには結論からではなく、信念や想いから言うことが重要になります。

以下は、TEDでのSimon Sinecの有名なスピーチの一節です。人々を感動させたり動かしたりする人たちの特徴は、雄弁やプレゼン技術ではなく、すべて「WHY」(なぜこうするのか?)から話をするという特徴があったということですが、ここではMac製品発表会でのSteve Jobsのプレゼンが紹介されていました。

①最初に、自分たちの変わらない信念を言う(核心)
 ・世界を変える
 ・違う考え方を尊ぶ
②次に、それをどうやって実現しているのかを言う
 ・デザイン
 ・使いやすさ
③ようやく、最後に製品を紹介する(結論)

ここで疑問になるのは、なぜWHYから言うと、人々は動くのかということ。

これは「意味付け」になるからです。

ではなぜ意味がわかると人々は動くのでしょうか?

1、 人は共感できる「見えないもの」を信じる

「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)によると、ホモサピエンスがほかの種に対して圧倒的に優位に立てたのは、次のような能力によるといいいます。

まったく存在しないものについての情報を伝達する能力

(その存在しないものを認知して、それを中心に)大勢で柔軟に協力するという空前絶後の能力

出所:サピエンス全史P40


人々を動かすためには、そこに存在しないもの、しかし信じるに値するものをつくりあげ、それを中心に団結するという本能を呼び起こすことが重要だということになります。

たとえば新評価制度を導入するときに、社員に対して、

①新評価制度を導入します

②能力評価から行動評価にシフトさせます

③経営としては皆さんの頑張りを期待します

こんな組み立てでは誰も動きそうもありません。労働組合の理解も得られそうにありません。

こうだとどうでしょう?

①私たちは、いつも、組織に貢献し努力する人たちに対して正しく報いる、そんな会社にしていきたいと考えています(核心)

②そのためには年功序列ではなく個人の成長と組織の成長がリンクした新しい評価の仕組みに変えていくことが大事です

③そこで来年から新評価制度を導入していきたいと考えています(結論)

少しはマシな感じではないでしょうか?

2、一貫性があることに安心や安全を覚える

想いや信念は見えないだけに一貫性が重要です。そして何度も繰り返し同じことを言えるのも想いや信念。

前述のゴールデンサークルはとてもよい概念図で、中心の「why」は普遍で、そこから広がる「how」→「what」はそのときそのときで変わっていく構造。

whyがブレないことが、人が安心してついてくる源泉なのだと思います。

いま考えてみると、いままでお付き合いしてきた凄いオーナー創業者たちは、みな夢や信念から語っていました。そしてブレない。

これは経営者の話だけではなく、あらゆるマネジメント層においても、ブレない想いや信念から仕事を語っていかないと部下は自律して動いてくれないと考えます。