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人事の仕事雑感

前回の記事から半年も間があいてしまいました。
人事としては春先に向けて忙しいときです。人事異動、待遇改善、予算策定などなど、毎日資料作りに追われています。
そんななかでも自分を見失わないために、週末は鎌倉に足を運び、静かな時間を過ごすようにしています。

私もいつのまにか62歳となり現役でいる時間も先が見えてきたように思いつつ、「まだ何も成し遂げてないじゃないか」という焦りにも似た感情に日々突き動かされています。

私が人事の仕事を本格的に始めたのは5年前。それまではオーナーのもとで雇われ社長を8年(そのまえは経営コンサル)やっていました。オーナーとの折り合いがつかないのはよくある話ですが、お互いに潮時だと思い、56歳で職を辞して未経験の物流業界に転身。そこでさらに未経験の人事部門トップに任命されたのが始まり(さらに61歳でいまの物流会社に転職)。

経営者として人事を俯瞰してみていた経験はあっても、人事担当役員として仕事をするのは初めて。50代後半でそんなチャレンジありか?と思いつつ、やってみると日々学びがあって楽しい。

タイミングがよかったと思います。同じ管理でも総務や経理は普遍的なものがあるので経験がある程度モノを言います。

しかし、人事の世界はまさに激動の時期。”人事経験30年”の方には逆立ちしても勝てないけれど、働き方改革や新しい理論に沿った人事トレンドが主流となるとこちらはいっせいにヨーイドン。むしろ固定概念がない「からっぽの頭」に詰め込みやすいし、何も経験がないから自己否定の痛みも感じないのでやりやすい。

やってきたことのキーワードとして、パーパス、エンゲージメント、ジョブ型、企業内大学、ジョブクラフティング、1on1(コーチング)、オンライン教育などなど。

これらを学ぶにあたっては数冊の書籍、無料のオンラインセミナー、YouTubeだけで済むのも時代の変化を感じます。よくいわれる「限界費用ゼロ社会」ですので、これらの知識自体はほぼコストゼロで習得できます。

そうなると、いまどきの人事マンの価値はこれらをどう実務につなげて成果を出すかになりますよね。

職場といういわば閉鎖空間では人の感情や思惑が渦巻いていて、理論とかロジックはあまり通用しません。社会学や心理学の世界です。実務的にはウンウンと唸り、血を流して傷つきながら、もう頭から突っ込みながらやるしかないのですが、それを可視化して共通言語に落とし、反復性のある資産にしていくことが今後の自分の課題だと思っています。