見出し画像

現場に出る意味

現場はお客さまとの最前線。
管理部門の管理職になると足元のマネジメントが忙しくなり、なかなかその現場へ足を運べないというのが実情です。
いや、そもそも現場に出る意味があるのかという逡巡もあります。

私は人事担当役員として2社経験していますが、ザックリいうと、
A社:役員は城(自部門)にいて城を守る
B社:役員は城下に出て対話
という違いを経験しています。

どちらがいいということではなく、経営の考え方の違いです。そのときの置かれている経営環境の違いもあるかとは思います。

では、経営層という立場にある人たちにとって、現場にはどのようなスタンスをとるべきかを考えてみました。

有名な経営者の例を挙げても、一見、現場へのスタンスが異なるように見えます。
・マクドナルド元CEO原田泳幸氏・・・現場へ行く→経営の結果がどう出ているか、経営の課題は何か、を把握するために店舗を回る
・セブンイレブン元会長鈴木敏文氏・・・現場ではなくデータ重視→現場へ行き過ぎると現象に引っ張られてすぎて本質を見失う
                  (いずれも講演や書籍からの印象)

どちらもなるほどと思いましたが、さらに合点がいったのは、FR柳井正氏:
「現場(店舗)を見て歩くのは、戦略や方針がキチンと具現化されているかどうかを、経営者自ら確認するため」
「途中のプロセスに口を出すのは経営者の仕事ではない」
                    (ある経済ニュースでの発言)

私はともすると、逆のことをやっていたかもしれません。
・戦略を部屋のなかだけで考える(データや現場レポートを鵜呑み)
・部下がやるべき業務プロセスにあれこれ口を出す(自分がいままでやってきたから、いろいろなことが目についてしまう)
・現場にいかなくなる(自分の仕事じゃないと思い込む)

やはり現場へ行かないと、自分のやっている仕事の結果が出ているかどうかが確認できないし、自分が取り組むべき本質課題も把握できないので、役員であっても、デスクでしか仕事をしないというのは無理があると個人的には思う次第です。