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定年制を考える

ある会議で「定年延長」がアジェンダに上がりました。
議論のなかで比較的若い役員が「私は定年延長には反対です。次の世代の成長を阻害する要因になります」「そういった意味で役職定年も非常に重要です」と発言されました。

世の中の動きはどうかというと、こんな記事が出ていました。

大和ハウス、ダイキン…「50代の壁」役職定年なくす企業相次ぐ(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

パーソル総合研究所による役職定年に関する大手企業の調査結果では、
導入:46%
制度を廃止:16%
廃止予定:13%
制度なし:28%
となっており、n=34なので若干サンプルが少ないですが、それでもかなりの大企業が役職定年に懐疑的になってきたということも言えそうです。

そもそも定年とは何のためにあるのかというと、労働者側よりも企業論理(人件費抑制とポスト不足への対応)に基づくものと考えられます。

しかしその論理も、生産年齢人口が予測よりも急速に進行しているいまの時代を考えると、はたして正しいのかどうかと思います。

年齢だけを「定規」にして、一律に給与を3~4割カットし(それでいて責任は変わらない)、モチベーションを下げてしまう。一方、まだ育っていない次世代を援護射撃なく表舞台に立たせて心を折ってしまう。そんなことになっていないでしょうか。

年齢ではなく、持っている価値を基準にして、あらゆる世代が協力しあう組織であることがこれから求められる姿だと考えています。