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ああ、宝塚

宝塚にはじめていったのは、今から7年前、2015年の春、GW。
ひとり旅のおまけのつもりで行く予定だったものだ。

神戸旅行の経緯

10年ほど前から一人旅をするようになっていた私は、その年のGWも一人で旅行に行こうと画策をしていた。

それまで2年連続でいっていたのは横浜。
はじめての一人旅の行き先に横浜を選んだのは、ひとえに推し作品の舞台が横浜だったからに他ならない。

もともと、ひとり旅の条件としてあったのが、運転免許を持っているがペーパーなので、徒歩や公共交通機関で動き回れるまちであること、乗り継ぎをしないで飛行機でいける空港、またその近くの町であることだった。
それを叶える街の一つが横浜だった。
また、私は自分の街に絶対にないものをどうしてもカメラに収めたいという気持ちが強く、横浜は洋館、中華街があるどころか、足を延ばせば鎌倉がすぐそこにあるのが本当に魅力的だった。(鎌倉も、推し作品の舞台である。)

3回目のひとり旅の行き先を神戸に選んだのは、同じ理由だった。
古く、洋館があり、同じく神戸も私の推し作品の舞台の一つ。
また、せっかく中華街に行ったのだから、日本3大中華を制覇したい!という気持ちも湧き上がってきていた。

「だから、今年は神戸に行こうと思ってて」
という、私に「もし迷惑じゃなければ、私もいきたいんだけど」と連絡をよこしたのは、20年以上の付き合いがある友人。
ひとり旅の予定は確かだったが、とはいえこの友人が一緒なら楽しさは何倍にもなることは明確だった。
二つ返事でOKを出し、そのままチケットとホテルをすぐさま抑えたことを覚えている。

宝塚にいこう

とはいえ、二人になったら発生するのが「どちらも楽しめる場所にいこう」ということだった。

私の行きたい場所は聖地巡礼で、推し作品の背景になっているような、普通の町並みをカメラに収めたかっただけだ。
同じ作品を履修していない友人が楽しめるか?と聞かれれば、Noだろう。

ついてくることになった友人は「私が汐の旅行にくっついていくだけだから、気にしなくていいよ」とは言われたものの、そうはいかない。

その中で浮かんできた選択肢が

「宝塚、興味ある?」

ということだった。
私はもちろん宝塚に興味があった。
大学の授業で宝塚を見たのが、恐らくはじめてきちんと宝塚を見た経験だとおもう。それまではテレビでそれらしいカットを見るばかりだった。

見たのは現在女優をされている真矢みきさんの「ベルサイユの薔薇」。
勿論授業の一部だから、こちらも最初から最後まで鑑賞したわけではなく、ベルサイユの薔薇の佳境のワンシーン。

あまりのすごみに心惹かれ、いつか生で見てみたいと常々思っていたのだが、私は北海道に住んでいる。
北海道で宝塚を見る機会は、1年に1度の全国ツアーで札幌に来るときに見るしかない。しかもそれは北海道の全宝塚ファン待望の1日のため、先行発売で売り切れてしまい、新参者が入る敷居はかなり高く、見に行く機会は全くなかった。

前述した通り横浜には行っていたのだから、足を延ばせば東京バウホールに見に行くということもできたのだろうが、横浜旅行の際に宝塚を見に行くという選択肢はほぼなかった。
友人といえばもうまさしくノリノリだった。ものすごいフッ軽。助かる。

いざ宝塚

見に行ってきたのは月組公演「1789 バスティーユの恋人たち」だ。

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個人的に宝塚といえば、パリ!というイメージがあったので、この公演を見れるのは本当に楽しみにしていたのだが、本当に、一番最初の宝塚観劇がこの公演でよかったと今でも思う。

チケットを買う段階ではすでに二人並んで座れる席が2階席しかなかったため、遠かったのが残念ではあったが、2階席でも胸がいっぱいになるくらいの夢を見ることができた。
むしろ、これがSS席やA席など、舞台に近い席だったら胸が破裂していたかもしれない。

それほど衝撃的だった。
美しい世界。きらびやかで、素晴らしい演技、声、ダンス。
ああ、これは世の中の女性がハマるのもうなずける。と思わざるを得なかった。
宝塚を気軽に身に行けるような場所に住んでいたら、破産していただろう。

北海道は私鉄が本州のようにはないため、近いところに駅がいっぱいあるということが頭になく、三宮から宝塚に移動する際に阪神本線と阪急神戸線を間違えるという大失態を犯したのだが、それも吹っ飛ぶほどだった。
(が、道中泣きそうになりながら「遅れたらごめんね…」と言い続け、見かねた友達に午後の紅茶ミルクティーをおごられたことは一生忘れないと思う)

それから

北海道に宝塚が公演をしにくるとき、チケットが買えるなら買うようにしている。とはいえ、やはり公園の回数自体が少ないため、取れるのは稀だ。見逃すこともある。

ただ、やはり広くないホールで見るものと、宝塚のあの専用の大きなホールで見るものは違いがありすぎる。

いつかまた、コロナが収まったら、またあの宝塚大劇場で観劇をしたい。

その時はもう、阪神本線と阪急神戸線を間違えないことを祈るばかりだ。

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