昔のブログ ~2005.08.09~

あるアホな男の話 


世の中には「こいつはアホか・・」と思わず呟いてしまう男がいる。
ここ台湾でもそんな男は存在するのだ。

子供の教育関係にお勤めのAさん。
台湾では教育関係の仕事には女性が多い傾向にあるようで、
Aさんの周りも女ばかりの環境であった。
ちなみにAさんは妻子持ちの30過ぎで、容姿はそこそこである。

Aさんが配属されていたスクールはとても規模が小さく、
責任者のAさんに、受付の小姐と先生の小姐の3人。
だが先生の小姐は他のスクールにも教えに行くので
大抵はAさんと受付の小姐のふたりきりだった。

さて、このような環境の中で
世界各国共通に起こりうるであろうことがやはり起きた。

ある日、受付の小姐がAさんにラブラブ光線を発し始めたのだった。
当時2人目を妊娠中であったAさんの奥様は
妊娠と子育てのため、Aさんの存在は影が薄くなり
Aさんはあまり相手にしてもらえないという寂しさがあったのだろう。
あっさりとそのラブラブ光線にやられてしまったのだ。

が、じきにそれが奥様に知れ、奥様が産後の体を押して
職場に乗り込み、小姐と対決!
そして結局は小姐とさようなら。
元のさやに戻り、一件落着。

で、終わるのなら大した珍しい話ではない。
ここからがアホな男の話、本編である。

奥様が職場に乗り込んだことで小姐は退職に追い込まれ、
Aさんも別のスクールに飛ばされ、
平和な日々が戻ってきたかのようだった。
が、ある日Aさん宅に銀行から『借入金返済計画書』なるものが届いた。
自宅に届いたのだから、もちろん奥様がそれを受け取った。
そしてその晩、帰宅したAさんを問い詰めるとこんなことを言った。

付き合っていたとき、例の小姐が元カレにクレジットカードを悪用され、
その返済に大変に困っていた。
毎日食べるものも食べずにお金を節約しいている姿を見て
かわいそうになり、自分名義で銀行からお金を借りて
とりあえずその借金を返すようにしてあげた。
なにしろクレジットカードの利息はかなり高いから、
カード会社の方を先に精算してから銀行に返済する方が
同じ借金を返すにしても、楽だろうから。とのことだった。


奥様 『あんたは騙されてるわよ!』
Aさん 『絶対にそんなことはない』
奥様 『どう考えてもおかしいでしょ。』
Aさん 『彼女は人をだますような子ではない!』
   『僕が絶対に保証するから、心配するな。』

Aさんはとても強い口調で、そして自信たっぷりに断言した。


数ヵ月後。
Aさんが顔面蒼白になって帰宅した。
奥様が「どうしたの?」と尋ねると、黙って封筒を差し出した。
職場に郵送されてきたというその封筒。
中には銀行の通帳と1通の手紙。

『ごめんなさい。
私、もうお金を返せません。
だからこれ、お返しします。』

そしてその通帳の記録を見てみると、
お金が入金された翌日から限度額いっぱいに
引き出され続けた記録がそこに。
それでもとりあえず3年返済のうち3ヶ月ほどは
小姐も返済したようだった。
が、もう止めたくなったらしい。(笑)

Aさんは翌月から赤の他人の借金を
コツコツと返済するはめになったのだった。

あるアホな男の話、これで終わり。

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昔を思い出しつつ、今思うことをつぶやいています。


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