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保険金受取に潜む"落とし穴"

こんにちは、不動産マニアです。

今日は、保険金にまつわる
意外な“落とし穴”についてのお話です。

生命保険に入るときは、
①どんな保険に、
②どれくらいの保険金で/保険料で、
③誰を受取人にするか

あたりが、主な検討材料になります。

その中でも、今日は③について、
「受取人になった人が、保険金を全額貰えない場合がある」
という、
保険の前提が覆るかもしれないケースをご紹介します。


■特別受益ルールとは?

受取人で指定したのに、保険金を貰えないって、
保険会社の契約違反だと思いませんか?

でも、これは保険会社が悪いわけではありません。
“あるルール”が原因なんです。
それは
特別受益
というルールです。

これは、できるだけ端的にまとめると、
(亡くなった人が遺した財産のうち、
保険金がかなりの割合を占めていた場合)
『一部の人だけに多額の保険金がいくと、
相続人の間で不公平になるので、
受取人でない人とも分け合いなさい』

というものです。

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■具体例

具体例で考えてみましょう。
・家族は『母親』『兄』『妹』
 の3人家族(父は死去)
・母親の財産は現金200万のみ。
・母親が800万の死亡保険に加入(受取人:妹)

という状況だったとします。

このとき、母親が亡くなると、通常は
・現金200万を兄と妹が100万ずつ折半
・保険金800万を妹が受け取る
で相続終了します。
つまり、受け取れるお金は、
兄:現金100万
妹:現金100万+保険800万(計900万)

となります。

妹が母親の献身的な介護をしていたとか、
よほどの事情が無ければ、
100万しか受け取れない兄は、
ものすごく不公平に感じますよね。


ここで、兄が”特別受益”ルールを当てはめると、
「兄妹間の受け取った財産に差がありすぎるので、
 保険金も、現金と同じように公平に取り扱う」

ことになります。

そうすると、平等に財産を分け合うために、
妹は、全額受け取れるはずだった保険金の一部を、
兄に渡すことになってしまうのです。
(特別受益の「持ち戻し」と呼ばれています)

■ルール適用になる目安

「それじゃあ、受取人を決める意味ないじゃん!」
と感じてしまいますが、
もちろん、「保険金は、受取人が全額受領」
という前提は変わりません。
冒頭に書いた
『亡くなった人が遺した財産のうち、
保険金がかなりの割合を占めていて、』

という部分がポイントになります。

この
かなり
の明確な基準は定められていませんが、
実際に裁判になった事例では、
保険金が61.1%を超えていた争いで、
特別受益ルールを適用すべき
という判例が出ています。
(平成18年 名古屋高裁)

先程の例ですと、
(保険金を含めた)母親の財産は1,000万円で、
そのうち、保険金はそのうち80%を占めていました。
特別受益ルール適用になる可能性は高そうですね。


■対策

ですので、死亡保険金で
思わぬトラブルを防ぐためには、
①死亡保険金は、
 全財産の50%以内くらいなるよう調整しておく。
②保険金の割合が50%を超える場合は、
 “不公平な気持ち”がない相続ができるよう、
 相続人になる家族同士で、予め方針を話し合っておく。

といった事前対策が重要になります。

受取人の設定や
財産から見た保険金の割合を
深く考えることはほとんどないと思いますが、
これをきっかけに、
“受け取った後”を意識した
保険のチェックを是非オススメします。

今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました!

【補足】
私がYouTubeで配信中のチャンネルで、
チームメンバーが今日のテーマについて
動画でも紹介しています↓↓↓



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9歳から不動産業界に入ることを決めた不動産マニア|「負動産×相続」専門会社、㈱KLC代表|業界歴17年|マニアの目から見た不動産の面白さや奥深さを、リアルな事例などを交えて発信しています!|テーマ別にマガジンを作っていますので、是非ご覧ください!|★『KLC 負動産』で検索★