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尾を引いている反抗期

 母の言うことに言い返した。
厳しい母だった。
母は反抗期の娘の理屈だけが通っている言葉に言い負かされた。でも現実はそうじゃないと気持ちはブスブスいっている。

 負け惜しみのように母は言い放つのだ。
「あんたはお父ちゃんにそっくり」
目は 怒りで逆三角になっている。

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 この話をしたら、セラピストのAさんが言う。
「お母さんは孤独を感じていたんですね。
同じようにBさんも思いをお母さんに伝えて、受け入れてもらえなかった。お母さんの孤独を全身に浴びてBさんも孤独を味わったのでしょうね」

 あれ、私も同じように・・そうなのか。

 愛されてないとか、生きてていいのかとか、思っていたなあ。ずっと小さな頃から 自分を否定して生きて来たなあ。

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 結婚して子どもを持って、子どもが一人で大きくなるんじゃない。母親は経験なんてなくても、全力で育てているんだ。だから、私は愛されて育って大きくなったんじゃないの?もしかしたら愛されているんじゃないの?

 本当に心から思えているわけじゃない。頭で考えて、そう思ったんだ。

 そんな思いを放ったらかして何年もたった。

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 咳が出た。3年近く放ったらかした。ひどくなって自分でまずいと思った。

 コロナ初期 なぜか感染者数が減り、里帰りできた。母に会うなり
「お母さん、私のこと好き?」と聞いていた。
「あんたのことが大事やったんよ」
「あんたを子どもの見本にしようと思ったんよ」

 それで、あんなに厳しかったんだ。それでも一生懸命育ててくれていたんだ。子どもを育てる正解だと思ってたんだねえお母さん。
私は愛されてないと思っていたよ。

 何十年も前のことなのに、心に残っていたよ。そうか大事だったんや。
どこかで 大きくほっとしているよ。
良かったねえ。さみしがりやの私。
咳のおかげかも(笑)


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