シロアリ

 うわーギャーグエー リビングの左の網戸びっしりとシロアリが這っている。続々続々登っているのだ。手のひらくらいに20匹はいる。それが網戸一面にシロアリ大繁殖だ。
 昼間は見ないのに夜、梅雨の走りのこの時期だ。次から次へと出てくる。
 
 とにかく網戸をバンバン叩いてシロアリを落とす。ほとんど落としたその隙に 雨戸を閉める。リビングを閉めたら次は和室。やっぱりここにもいた。同じく網戸を叩いて雨戸を閉めた。
振り返ると部屋の中にも結構いる。ティッシュでつまんでとにかく潰す。一息ついて座っていると、部屋の中にもいる。あちらで動いてる、潰す。こちらでも動いてる。どんどん出てくる。次々に湧くようにに出てくるのだ。
こっちを見て一匹潰すと 後ろにまた一匹。きりがない。
 明かりに寄ってくるのかも。昼間は沢山のシロアリ見たことない。夜の明かりによってくるんだ。蛾に似ている。
 どうしょうもなくて電気を消して寝ることにした。見ないぞ作戦だ。時間は早いけど これ以上シロアリと戦い続ける気がない。気持ち悪い。
 電気は消したがやはり落ち着かない。寝ようとしても眠れない。
 夫の部屋はどうだろう。
「シロアリが出てねそっちはどう」と聞く。夫はのんきにスマホを見てる。
「あ、やっぱり同じ、ここにもいるわ」ティッシュで次々と潰していく。
「あ、あそこにもいる」ながめる。すると夫、
「とってーね」と言う。
「いや届かんし、天井近くよ。こっちにシロアリがおらんやったらここで寝ようと思ったけど。どこも一緒じゃわー。」
「シロアリ駆除してもらわんといけんね。母さん頼んだって」と夫は私に言いつける。まあ私だって頼むつもりではいたがやらされ感が湧いてきてちょっと嫌だ。さらに夫は言う。
「またお金がかかる」
なぜかお金がかかると言われるたびに、自分のお金だぞと言われている気がするのだ。お金出すんだから頼んどいてと言われてる感じがする。ちょっと凹む私。
 
 自室に戻り寝る。まだ早いけど寝ようとした。10分後、夫が大きな声で聞く。
「母さんシロアリどこにおったん」なぜ私がやっつけている時に見らんやったん。無視して視線も向けんやったよね。見ずになんで今聞くん。私はゲンナリする。
「私に聞くより、目を開けて電気つけてみたら。断然早いよ」と大きな声で返す。


 がっかりする。私が騒ぐとき抑えようとする。何かあって一緒に見に来てくれることはあまりなかった。どうしたのと聞いてくれることなど、ほとんどなかった。

 やばい、決めつけると現実が固まってしまうらしいが…だってなかったんだ。こんな時一緒に「あ、ほんとね。それは困ったね。とりあえずこうしようか」などと一緒に動いてくれる人だったら、どんなにいいだろうと思う。やらされるじゃなくて出来ることを互いに差し出したら楽しそうだ。
 自分が好きで一緒になったのだが、そんな風になりたいなと思う。

 そういえば、他にもあった。手を打たなくちゃいけないのに、私を抑えようとしたこと。また、書きます。

 嫌だったこと、我慢という自分の抑えつけ、手放して ゆったり堂々と生きたいの。


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