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これでよろしいですか?とすごまれた

 引っ越しの時、不用品の処分を頼んだ。16500円。決して安くないお値段。引っ越し屋はこれは業者に頼みますと言っていた。支払いも別だ。

 実際に請求されたのは 22500円。
あれ、どんだけ頼んでも大丈夫じゃなかったっけ。そう思ったけど、リサイクル業者はリストを手にしている。確かに私が頼んだ品々、引っ越し屋が書き込んでいた。そしてそのあと増やしたのは私だ。何人も来て不用品を運び出している。

 ここで話が違うと言えなかった。
もし、じゃあ持っていきませんと言われたら、一体どうするんだ。不用品が山のようにある。引っ越し先では届いた荷物が待っている。
私は納得していない。不服そうな顔で眺めていた。しかし、運び出すのを止めることはなかった。
 リサイクル業者は私が後からだしたものを 一つづつ加算している。16500円は22500円になった。加算の仕方は市の粗大ごみの料金に準じている。

 リサイクル業者はこれでよろしいですかと言った。言葉に押すような感じがあった。引っ越し業者に言うなよと言われた気がした。(妄想だけど)私は黙って支払った。

 後日、イベントのお手伝いで一緒になったSさんにリサイクル業者のことで嫌な思いをしたと話した。なんとその人、そうみたいねと言うのだ。どうも皆、同じようなことを体験してるらしい。

 さて、何日もたっているのになぜ「言えなかったこと、言いたいこと」でリサイクル業者の話を書いているのだろう。
Sさんの次に、私は「こんなことがあってね、いやな気持がした」とМさんに話した。Мさんは言ったのだ。「私なら絶対文句言うよ。おかしいでしょうって」Мさんはその場にいて手伝ってくれていたのに。私の顔を見て、口添えしてくれてもよかったのに・・

 周りの人は 私の鏡だ。私が言いたかったことを口に出してくれたんだ。
つまり、私が自分を責めていたんだ。どうして言えないの。 正しいのは私でしょう。確認の電話、クレームの電話をかけてもよかったんじゃないのって。

 そして 見過ごせない思い込みがある。
世界は怖い、世界は敵がたくさんいると思っているのだ。
けっこうあるなぁ、変化してきたと思うけれどでてくるなぁ。

 ここで 嘘つかれた。だまされたと決めてみよう。
文句言って、じゃあ自分でやりますと言ったらどうなる?
車を借りなきゃいけない。軽トラ2台分の量を超えていた。人手もいる。男性が3人来ていた。時間は短いけれど、雇うって出来る?知り合いがいる?
そこまで考えたら、安い。最初の16500円、市の引っ越しごみを考えると桁が違うのだけど。運び出すのが出来なかった。

 腹が立っていたのだけれど、ボルテージが下がってきた。多分私は最上の決断をしたのだ。納得できなかったことを、シュミレーションしてみよう。リフォーム業者に頼むことで、メリットがあることを数えてみよう。ふーようやく気持ちが納まった。世界はそんなに悪くない。

 今ならこうする。口ごもりながら小さな声で言うのだ。「えーいくら頼んでも一律のお値段じゃあなかったんですか?確かそう聞いたんですけど」って。口をとがらせて、少し横向いて言って見る。

 引っ越しに、いつも以上に頑張っていたのだ。必死だったのだ。私がやらなきゃ誰がやる状態だったのだ。手落ちがないように、ミスしないように。そして世界は怖い。を、引き寄せた。

 次は もごもご言おう。言えなかったこと、口に出そう。
きっと結果がどうであれ、引きずる時間は短いと思う。いいぞ、私。応援するぞ、私。

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