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2021年1月リリース!医療費控除データ化機能の開発裏側に迫る!

クラビス広報です!

今回は、会計事務所にとっての確定申告の繁忙期の悩みの1つ「医療費控除」のデータ化についてです。

医療費控除の「データ化」とは?

まず、医療費控除とは年間10万円以上の医療費がかかっていた場合、所得税が安くなる所得控除という制度の一つです。

税務の申告をするのとは別に、医療費の領収書を集めて記載内容の確認や、金額の計算が必要になります。

今回は、医療費控除のデータ化機能の開発に携わったクラビスのDockチームの前島さん・小川さんにお話を伺いました!

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<左:前島 圭輔さん>
2017年入社。技術開発部 プロダクトマネージャー。エンジニアリング全般を担当。

<右:小川 誠矢さん>
2020年入社。技術開発部 エンジニア。主にオペレーションシステムの開発を担当。

ーー早速ですが、つい先日リリースされた医療費控除のデータ化機能、反響はいかがですか?

前島:リリース翌日の朝、営業開始後1時間ぐらいで1,000枚以上のアップロードをいただきました。2週間ほど経過した現在では、数万枚ほどアップロードいただいてる状態です。リリースの発表段階からTwitterでは「この時期に対応してもらって救世主になる!」などといったありがたい言葉をいただきました。

STREAMEDが医療費控除のデータ化を対応した理由



ーー既に大きな反響をいただいたのですね!早速ですが、医療費控除のデータ化を対応することになったのはなぜですか?

前島:以前からお客様より「医療費控除をSTREAMEDで対応してほしい!」という要望をいただいていたんですが、開発リソースが足りなかったりでなかなか手が回らず、心苦しい状態が続いていました。しかし、昨年はありがたいことにエンジニアの仲間も増え、STREAMEDのフルリニューアルが完了したり、前回取材いただいたオペレーションシステムの方も効率化に成功したので、無事に今年の確定申告シーズンに対応することができました。

ーーなるほど、お客様の声から生まれたリリースなのですね。一連のプロセスをお伺いしてもいいですか。

前島:まず、医療費控除自体がどういうものかを会計事務所の方、税理士事務所の方にヒアリングしました。ヒアリング自体は11月くらいに行ったので、機能開発はおよそ3カ月で行いました。

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「会計事務所がなるべくやりたくない作業」を楽にする

ーー実際にお客様にヒアリングして、気付いたことはありますか?

前島:会計事務所・税理士事務所を数カ所回ったのですが、みなさん共通して「(医療費控除は)できる限りやりたくない作業」と口を揃えていたのがすごく印象的でした。

医療費控除って控除対象になるか、ならないかって結構複雑なんですよ。病院の領収書でも健康診断は対象外だとか、でも医師から指示された場合は対象になるとか・・。
ただでさえ複雑なのに、それに加えて大量の領収書の計算が必要でして、例えば、一枚あたり数百円くらいの病院の領収書を何百枚も計算した結果、10万円に届かないこともよくあるみたいです。せっかく頑張って計算したのに控除対象にならず、時間と労力だけがロスになってしまうみたいな・・・。

ーーかける時間に対して、得られるものが少ないということでしょうか。

前島:まさにそれです。だいたい控除された金額の更に数十パーセントが事務所の売上にしているようなのですが、1万円返って来たとしても売上は数千円とかですよね。そのために何百枚も計算しないといけないんですよ。事務所の新人さんが登竜門として医療費控除を担当することになったり、それだけのために臨時職員を雇い、残業して遅くまでひたすら入力してもらうという現実があるみたいで「これはSTREAMEDでどうにかしなきゃいけない」と早速チームに持ち帰りました。

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<お客様から求められることが何より嬉しい、頼れるマネージャーの前島さん>

ーー領収書のパターンには様々な種類があるのでしょうか?

小川:はい、病院によって全くフォーマットは決まっていないようで、かなり幅広くあります。既に従来のSTREAMEDに領収書のデータ化として医療費控除の領収書をアップロードしているお客様がいらっしゃったので、そういったデータから実際にどんな領収書があるのかのパターンを数千枚単位で確認し開発に役立てました。
圧倒的なデータ量っていうのがSTREAMEDの強さの秘訣の一つだと感じています。

AIとオペレーターの機能分担で、常にユーザー目線のサービスに

ーー最初はどのような部分から始めたのですか?

前島:まずは何をどうデータ化すべきかを定義することが重要になります。医療費控除について、会計事務所で働いていた経験のある営業チームの方達と話したり、自分で調べることで理解を深めました。その上で既存のオペレーションシステムにどう流用できるか、追加の開発には何が必要かを考え、最終的なフローはオペレーションチームと話し合って決めました。

小川:オペレーションチームがシステムの使いやすさ、オペレーターの特性などに僕ら以上に精通していて、「システム的にこういう補助があると精度よくお客様にデータを返却できますよ!」みたいな意見をくれるんですよ。開発者だけでは気付けない視点があり、とてもありがたいです。

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<実は、昨年秋に中途入社したばかりの小川さん。クラビスにようこそ!!>

ーーSTREAMEDは、領収書のデータ化をAIの力とオペレーターの力で実現しているのが特徴ですが、今回の医療費控除の機能では作業分担をどう定義しているのでしょうか?

前島:医療費控除として、開発当初はAIを強くするための教師データがまだ少ない状態でした。そのため、まずオペレーターにやってもらう必要がある作業、今後AIに置き換えたい作業を細分化しました。ここで大切なのはシステムとしての効率よりも、お客さまに喜ばれるデータ化かどうかという視点です。

小川:AIが処理した結果、うまくデータ化できない場合もあります。そのような時はオペレーターに判断してもらい正確なデータ化を実現しています。最終的に人(オペレーター)が確認できるというのが、AIだけでデータ化していないSTREAMEDの強みです。

医療費ではないデータには、アラートをつけてお渡し

ーーこれを読んでいる方の中には、医療費控除機能を使ってみたいというお客様もいるかと思いますが、特に大きな特徴はなんでしょうか?

小川:キーワードによってアラートを出し、お客様が自分でデータを詳しくチェックできる機能ですね。お客様自身で事前に任意のキーワードを設定しておいて、STREAMEDが領収書内にそのキーワードを検知したらお客様にアラートの形でお知らせします。例えば美容とかエステなど医療費控除の対象にならなそうな文言を設定しておくことで、「これは医療費控除の対象外」ということを気付きやすくしてくれます。

ーー単なる医療費のデータ化で便利、というだけではなくて、チェックがしやすいように工夫がされているのですね。

小川:チェックのしやすさはすごく重要です。お客様は、束になっている大量の領収書を一度にスキャンすることが多く、それら全てを細かくチェックすることは非常に手間がかかります。そのため、それらをただデータ化してお返しするだけでなく、STREAMEDがお客様の確認の手間を省くことで最終的な満足度を高くできると考えています。

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<領収書に「美容」というキーワードが含まれていた場合のイメージ>

リリース後の声をもとに改善を行い、新機能を作成

ーーリリース後に反響をいただいたとのお話がありましたが、フィードバックをもとに既に対応した機能はありますか。

前島:リリース直後は「請求金額」をデータ化するようになっていたのですが、すぐにお客さまから「医療費控除対象額」をデータ化してほしいという要望をいただきました。こちらについては数日で機能追加することが出来ました。

小川:僕も知らなかったのですが、主に介護系の明細の中には、食事代など医療費に該当しない金額が多く混在するため「医療費控除対象額」と別枠で記載されていることが多いんです。医療費控除としては、それをデータ化しなければならないと。リリース前に検証したデータには介護系の領収書があまり含まれず、残念ながら事前に気付けませんでした。しかし、リリース後は数万枚のデータを確認することができたので、素早い対応に繋がりました。

前島:これについても圧倒的なデータ量による検証と、オペレーションチームと連携して柔軟に対応できることがSTREAMEDの強みです。

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「お客様の困りごとはすぐ解決」チームで壁を乗り越える


ーーお客様からのフィードバックを元に改善しているのですね。今回、全体を通して前島さんと小川さんはどのような思いで開発に携わってこられましたか?

前島:どんな時も、お客さまの課題を解決したい思いが強かったですね。開発後は、お客様から「スタッフの心理的な負担の軽減にも繋がりました」というお言葉もいただいて、「あ、いい開発ができたのかな」と。

小川:会計業界のお客様に本当に真摯に向き合ってるメンバーばかりで、僕もそんな仲間のために頑張りたい一心です。最近は、営業やCSの方が社内のチャットで「今日はこういうお声を頂きました!」とすぐに展開してくれて、よりやりがいを感じます!

ーー最後に、普段のお仕事で大事にしていることはありますか?

前島:難しい課題に対して、みんなで楽しく解決しにいけるチームにしたいといつも感じています。リーダーの僕が辛そうだと、周りにも影響してしまうというか。だからこそ、自分が一番楽しそうに仕事しようと心がけています。

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小川:確かに、間違いなく前島さんのおかげでチーム全体が明るくなっています(笑)

前島:そうですか?ありがとうございます(笑)


ーー前島さん、小川さん、今日はありがとうございました!

(取材・文/川口ゆり)


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