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13.強みと弱み

暑い日が続き、体力も精神もげんなりしがちですがオリンピックも開催されてこの閉塞感の時代に一人ひとりが力を出し切って頑張っている姿を見て元気をもらっています。

コロナの猛威はとどまるところを知らず、毎日ニュースを見るたびに暗い気持ちになりますが、先日ロードショウを鑑賞してきました。(現在、私の名画座は8月末まで休館です。)

映画のタイトルは「るろうに剣心The Beginning」です。1990年代の漫画作品で2012年に実写化されています。私が説明するよりもみなさんの方がお詳しいかもしれないですね。今回観た映画はその前日譚です。人斬り抜刀斎として京の町を暗躍していたころの話です。剣心は討幕の暗殺者として長州藩のために働いています。「新しき世のために人を斬る」ことだけを生きがいに暮らしている剣心の心はある人との出会いで大きく変わっていきます。

人は必ず何らかの強みを持っています。これは人と比較するものではなく自分だけにある強みです。残念ながらこの自分の強みを自分自身が分かっていないことも多くあります。剣心の強みはもちろん剣術にあるわけですが、もう一つの強みは大義を貫くところです。この一筋の思いが残酷な人斬りという行為を感情を介さずに行える原動力となっているのですが、この強みを利用する大きな力に剣心自身が操られることになります。人の世は常に正義が勝るということはなく、その時代時代にパワーを持っ勢力が外見上正義とみなされメインストリームとなります。剣心の持つ強みが弱みとなってその弱みにつけこむ時代のパワーに翻弄されていきます。

では剣心の弱みとは何なのでしょうか?それは大義を貫く大いなる強みが自分以外の人間に利用されることで剣心が自らを失っていくことではないかとこの映画を観て思いました。ある人物との出会いによって強みが弱みとなることに気付いたことが後の逆刃刀に繋がっていくのかもしれません。自分の強みである剣術を活かしながらも「不殺(ころさず)の誓い」を守るその姿に強みと弱みを克服した剣心が人を魅了する気がしました。

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この図は中国の陰陽図です。白いところと黒いところが混ざりあい、混ざったところで白も黒も小さくなって一方の色が大きくなっていきます。また白と黒の部分に小さく逆の色の丸があるのは黒も100%ではない、白も100%ではないということを意味しています。私はこの図を見るたびに人の強み弱みの相関関係を意識させられます。強みを出し切れば弱みになり、弱みもいつかは強みとなる。そんなイメージです。

自分の強みと弱みを自覚できれば人は自分自身の人生を生きていくことが出来ます。ではどうすれば自覚できるのか?私なりの答えはバランスを持って生きるということです。心と体、自分と他者、このバランスをとっていくうちに自分の強みと弱みを自覚するヒントを得ることが出来ると思っています。それって自分を何かと比較すること?と思われるかもしれませんが比較ではなく「自覚」です。禅問答のようですが強みと弱みを自覚するにはまず自分自身を知ることです。その時に強みは弱みに、弱みは強みにという概念を常に頭の中に入れておけば比較ではなく自覚が生まれてきます。みなさん、振り子をイメージしてみてください。右に大きく振れれば必ず左に大きく振れます。放っておけば振り子は真ん中で静止します。静止した場所が自分?いいえ、振り幅自体が自分なのです。どの振り幅で触れることが自分自身なのか?これが自覚に繋がると私は思っています。大きく世の中が変わっていく今、自分のふり幅を自覚することが重要ではないでしょうか?みなさんも自分の強み、弱みを今一度振り返ってみてください。


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