SPチーム スラムのディフェンス

楽天の打線が好調でちょっと嬉しいKKTです。


自粛前の最後の試合を振り返っていこうと思います!

この日はすでに多くのセンターが試合を中止していて、元々予定していた試合も無くなってしまったのですが、運良くあるセンターだけ開いていてそこのSPチームに参加することができました。パートナーは大学時代に良く組んでいたパートナーで、裏ペアはプロとお客さんでした。


前半戦から

KJ9抜け8枚フィット 4勝のプレー

あなたはWEST。

3番ボード、we vul 2番手

T8
T82
AK84
AKQ2

ビッドは二番手の自分の1NTオープンからフリーランで、

1NT-2D;2H-3NT;4H///

オープニングリードはS2でした。

K9
AQ763
J9
JT64

T8
T82
AK84
AKQ2

T1:S2-K-A-8
T2:D5-A-2-9

シグナルはスタンダード、リードの約束は3rd/lowです。プレーはどうしますか?











実際の配置です。

画像1

実戦では、HA,DJ-3-A-7,H8-K-3-9,Dxと進み、ダイヤラフを通せたのでメイクしました。


後から振り返ってみると、ハートはAを取ってセーフティプレーするよりも最初からフィネスしてサイドスーツのラフに備える方が良かったかもしれません。

セーフティプレーで得するのは、裏に9,J,Kいずれかのシングルトンがいてかつ次のラウンドでフィネスした場合ですが、そもそもその確率がかなり低いです。また、最初にQを引いて裏から9かJが落ちた場合には、次のラウンドで41想定でフィネスする選択ができるので、実質最初にA出して得するのは裏にKシングルトンがいるときだけかもしれません。

一方、ダイヤかクラブがラフされる状況ならハンドに戻るカードを間違えればサイドスーツがラフされてダウンするかもしれません。

実戦の展開では、ダイヤが52に分かれていてHJがサウスにいればダウンしていたので、こういうリスクを負ってまでHAを先に取るかどうかは疑問でした。


今回みたいにあまり余裕が無いときは楽観的にK表の32に期待してフィネスするのがシンプルで良さそうでした。セーフティプレーで拾う確率と裏目を引く確率がどちらも有るときは期待値の差が縮まっているはずなので、その後にミスしないようにできるだけシンプルな方を選ぼうと思います。



続いて、

パーセンテージプレー

あなたはWEST。

6番ボード、We vul 3番手

AJ94
QJT9
9
K942

1NT-(P)-2C-(2D);
P-(3D)-?

2Dが流れてきたら3Dをビッドしようと考えていたら、3Dを先にビッドされて困ったという場面です。ここは仕方が無いのでXしました。

1NT-(P)-2C-(2D);
P-(3D)-X-(P);
3NT///

で、パートナーの3NTになりました。オープニングリードはD3でした。

AJ94
QJT9
9
K942

K82
AK8
KQ2
J863

T1:D3-9-A-2
T2:D6-K-4-C2

プレーの方針はどうしますか?














2420で8トリック有るので、どこからもう1トリックを狙うかという問題です。ダイヤのストッパーは一つしか無いので、スペード一本勝負をするか、クラブKのスチールとスペードQのフィネスを合わせるの二択です。どちらが良さそうでしょうか?



実際の配置はこちらです。

画像2

テーブルではスペードのダブルフィネスを試したためダウンでした。裏のテーブルはCKのスチール+SQのフィネスのプレーラインでCKが勝ったためメイクでした。


一見スペードのダブルフィネスも、CKスチール+SQフィネスも75%に見えるのですが、ここではどっちのプレーがパーセンテージ的に良かったのか検証してみます。


まず、スペードについては

画像3

SAを取って、SKに向けて打ち、3巡目をJに向けて打つのが85%強で最大みたいです。たしかにQTxxかQTxxx裏以外ではメイクなので、スペード一本ならこれが良さそうな気がします。


次にC+Sのプレーの場合は、

クラブについては単純にCA表の50%と、CQシングルトン表の3%弱で53%弱として、

スペードについてはQ表の50%+SQシングルトン裏の51%強くらいなので、

およそ80%弱となりそうな感じがします。



結論としてはスペード一本が5%強程度良さそうだと思います。

CKの裏のNorthがオーバーコールしていることを考えると、CAは裏に有りそうなので、単純な確率よりさらにスペードが有利な気もするので、ここはスペード一本が正解だったのかなと思います。

こういう時の手筋としては、基本的には二つのスーツを合わせる方が確率は高くなりやすいとされていますが、ちゃんと計算すると意外と例外が出てくるのが面白いですね。

自分がテーブルにいたらたぶんC+Sを試したと思います。二つのスーツを組み合わせたり、負けるフィネスを先にする方が手筋通りで良いプレーしてる感じあるからです。



前半戦はAve+くらいのスコアで2位で折り返しました。昼ご飯を食べて後半戦へ。



後半戦

スラムのディフェンス

あなたはWEST。相手はシニア代表のペア。

5番ボード、they vul 4番手

97
KJT962
A965
5

(1D)-1S-(P)-2H;
(3C)-4H-(5C)-5H;
(6C)///

左手の6Cになりました。パートナーのオープニングリードはSKでした。ダミーは、

8642
753
K7
AQ83

T1:SK-2-7-A
T2:C4-2-A-5
T3:C3-H9-K-T
T4:D2-3-K-A

次に何を出しますか?











まずは分かっていることを整理してみます。

・ディクレアラーはクラブを集め終える前にダイヤを出すとは思えないので、クラブは6枚持っている。
・ダウンするとすれば、ディクレアラーのダイヤは5枚と想定するしかない(1066は落ちない)。なので、1156か2056を持っている。
・オーバーコールしたパートナーにはHAもSQもどちらも有る。
・出すメジャーを間違えると、ダイヤの下に消えていく可能性がある。ただし、パートナーにDQ or DJ or DTがあれば消えない。

ここでは1156と2056のどっちの方が有りそうなのか考えてみます。

①1156のとき
ディクレアラーとパートナーのハンドは、
デ:A x QJTxx KJxxxx
パ:KQJxxx AQx xx xx

②2056のとき
ディクレアラーとパートナーのハンドは
デ:Ax -- QJTxx KJxxxx
パ:KQJxx AQxx xx xx

となると思います。ビッドと照らし合わせてみると、

(1D)-1S-(P)-2H;
(3C)-4H-(5C)-5H;
(6C)///

ディクレアラーはかなりアグレッシブにビッドしているのでボイドを持ってそう、パートナーは4Hにジャンプしているのでハートは4枚持ってそう

ということで②の方がより有りそうということになるのかなと思います。



テーブルではここまで深く考えが至らなかったのですが、ダイヤで消えることも有りそう、xx56で取れるならスペードの方が有りそう、と思ってスペードを出しました。


実際の配置は以下です。

画像4

本当にこういう配置になっていてスペードが正解でした。


後から振り返ってみて、ディクレアラーが点数無い中で頑張ってビッドしているときはどこかにボイド持っていると信じて良いのかなと思います。もちろん信用できる相手かどうかは大事ですが、こういう時に迷ったらボイドを持っている想定でディフェンスするとだいたい正解するような気がします。

スペードを出した後ハンドをこっちに見せて、「ハートだったら出来ちゃうんだよね」と言ってきたのがちょっと面白かったです。落とせてよかったとホッとしました。



後半は続く。



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