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アニメ『猫物語(黒)』『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』を観た


アニメ「〈物語〉シリーズ」マラソンの続きです。『化物語』と『偽物語』については約1年前にすでに感想を書いています。



猫物語(黒)

2022/6/21-22

1話 つばさファミリー
ぜんぜん好きじゃなかった『偽物語』から再び打って変わって、これはすごく好きな気がするぞ……!
正面ショットと平行ショットを執拗に繰り返すコンテに、あいも変わらずセクシズム満載の画とお話。
発言すると同時にキャラが変に手などを動かしてポーズを決める(のを正対して撮る)のも好み。
ロケーションも後半羽川と散歩する海辺の公園(やトンネル)シーンとても良かった。
音楽もまたニカっぽい(『化物語』っぽい)好きな曲調に戻ってきている。

スカートめくりをギャグ調でやって、かつ本人にそれを「感謝」されるという、実にラノベ的な展開には辟易するが、DV虐待を受ける羽川を救おうとする阿良々木暦じしんもまた、彼女の親と同様の暴力性を有していることをあらかじめ示した演出だと読むことはできる。
「その人を好きかどうか判断する方法は?」と兄から問われたカレンちゃんが答えた「そんなもん、てめぇでそいつの子を産みたいと思うかどうかだろ」クソ笑った。いい。再生産装置としての家族-愛=恋愛/性愛感情

他人への「嫌い/普通/好き」という感情の境界がわからないと暦が叫ぶシーンで背景に富士山があった。『傷物語』の前から出てくるんだ。

2話
なるほど。「DV親→羽川」と「阿良々木→忍」のアナロジカルな庇護関係を前面に押し出している。暦は彼女の親と同じ存在に堕ちることなく羽川や忍を「保護」して「救う」ことができるのか、それは原理的に不可能ではないのか、というクエスチョンが提示されている。

羽川の障り猫に片腕をもがれた暦。『化物語』「つばさキャット」で言ってたような気がする話か。ここで羽川は両親を殺してしまっているのか。そうなんだっけ。なんも覚えてねえ。

忍さん、『偽物語』でペラペラ喋っているのを聞いたあとに(時系列を遡って)無口ver. を見ると魅力が増しているように感じるな。同じ無口でも『化物語』のときはそもそも影がかなり薄くてほぼ認識してなかったし。

3話
忍野メメおじさんここにきてとてもカッコよく撮られている。浦原さんみたーい。CV的には貝木だけど…… 背中に矢が突き刺さってると思ったら吸盤で貼られてたのをシレっと見せるとか最高。
全体的に絵コンテ/演出がキレッキレだ〜〜。
あれっ、やっぱ前話で羽川の両親殺されてないのか。エナジードレインされただけなのね。

4話
ほえー〜〜。おわった。これで羽川さんがメインヒロインじゃないのすごいな。いや、ある意味メインヒロインなのか? 恋愛成就相手がメインでなければいけない理由などない。
暦の戦い方あれは流石に引くというか吹くよ。なんやあれ。ギャグにしか見えない。
羽川を「怪異よりもこわい。気持ち悪い」と繰り返し表現するのすき。
結局羽川の暴力的なまでの善性(優等性)がどこから来ているのか不明なままだが、そういう風に設定された、というだけに留めるのがむしろ適切だろう。


〈物語〉シリーズ セカンドシーズン


猫物語(白)→傾物語→囮物語→鬼物語→恋物語→花物語

猫物語(白)

全5話 2023/4/7金~9日

阿良々木暦ではなく羽川翼が主人公。暦はいっさい出てこない。すなわち、(暦にとっての)理想的で完璧な人物という「客体」であった羽川が、その他者から見た特別さの衣を脱ぎ捨てて、平凡な人間としての自分、「主体」を獲得する話である。
とまとめると単純なようだが、じっさいはもう少し複雑であり、自分を「ふつうの女の子」だと認識していた(したかった)羽川が、そんな自分のなかの特別性に気付き、認めていく話でもある。この過程そのものが(寿ぐべき!)「普通」の、誰しもが経験するイニシエーションである。自分という唯一無二で凡庸な存在の肯定。

二重人格的な内なる猫:ブラック羽川や、苛虎(かこ)などの怪異を通じてそういう普遍的なことを描こうとしている。
裏と表。白と黒。表裏一体というテーマは、『猫物語(黒)』=客体としての羽川翼と『猫物語(白)』=主体としての羽川翼の関係のことでもあるし、羽川翼というキャラクターのなかの白黒=ブラック羽川との共生のことでもある。また、「普通/特別と」か「知っていること/知らないこと」という二項対立にたいして蒙を開いていくさまを表してもいる。これらが、言葉の次元と現象の次元と映像表現の次元で重層的に検討され描かれている。・・・うーむ……傑作……。

2話終盤の展開が好き。戦場ヶ原ひたぎの自宅で食事をしていて、羽川翼の「味がしなくても気にしない」異様な性質が明らかになり、それを戦場ヶ原は羽川の何でも受け入れてしまう気質に接続/敷衍して指摘する。その延長として、好き嫌いがないということは「好き」という感情も真に理解することができないとして、「本当に阿良々木くんのことが好きなの?」と問われ、羽川は答えに窮する。鮮やかですねえ。好き嫌いの線引きの話と、自他の境界の話。

4話に出てきた暦ママの「親が子供と仲が悪いというのはね。もうそれだけで虐待みたいなものなんだよ。家族はいなきゃいけないものじゃないけれど、いたら嬉しいものであるべきなんだ」や「人は嫌なことがあったらどんどん逃げていいんだけれど、目をそらしているだけじゃ逃げたことにはならないんだよ」という台詞がとても良い。これを単なるレトリックと切り捨てることはしたくない。大人が、(主人公の)親が少しでもちゃんと登場してこういう言葉を言ってくれる作品なのいいなぁ。
「何でもは知らないわ。知ってることだけ」な(かつての)羽川と対照的な「私は何でも知っている」「君が何も知らないということも知っている」臥煙伊豆湖お姉さんも良いキャラしてる。自分が知りえる世界の限界。自分の輪郭。『すば日々』的な王道青春モノの趣きがする。


全5話おわり! いやぁ~良かった!!!
前話で羽川の嫉妬心が虎の正体=火事の原因であると気付き、阿良々木への燃える恋心を、彼のベッドにマーキングする行為でアツく描いていたが、そもそも最初の原因は暦への恋愛感情(戦場ヶ原への嫉妬心)ではなく、今さら一緒の朝食を食べて仲よくしようとしていた両親への嫉妬心であったと明かすのは驚いた。ただ今回のクライマックスではやはり阿良々木にようやくちゃんと告白して失恋することができた、という恋愛関係の清算のほうに焦点が当たる。そのうえで、新しい借家で初めて自分の部屋を貰えて「ただいま」が言えるようになった、というオチ。
一言でいえば「自分の部屋を持つことは健全な成長にとってめちゃくちゃ大事だよね」という話だった。自分でないものとの境界線を敷くことで初めて「自分」を確立できる。まっとうな思春期の発達段階の話。
「"本物"じゃなくて"人物"でいたい」か・・・。活字媒体で表現されること前提の誠に西尾維新的な台詞ではあるが、本から人へ、という点ではフィクションとしての客体から実存としての主体に成る筋書きを見事に言い当ててもいる。
最終話で満を持して阿良々木暦が登場してヒーローとしてピンチの羽川を救う展開には、やや残念な気もするが、これは主体を獲得しかけていた羽川が再び阿良々木に救われる客体としての「ヒロイン」に戻ってしまったというよりも、羽川視点で大好きな阿良々木くんを英雄的に(=客体的に)描くことで、すぐ後の告白~失恋の儀式より前に、すでにここでも羽川はちゃんと主体性の獲得を押し進めることができていた、ということだろう。
阿良々木くんが「お前が泣いたら慰めてやる」と言ったすぐあとに羽川を振って泣かせて、ほらみろ、自分が泣かせた張本人だった場合は慰められねぇじゃん早くもさっきの「格好いい言葉」の限界を描いてくるのすげえなとテンション上がっていたが、ふつうに頭撫でててワロタ。さすがラノベ主人公・・・トホホ・・・。まぁ、ここで自分が慰めることは彼女にとって何の慰めにもならないと知っていてなお、それでも目の前の大切な彼女を宣言通りに慰めることを貫徹したのだ、的な好意的(で英雄的)な解釈はできようが・・・ちゃんと告白して振られるのを描くことが必要だったのは無論同意できるが、それでもやはり自分は阿良々木暦のようなザ・ハーレム系男主人公が苦手であるなぁと再認識もしました。絶えず「自分」を知っていこうな。


傾物語

2023/4/10月
全4話を一気見した。
これ『傷物語』映画三部作を先に見といたほうがいいやつでは??
過去へのタイムリープで世界線が分岐した先でヒロイン(達)を男主人公(阿良々木暦)が救う話なので、いくら出来が良くても個人的には苦手だ。。阿良々木くんがほぼ登場しない猫物語(黒)がいかに好ましかったか!
大人バージョンの八九寺真宵さんのデザインは良かった。
作中でわざとセカイ系の立て付けに言及して、「いや……どっちも救う!」と言っているが、いやそういう展開自体がセカイ系でありがちなのよ。なに新しいパターンみたいな感じでやってんのさ。


囮物語

全4話 4/11-12
おわり。うーん・・・ 撫子ちゃん編ということで、中学生向けの話だった。
暦(と忍)が撫子に倒される形でフェードアウトして、最終的にピンチを救うのは電話越しの戦場ヶ原さん(の方便)なところとか、そうして物語を終わらせずに〈延長〉という形で決着し、Cパートでは撫子視点の「予告編」をやって締める構成など、いろいろと高評価したいポイントはある。あるけど、とはいえ全体的には中学生に刺さりそうなおはなしなので、今の自分には気恥ずかしく思える。「加害者と被害者は時により容易に入れ替わるものじゃ」的な忍の台詞なんかが、この話中のこの議題の結論としては一応最上級っぽいところとか……いや、そういうことじゃねえだろ。「入れ替わる」だけではなく、実際には「どちらでもある」こと、そして両者が複雑に絡み合っていることこそが最も深刻で面倒でありふれた事態では。
学校では大人しい優等生の自分が、理不尽でウザい担任や鬱陶しいクラスメイトに「素」をさらけ出して発狂してやったぜ!な展開も、中学生のときに観てたら羨ましく思えたのかなあ。
撫子、これまでもそんなに好きじゃなかったけど、『囮物語』で好きにも嫌いにもならず、現状維持の横這いかなぁ、蛇だけに(は?)
とはいえ、撫子を各話で詰問して攻撃したキャラ……月火と忍は(扇さんはまだよくわからないので置いといて)、もともとそんなに好きじゃなかったのが更に苦手になった。『傷物語』を観てないからアレだけど、いまのところヒロインのなかでは忍がいちばん嫌いかもしれない。

・暫定の好きなヒロイン順
羽川>戦場ヶ原>>火憐>駿河>>余接>真宵>撫子>月火>忍
※扇はまだ保留中。ちなみに暦を入れるとしたら撫子と同じくらいの位置。臥煙さんなどの大人組は対象外



鬼物語

全4話
23/4/13木 朝おわり
どんどんつまらなくなっていく・・・ シンプルにお話が面白くないな。
400年前の忍の話を絵巻物調でやる最初の1話(第17話)なんかは、思い切りがよくてわりと好きではある。神と信仰と国作りの話を直球でやってきて、なるほど物語シリーズの政治批評・天皇制関連はこの辺りからいけるのか~となった。天皇のメタファーとして読めるのは忍なのか、それとも最初の眷属(今の阿良々木暦)なのか、両者を包括したシステムのことなのか。
今さら真宵ちゃんのお涙頂戴お別れ話を唐突にされてもなぁ……ほんと今さらだしなぁ……。ラストのキスシーンで、余接ちゃんが真宵を肩車して暦と高さを合わせる役目を担っていたのは良かった。暦と真宵の湿っぽいお別れのあの場で若干邪魔者というか気まずい感じの存在だったのが、最終的にああやって必要性を示してくれて痛快。接ぎ木という名前にも掛かっているし。
いやぁ~しかし、特に内容のない話を無駄なおしゃべりで水増ししているようにしか思えず、全体的には退屈だった。臥煙伊豆湖さんも猫白で初登場したときより好感度が下がった。最終話Cパートのエピローグで黒幕的なフンイキを醸し出していた扇ちゃんは好印象。さっきまでの退屈なお涙頂戴を嗤い飛ばしてくれたので。「くらやみ」の正体ですみたいな感じだったけどネタバレコメントによればミスリードで、実は関係ないらしいが、とにかく扇ちゃんには期待できる。


恋物語

全6話

4/13木夜
前半3話みた。今のところわりと面白い。貝木、偽物語のときはマジでしょうもなさすぎるオッサンで嫌いだったので、こいつが語り手を務めると知って終わったと思ったけど、はてさて、阿良々木暦よりも全然いい。偽物語での敵ポジションだった貝木を魅力的にコミカルに人間的に描こうとするエピソードなので好感度が上がるのは当然ともいえるが。というか、貝木がいいのではなく、ただ単に暦がいっさい登場しないから面白く観れているだけ説もある。(猫白!)
貝木と接しているときのひたぎさんも余計に魅力的。貝木が「大人」だからひたぎさんが「子供」として描かれる。余接ちゃんもどんどん魅力的に思えてきている。
というか、『囮物語』での「半年後の卒業式の日まで殺すのを先延ばしにする」オチを、こうしてちゃんと取り上げるとは。あのままなぁなぁになるのかと思っていた(それを期待していた)。
1話では沖縄が舞台になる。有名な観光所をとりあえず並べました感のあるチョイスだったが、中でも那覇空港の比重がもっともデカかったのは嬉しい。
ひたぎさんが「身体で払ってもいいわよ」と言いかけた瞬間にグラスの水をかけて制止する貝木、紳士的で格好いいけど、冷静に見れば、この展開自体がミソジニー的ではある。わざわざ(未成年の)女性キャラにそう言わせておいて(大人の)男性キャラにそれをダンディに諭させるプロット。貝木が悪いのではないが。
『恋物語』での貝木はあまりに常識人というか真っ当な大人なので、こういう奴がどうして中学生をターゲットに大規模な詐欺を企んでいたのかようわからん。セクシュアルなことには倫理的だが、お金のことには倫理を捨てるタイプか?
とにかく、三木さんの癖の強すぎる演技がとても癖になって良いです。この口調は真似したくなる。
あと3話からのデュエットOP最高。これ事前に何も知らない状態で聴けてほんとうに良かった。

4/14金朝
4話。ヒロイン(ひたぎ)が不倫している話とも読めるところが性癖に刺さるのかもしれない。ハーレム系ラノベで、男主人公(暦)が別のヒロインともイチャつくのは見ていてあまり好ましいものではないが、反転したら好きなのかも。ただしこれは自分の性差別意識のあらわれとも考えられる。「女は不倫するものだ」的な。
ついに羽川(白黒メッシュver.)と貝木が邂逅した。このふたりの強者感のあるやり取りもいいなあ。貝木は「子供は子供であるべきだ」という考えの持ち主であり、大人びた羽川に「子供がそんな喋り方をするもんじゃあない」と諭す。大人(貝木)の独りよがりともとれるが(あるいはマンスプレイニングとも)、ここから貝木がなぜああいった生き方をしているのかが掴めそうな気がする。子供相手に詐欺を働いていたのも、子供を子供として扱うため? さすがに苦しいな。ただ、神様撫子にあやとりを教えてやっているときの神妙な表情が印象深い。「キャバクラ通い」とひたぎに揶揄されたのを払拭するために日本酒を撫子に差し入れするが、「お父さんビール派だったから日本酒は飲んだことなかった!」と歓迎されたときの表情も。撫子はもう神様だから未成年でも人間でもない、と貝木が独りごちるのは、ちゃんと「子供」でいさせてやりたい気持ちの裏返しか? 貝木は撫子を「バカ」とか「ガキ」などと言うが……。撫子は「子供らしい子供」なのか、「「子供」らしく振る舞うことが身に沁みついてしまった子供」なのか。貝木は撫子たち周囲の「子供」を、ほんとうはどう認識し、そしてどうあってほしいと思っているのか。

5話。余接ちゃんが、貝木がひたぎ母の宗教団体を潰したのはひたぎを救うためだったと指摘し、貝木は開き直る。まぁ自分が貝木の過去の行いの理由でいちばん知りたいのは偽物語の中学生詐欺なので、そこはどうでもいいといえばいいが。
とにかく、貝木の開き直り方、論のずらし方がとても「大人になってしまった大人」感があってよい。「あなた、自分がしていることの理由を本当はわかっていないんじゃないの」と余接に指摘されて、「自分がしていることの理由を本当にわかっている人間なんていないんじゃないのか」と、自分が受けた指摘を万人に普遍化して返すやり口にとても親近感を覚える。

6話。『恋物語』おわり!!!
ちくしょ~悔しいけど、いちばん面白かった・・・ふつうに貝木の説教パートで泣いてしまった。。
最終話の土壇場で阿良々木が初登場するのは猫白と同じだが、今度は徹底して存在意義が否定される。痛快にもほどがある。
要するに、これは阿良々木暦という物語シリーズの「神」を殺す話だったのだな。そして、(ヘテロ)恋愛中心主義のこのシリーズに巣食う害悪を、「恋物語」という形で分節化(切り離)して成仏させるおはなし。ひたぎの貝木への、貝木の臥煙遠江への恋物語を終わらせるおはなし。
最後の終わり方も完璧だろう。因果応報でモブに殺されて、この「物語」の語り手は死ぬ。貝木に対して最後まで抱いていたゆいいつの疑問点、なぜ中学生を被害に遭わせたのか、というのも、この締め方で払拭された。それ自体の理由が解明されて納得するのではなく、理由はどうであろうが行ってしまった過去の自身の振る舞いが還ってきてそれに殺されることで、理由を不問とする。ズルいけど見事な策だ。
残念ながらこれで貝木という大人の男が好きになってしまったけれど、それでも、貝木ポジションが女性だったらもっと良かったのに、と思わずにはいられない。シスターフッド的な意味で。
貝木の説教パート、最初のほうは典型的な自己責任論でうげーって感じだったけど、撫子もシュシュを見せて「扇さん」の名を出してちゃんと反論してくれて良かった。説得される撫子側も馬鹿なだけの子供には描いていないところがいい。隠して描いていた漫画の存在が決め手となって流れが変わるのはなんだかなぁと思うが……撫子が恥ずかしいと思うその気持ちを尊重するとするか。「クローゼット」というのはクィア批評的にも手掛かりになるか? 
そのあとの、金が好きな理由からの「かけがえのないもの」否定、とても良いですね。ぜんぶ、最愛の女性(臥煙遠江)を亡くした自分にこれまで言い聞かせるために練り上げた価値観なのだと思うと、成人男性が少女に説教している図式の嫌さが薄まるところも巧くて憎いですね。


花物語

全5話 4/15土
みた。神原駿河さんのことはより好きになった。ずっと1人で走っててほしい。
それから、2話での貝木と駿河のやり取りもめちゃくちゃ面白かった。『恋物語』のあれで死んでないんかーいw というのはあるけれど、今は亡き好きな女性の娘さんを前にして親切な親戚のおじさんと化す貝木おもろすぎる。肉食え肉!!
沼地さんというCV.阿澄佳奈さんの新キャラが出てきて、駿河との関係に焦点が当たるのだが、彼女が喋っているところは基本的にとても退屈だった。話が長いし内容は薄いし表現もつまらない。ついでにキャラデザも特に魅力を感じない。ぽっと出のキャラと駿河とのエモい青春の関係を押し出されても困る。
あと、バスケの1on1の作画というか絵コンテも非常に稚拙で恥ずかしかった。スポーツアニメじゃないとはいえ……
悩んでいる駿河に助言して救うポジションがけっきょく暦だというのも、いつものことながら残念だった。せっかく直江津高校を卒業してせいせいしてるっちゅうのに。こっちに出ないで大学生活を謳歌しててほしい。なんか髪長くなっててよりキモくなってたのはウケた。


・まとめ

これで、『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』全31話(総集編3話分含む)を観終わった。6つのエピソードのオムニバス構成になっていて、玉石混交というか、うち2つ(『猫物語(白)』と『恋物語』)はとても好きだったが、他の4つはそれほど楽しめなかった。とはいえ、次の話は自分好みかな~嫌いかな~~とワクワクしながら各エピソードをサクサクと観進められたことは確かで、『セカンドシーズン』全体の視聴体験としてはわりと楽しめたといえる。やっぱこういうオムニバス形式のキャラクター中心コンテンツって、各エピソードや各キャラクターの好き/嫌いが人によって全然違うこと(に驚いたり共感し合ったり議論したりすること)それ自体がエンタメとして楽しいんだよなぁ・・・と思った次第です。2023年のいま、アニメ〈物語〉シリーズを全力で楽しんでおります。


ここまでの〈物語〉シリーズの各編の好みをまとめると、

かなり好き
恋物語>猫物語(白)>化物語=猫物語(黒)>>

あまり好きではない
>>傾物語≧囮物語≧花物語≧鬼物語>偽物語

と、二極化していることがわかる。「やや好き」「ふつう」くらいの中間領域が抜け落ちている。なんでだろう……?


ついでに、各キャラクターの好み(暫定)をまとめておくと、

とても好き
羽川翼>戦場ヶ原ひたぎ≧貝木泥舟

わりと好き
>>神原駿河>阿良々木母≧阿良々木火憐>斧乃木余接>忍野扇

まあまあ
>>臥煙伊豆湖=神原遠江八九寺真宵≧影縫余弦>忍野メメ

あまり好きではない
>>阿良々木月火>千石撫子>阿良々木暦=忍野忍>沼地蠟花

貝木は『偽物語』時点では最下位でしたが『恋物語』で一気に好きになってしまいました。おのれ西尾維新・・・


続きを観たらまた投稿します。それでは!




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