フリーランスはプロフェッショナルにならないほうがいい

2020年2月26日 01:41

※ 本記事はTwitterにツイートした連投の転載です

コロナウイルス問題の影響で、破産した旅館のニュースを読んだ。

記事を読む限り、他に手がなかったんだろうなぁ、という感じだけど、依存先（収入源）を偏らせると、アンコントローラブルなところで供給が絶たれ、もろとも滅びる典型的な事例な感じがする。

俺みたいな自営業者も、決して他人事ではない。

フリーランスとか、どうしても安定な収入が欲しいし、そうじゃなくても「人手」の問題でそんなに数は捌けない。となると、どうしても顧客や業務内容を限定的にせざるを得ない。

しかしこれはただのリスクにしかならない。顧客と揉めたり、顧客が破綻したりしたら、新規顧客を得られるまで無職になる。

それまでのキャッシュがあるならまだいいが、それがないと、その時点で破綻せざるを得ない。この旅館の事例はまさにそうなんだろう。

安定的ではないにしても、複数の顧客がいれば、一社と契約解除されたとしても、細々とは生きていける。その間に次を探せるのだ。

ただ、この「複数の顧客」が皆同ジャンルだと、これもまたリスクしかない。リーマンショックの時、不動産屋が軒並み破産したが、不動産系の広告だけ作ってた某制作会社はその後倒産した。俺の最初の就職先だ。
顧客のジャンルが同じだと、契約解除が「一社だけ」で留まることはない。

今回の旅館の事例はこれも含まれてるのだろう。中国人はたくさんいるが、中国で流行病が起きれば、みな来れなくなる。「中国人しか」、場合によっては「外国人しか」相手にしてなければ、逆に「日本人しか」相手にしてなければ、その経路が一つ絶たれただけで全滅する。

とにかく自営業者、フリーランスに言いたいのは「週5で出向、は自滅への第一歩だからやめておけ」である。そこと契約を切られたあと、どれくらいの期間、どうやって「生きて」いくのかを考えたら、よっぽど貯金がない限り、「自滅へのカウントダウン」でしかない事は火を見るよりも明らかだ。

それと、一つの事に特化するのもデメリットでしかない、という事。その「特化した事」に需要がなくなれば、仕事もなくなる。「なんでもできる」は「無能の代名詞」とも言われるが、だからといって一つしかできることがないのもまた、自身の首を締める事にしかならない。

何か一つのことを極めたい、それ以外はやりたくない、というのであれば、その人は会社員になるべきだろう。できれば「それ以外のことにも手を伸ばしている会社」のだ。会社を1人の人間と考え（法人）た上で、一社員を「その法人の1能力」として機能させられる会社であれば、生き残れる可能性はある。

ただ、会社も「収益を得るための団体」に過ぎない。いくらその社員がプロフェッショナルであっても、その社員によって稼げる仕事がなければ、お払い箱にせざるを得ないだろう。まるで人類が尻尾を退化させ、消失させたように、会社はその人を切り落とすしかない。

となるとプロフェッショナルとは「需要があるときにだけ、短期的にガッツリ稼げる、お助けアイテム」でしかないように思える。ただの使い捨てお助けアイテムとして生きるか、時代に合わせて常に需要の中心にいられるようにするか。フリーランスが収入の安定性を懸念するのであれば、選ぶべきは後者だ。

もちろんお助けアイテムが悪いわけではない。スポーツ選手なんかは、どちらかと言えばこっちの生き方だろう。そのスポーツしかできない。なのに体力が衰えればお払い箱になる。そのかわり、現役時代に一生分稼ぐ。稀に引退後に付加的なスキルを生かして、タレントや解説者、監督になる人もいるが。

しかし「一本槍のフリーランス」が「現役時代」、しかも「情勢に左右される状況下」で一生分稼ぐことができるだろうか。ちょっと禅問答的だが、稼げる人は「フリーランス」なんて名乗らないだろうから、まずもって無理だろう。一つのことで生きていける事はありえないと思った方がいい。

とにかく、フリーランスは「自由契約の傭兵」だ。誰とも契約はできるが、誰かが契約してくれることを保証されているわけではない。ともなれば、いかにリスクを減らして、契約競争に勝ち残るかを考えなければならない。一つの事に特化すれば、競争には勝てるが出られるレースが無くなりやすい。

マルチにやれば、出られるレースは常にあり続けるが、競争がシビアになる。ただ、シビアになるだけで「一位じゃなくても賞金はある」のだから、「如何に表彰台に乗るか」を考えれば良いのだ。

生きるために選ぶべきはどちらか。

今の自分が向かっているのはどちらか。

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