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「そうはならんやろ」の連続(パラサイト半地下の家族)※ネタバレばかり※

今日はなんだか1日
「おやすみ」の気分で
勉強もせず、
お出かけもせず、ゆーっくりと過ごしてました

ただ、
夜になると、なんだか
満たされない気持ちになるので
お酒を飲み映画をアマプラで見ようと。

気になってたけど
ずっと見てなかった
「パラサイト 半地下の家族」を見ることに。

2020年の映画で
(もう少し前だと思ってたけど)
韓国語の勉強も始めたし、ちょうどいいなと。

まとめると…

「そうはならんやろ笑笑」
「そうはならんやろ!?」
「そう、は…ならんやろ…??」

という映画でした。

以下、めちゃめちゃネタバレばかりですので
まだ見てないよ!これから見るよ!の方は
この辺りでお別れを。

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ネタバレしまくりますよーご注意を


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登場人物

・キム家(半地下)
お父さん
お母さん
お兄ちゃん
ジェシカ

・パク家(金持ち)
社長
奥さん
JK
天才くん

さて
今回の感想を4つに分けて書いていきます


①「そうはならんやろー笑」

物語の初めは、お兄ちゃん(すみません。役名が覚えられず、全部私なりの呼び方です)が、
友人から家庭教師を引き継ぐところから始まります。
友人は、どうやら良い大学に通う、いいとこのぼっちゃん。留学に行くからその間をお兄ちゃんに頼みたいとのこと。
生徒は可愛いJKだから、血の気の多い大学生ではなく、欲のなさそうなお兄ちゃんに引き継ぎたいと。

受験には失敗し続けているものの、英語の実力は確かなお兄ちゃん、
教育ママな奥様にも認めてもらって、すぐに家庭教師になります。

そもそも、キム一家全員がどうやら無職で、
「半地下」と呼ばれる、元防空壕のような、竜巻などを回避するような、
上の方の窓だけが外につながる、まさに、半分地下の家に住んでいます。

お兄ちゃんが、可愛いJKの家庭教師を初めてすぐ、
JKの弟が、どうやら、天才肌のちょっと変わったお子さんだと言うことがわかります。

うまいことに、
妹(私の中ではジェシカ)は、デザインの才能抜群。ネカフェらしきところでパソコンを使いこなし、お兄ちゃんの大学在学証明書も簡単に偽造しています。

お兄ちゃんの、従兄弟の同い年の、イリノイ出身のデキる美大生として、ジェシカが家庭教師にやってきます(この設定を間違えないよう、玄関の前で打ち合わせしてるのもかわいい)

何をどうしたかはわかりませんが、ジェシカはあっという間に天才くんを手なづけて、
天才くんはジェシカの膝に乗って絵を描くほど心を開きます。

ジェシカをキム家の運転手が送迎することになりますが
運転手「家まで送りますよー」と下心見え見え。
最初は、半地下がバレてはまずいと断り続けるジェシカでしたが、
下心を見抜き、「駅で彼氏と待ち合わせ」と嘘をつきます。
その上で、車の中にとある仕掛けを…

その仕掛けがうまく働き、運転手が解雇、
次は、お父さんが運転手として就職します。

そして、家に1番長くいる家政婦も、うまいことやって解雇(ちょーっとやり方が汚い。笑)

家政婦として、お母さんが就職します。

一家4人が、全員、この家の中で働くことになりました。

あ、
一応、キム家で働くときは、4人それぞれ他人の設定です。
元の家庭教師の友達、その友達の知り合い、その知り合いの昔からの知ってる運転手、運転手が登録しようとした家政婦サービスから来た人、となってます
書いてて流石にわかりにくいですが

お父さん→→→社長家族の運転手として
お母さん→→→社長一家の家政婦として
お兄ちゃん→→JKの家庭教師として
ジェシカ→→→天才くんの家庭教師として

と言う図式です。
ここまでは、「いやいや、そうはならんやろ笑笑」だけど、
韓国映画特有のテンポの良さと、俳優さんたちの無理のない演技で、違和感を覚える暇もなく話が進んでいきます。

②「そうはならんやろ!?」

なんだかんだしてるうちに、
お兄ちゃんとJKは恋仲(?)に
他の3人も着実に信頼を得ていきます。

天才くんの誕生日、
金持ち一家がキャンプに出かけることとなり
空き家になる金持ちの家。

その金持ちの家で、
酒を引っ張り出し、お菓子も引っ張り出し、
ソファやベッドにゴロンゴロン転がり、
好き放題やっちゃう、キム一家。

ここが、私的そうはならんやろ場面のひとつ。笑

だって
身分を隠してるといえど、4人それぞれお給料はもらっているはずなんだから
そのお金で居酒屋でもどこでも行けば良いのに!

とは思いつつも
「この家でこれだけ豪遊してみたい」
「お金持ちの気分で、家族団欒をしたい」
という切なる思いもあったのかな…と想像したり。

そんなふうに団欒をしていると、とある来客が…

その来客と、
その来客の知る秘密が
この後の運命を大きく変えてしまうのです。

来客は、
前任の家政婦。
「忘れ物があるんです」「急に解雇されたものだから」と

戸棚を開け、地下室へ……

これは、家主も知らない秘密の部屋。

狭く、コンクリ打ち付けの、長い長い階段が地下へ続き
その中に、
なんと、家政婦の旦那さんが…

家政婦は、この家に住み込みで勤めながら、
食べ物を旦那に渡していたのでした。

旦那さんは、何やら少し挙動もおかしく
精神がやられているのか、もともとこうだったのか、
それとも、風呂もなく光もない地下の環境が
こうさせてしまったのか…

お互いの秘密を知ることになる二つの家族。

そこに、「大雨でキャンプを中止した、
8分後に家に着くからラーメンを用意して、」と

社長奥様から電話が入るのでした……

ここまでが、なんか、もう、すごくて。
金持ちの家で団欒の「おいおい笑笑」というコメディ感を一気に打ち消す家政婦の夫婦。

と言いつつも、その前に、
「私たちって(人に寄生して)まるでゴキブリ」と自らを罵るお母さんに、
お父さんがキレてしまうようなシーンもありました。

それから、金持ち家族が帰ってきた後、逃げるのが間に合わず、3人でテーブルの下に隠れるシーンでは
「運転手のにおいが気になる」と、社長が奥様にこぼします。
「地下鉄のような…大根のような…嗅いだことのないにおい」
天才くんも、少し前に、お兄ちゃんとジェシカのにおいが同じことを指摘していたけど
嗅いだことのない、っていうのがつらい。
社長はきっと、生まれた時からぼんぼんで、半地下の家の中のにおいとか、そういう、
「貧乏」のにおいを嗅いだことがなかったのかな、と。

お父さんはどうやら、
プライドはそこそこ、高めみたいで、これを言われてる間も顔をしかめています。
自分の今の暮らし、そして、金持ちの暮らしの対比がわかっているからこそ、より、苦しいのかもしれません。


家政婦夫婦を地下に閉じ込め、
お母さんはキャンプから帰ってくる金持ち家族をなんとか出迎え、
お父さん、お兄ちゃん、ジェシカの3人は、大雨の中走って家へ帰ります。
金持ちの家から
どんどん、どんどん
坂を下って
階段を下って
トンネルをくぐって
どんどん
どんどん
下へ下へと駆け降りていく演出は
さすがに、見ててこたえました…

下へ、下へ。
そしてこの日は大雨。
そう
半地下の家は、ほとんど水没していました。
キム一家だけでなく、
近隣の半地下のひとたちも、みんな…

避難所の体育館で眠りにつく3人。
ここからどうなるんだろう、という不安が
こちらにもひしひしと、伝わります。

③「そう、は…ならんやろ…??」

翌日。
「雨も止んだから、天才くんの誕生日パーティーを仕切り直します!」と、
テンション高い奥様から、キム一家それぞれに連絡が入ります。

大雨の後で、家を無くし、避難所で身体を硬くして眠れぬ一夜を過ごすキム一家と

「災い転じて福となす!キャンプが中止になったおかげでホームパーティができるわ✨」と上機嫌の奥様


なんかもう、この辺りは、演出だと分かっていても対比がつらすぎる…
「パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない」の現代版かな、と思いました。

ここから先、パーティーが、もう、波乱で…

細かい流れは省きますが

いきなり地下から飛び出してきた家政婦旦那が、
お兄ちゃんの後頭部を殴り
ジェシカをナイフで刺してしまいます。
その様子を見た天才くんは、気を失います。
その隙に、お母さんが家政婦旦那をバーベキューの長い串で一突き…
この辺りは、何が何だか、もうわかりません。

天才くんを抱き抱え、「早く車を出せ!」と怒鳴る社長。
いやいやいやいや
こちら、刺されて大出血ですけど…???
必死で止血を試みるお父さん。しかし…

そんなこと関係なく、
「車を出せ!車の鍵をよこせ!」と怒鳴り続ける社長
いや、息子の気絶はじきに目が覚めると思うけど…

ここでもまた、格差。

車の鍵を投げるも、
家政婦旦那の下敷きになる鍵。
鍵を手に取ろうとした社長が、
家政婦旦那の匂いに、思わず鼻を摘んでしまいます

それを見ていたお父さんが…

あろうことか
ナイフで社長を一突き。

え、
いや、え????
そう、は、ならんやろ…??

そしてお父さんはどこかへ逃げていき消息不明に…

この事件はどうやらニュースになるようですが、
家族の関係がどのあたりまで明らかにされたか、などはよくわかりません
わかるのは、
社長を刺したお父さんの行方を追って、しばらくお兄ちゃんは警察に尾行されていたことだけ。
なにしろお父さんは、街の防犯カメラにもうつらず、足跡もなく、忽然と姿を消してしまったのですから。

みなさんなら、もう
お父さんがどこに逃げたのか、お分かりですよね。


④日本と韓国の「格差」の表現(万引き家族との比較)

見始めたときは
「お?万引き家族に似てるぞ?」と思いました。
(公開当時も、そんな話題があったような)


いわゆる「底辺」で生きることしかできない一家。
万引き家族は、「盗み」で
パラサイトは、「寄生」で
生きていこうとするわけですね。

この二つの映画の何が怖いって
「二つとも、現実味を帯びていること」

映画だからデフォルメはもちろんあるけれど
本当にこのような暮らしをしている人たちが
身の回りにもいくらでもいるんじゃないか?
そんなことを思わせるくらい、妙な現実感があります。
というか、本当にあるんだろうな。
私たちからは見えてないだけで。

「万引き家族」は、ひたすら、その家族が生きていく道を探していく話だったけど
「パラサイト」は、ひたすら、格差を見せつけられる話でした。

韓国の受験シーズンって毎年話題になるけど
絶対遅刻できないからみんなタクシー移動で
ものすごい熾烈な受験戦争があって
そんななかで、もし落ちれば、人生から転落していってしまう
文字通り、そういう人生で、
転落した先の、
坂の下の、階段の下の、
半地下や地下の人生が身近にあるんだろうな、って思わされて。

お兄ちゃんも、ジェシカも、
学校にさえ行けていれば、発揮できる能力は二人とも抜群にあったのに
お金と機会に恵まれなかったせいで、こういう運命を辿ることになってしまい、
お父さんも運転うまいし(もう何年もしてないはずなのに)
お母さんだって、家政婦として文句を言われている描写は全くないんです。

だとしたら、なぜ?

家族です、と最初から紹介してはいけなかった?
…いや、これが、そうはいかないから、
この格差社会になっているんだろうな、と。
誰か1人でも半地下の人たちだと分かったら
あの豪邸を追い出されていたでしょうね、あの社長と奥様の性格を考えたら。

JKとお兄ちゃん、引き裂かれちゃったなぁ。
お兄ちゃんの友人、JKのこと好きだったけど、もう会えないのかなぁ。とか。

考察も感想もまだまだありますが
ひとつ言えるのは
「万引き家族」とは、やっぱり、きちんとした別物だったということ。
これはすごい作品でした。
見てよかったです。

このnoteのトップに画像を貼りたくて
スクショを切り抜いたけど
足元だけでも大変なことになってますな…。
格差に、ネタバレに笑笑

連続投稿11日目
予期せぬ映画レビューとなりましたが、
これもたまにはいいですね。
またやるかも?笑

#パラサイト #半地下の家族


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