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数学の見方を変えよう

 数学といえば、嫌いな人が多い。難しいからだそうだ。確かに難しい。しかし、私は数学が好きだ(点数が取れるという意味ではない)。数学の問題を解いている時は料理をしている気分に近い。それぞれの材料を作りたい料理に合わせて、適切に調理し、少しずつまとめていき、最後はひとつのお皿に終着する。数学も与えられた条件、数値を問いの答えになるように適切に計算をし、最後それら全てが一つの答えにまとまる。食材の処理の仕方、煮る、焼くが数学で言うところの、公式に当てはまると思う。そう考えると、数学は実技的で、楽しい気がする。楽しんでれば、料理も数学も楽しくなるだろう。

 昔、ドラマ『ガリレオ』で主演の福山雅治が演じる天才科学者、湯川学が『料理は科学だ』って言っていた。まさにその通りで、食材に熱を加えて、中の物質を変化させたり、何かを混ぜることでも変化が起きるわけで、意外とそういう生活の中にも、一見役に立っているのか分からなかった知識がうごめいている。

今までは、数学と料理の共通点をあげたが、次は、じゃあ何が違うにかというと、扱うものの抽象度だ。スーパーで買った2個の果物と「2」は違う。スーパーで買った果物は細かく(具体的に)見ていけば違う。例えば、買った果物がリンゴとブドウであれば、「リンゴとブドウ一つずつ買った」というのが正しい。だが、リンゴとブドウを抽象すると、果物になる。そうすれば、「果物を二つ買った」という表現も正しい。さらに抽象度をあげれば、「もの2つ」とも言え、最終的に「2」という抽象度の高いものになる。

「🍎🍇」→「リンゴ、ブドウ」→「果物、果物」→「◯、◯」→「2」(右に行くにつれ、抽象度は高くなる)というように、最初は実態を持っていた「🍎、🍇」は抽象化すると、言語になり、「リンゴとブドウ」になります。そして以後の流れは上記の通りだ。

ここが飲み込めたら、後の仕組みは、料理も数学も一緒だ。食材にそれぞれ特徴があるように、数字や図形、式の一つ一つにも特徴がある。それを押さえれば、数学ライフは楽しくなるんじゃないかなと思う。

 計算が苦手という人がいるが、そんなのは計算機に任せればいい、重要なのは、正しい式が立てれるかどうかだ。正しい式は問題をちゃんと理解していれば立てれる。料理だと、水分を飛ばすなら弱火でじっくり、焦げ目をつけたいなら強火でさっと、だ。ここをもっとわかりやすく分解すると「水分を飛ばす」「焦げ目をつけたい」の部分が数学で言うところの問題を理解するの部分だ。そして「弱火」「強火」の部分が式を立てるに当てはまる。数学ができない、式を立てられない人はおそらくだが、レシピに強火で10秒と書いてあれば、ただ10秒強火にかけるだけだ。そこに「なんでこれが必要か」を考えていない。数学ができる人ならば、パリッとした食感が欲しければ、強火にかけるだろう。ここで数学は出来ないけど、パリッとした食感が欲しければ、自分だって強火にかける、と思ったあなたは、本当は数学ができる人なはずです。ただちょっと怠っただけです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。これを読んで少しでも数学の見方が変わってくれたら幸いです。

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