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人事担当者の視点で給与明細から読み取ってほしいポイント①

私は大手メーカーの人事部で勤務しているのですが、給与明細を読まずに捨てる社員が多いなと感じています。

そこで数回に分けて「給与明細から読み取ってほしいポイント」を私なりにまとめてみたいと思います。

結論から言うと、給与明細とは「①会社の考え方、②会社での今の自分の立ち位置、③国の政治のあり方」の3つを示している資料なのです。詳細はそれぞれの項目を見ながら解説していきましょう。


1.基本給

基本給とは一体なんでしょうか?

こう聞かれるとなかなか上手い返答が返せない方が多いのではないでしょうか。答えは「給与の本体」なのです。

給与の本体とは一体どういうことか。皆さんは給与が支払われたというとき総支給額とか、実際の振込額しか気にしない人も多いはずです。それではあまりにももったいないのです。

皆さんの給与の総支給額に対して基本給はどの程度の割合でしょうか。基本給の割合が高くなればなるほど、各種手当の金額が低く、逆に基本給の割合が低ければ各種手当の金額が高いということですね。

前者の場合、あなたの給与支給額は今後低くなってしまう可能性は低いはずです。逆に後者の場合はなにかイベントが発生した際に給与支給額が下がってしまうことがあり得てしまいます。そう言える理由を以下に記します。


理由としては、基本給は各種手当、退職金、賞与、など多くの会社からの支払金の基準になるものなのです。ということは、会社の経営が傾いているからといって簡単に下げられないものだからです。逆に地域手当、住宅手当、役職手当、といったものは下げるハードルが大幅に低いのです。

私が何を言いたいかというと、総支給額ではなく、基本給の金額であなたの会社の中での評価が決まっているということです。総支給額で自分の年収を計算しライフプランを立てることは先程話した理由から危険だということです。

また、単純に言える話ではないかもしれませんが、総支給に対して基本給の割合が高い会社は優良(社員にとって優しい)企業だと思います。逆の場合は若干ブラックといいますか、退職金等の金額が先の企業と比べ低い水準にあるはずです。サラリーマンの立場から会社を評価する際には指標の一つにしてもよいかもしれません。


そう言われても、じゃあ結局私達はどうすればいいのかという話になりますが、簡単です。基本給を上げることが、実質的に年収(生涯賃金)を上げる一番の近道ということです。

基本給を上げる方法は会社によって様々ですが、だいたいの会社は年に一回昇給のチャンスがあるはずです。また、試験を受ける必要があるかもしれませんが、役職が上がれば基本給のテーブルが一個上の段階に進むはずです。

「東京に転勤したら手当がついて年収が上がった」とか「東京から地方に戻ったら給与が下がった」とか、そういったことに一喜一憂することなく、実績を積み、自分の人生を変えていきましょう。現状維持のままでは生涯賃金は一生変わりません。


続きは次回にします。


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